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「HRカンファレンス2019-秋-」の
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参加者の声 参加者の声

HRカンファレンストップ > 参加者の声 > 参加者インタビュー:玉山 美紀子さん(株式会社富士通ゼネラル 健康経営推進室 メンタルヘルス法務主任者)
「HRカンファレンス」参加者に聞くInterview

フラットな気持ちで参加することで
思いもよらない気づきや発見が期待できる

株式会社富士通ゼネラル 健康経営推進室 メンタルヘルス法務主任者
玉山 美紀子さん

たまやま・みきこ●大学卒業後、損害保険ジャパン日本興亜株式会社などを経て、富士通株式会社に入社。富士通グループのSE職に対する人事業務全般を担当。2018年に株式会社富士通ゼネラルに異動、健康経営推進室にて同社の健康経営施策の企画推進に携わる。

2009年にスタートした「HRカンファレンス」は、今年で10年目を迎えました。そこで今回、空調機メーカーとして知られる富士通ゼネラルで、健康経営施策を企画・推進する玉山美紀子さんにお話をうかがいました。実は玉山さんは、パネリストとして「HRカンファレンス」に登壇した経験もお持ちです。参加者、そして登壇者として「HRカンファレンス」をよく知る玉山さんに、見どころ、利用法、印象に残った講演などをお聞きしました。

健康経営推進を担当 社員の動機づけに苦心

――まず、現在の業務内容についてお聞かせください。

私は昨年、富士通からの出向で富士通ゼネラルの健康経営推進室に異動しました。健康に関わるイベント企画や経営へのレポーティングなど、健康経営に関する施策を主に担当しています。健康経営推進室自体は3年前に設置され、組織上は経営(社長・副社長)直下に位置します。専任社員は室長と私、派遣社員2人の計4人で、兼任で担当部長と課長がいます。経営直下で仕事のしやすい環境ですが、日々、宿題もたくさんもらっています。

――日々の業務において感じている、課題とは何ですか。

健康経営を進めるうえで、どのようなストーリー展開であれば社員が腹落ちするのか、常日頃から大きな課題認識を持っています。というのも、当社が富士通グループの一員となったのは、1980年代で、古くからいる社員のベースは富士通とは異なります。モノづくりの現場に携わる研究開発職が多く、みんな非常にまじめです。トップから降りてくる施策や情報の受け取り方にも違いがあります。だからこそ、組織全体としての骨子やストーリー性が重要です。

健康経営の必要性をうたう場合も、とにかく全体のストーリーがぶれないようにしなければいけません。全ての人事施策に通ずることですが、「世の中で効果が出ているから、当社でも実施します」という言い方では、社員には全く響きませんし、納得してもらえません。制度・施策には自社なりの理由が必ずあるはずです。

自社内だけの学びには、限界がある

――玉山さんが「HRカンファレンス2019-春-」(2019年5月開催)に参加された理由をお教えください。

今、私が担当している健康経営は、経営マターです。健康管理や産業保健とは違う、経営者の視点で、健康問題を取り扱わなくてはなりません。そのため、私自身が経営について最新の考え方を知る必要があります。関連する本は読んでいますが、一人での学びには限界があります。この分野における最先端の先生方の生の言葉を聞いて、考えを整理したいと思っていました。さらに当社の経営陣からも、「心理的安全性」など健康経営を推進していく上でのいくつかのキーワードを示され、外に学びに行く必要性を感じていました。

そんなとき、「HRカンファレンス2019-春-」のプログラムに心理的安全性をテーマにした講演を見つけました。その他にも、経営に関する講演が同日にあったので、何としても参加しなくてはいけない、と思いました。

実は「HRカンファレンス」には、5年ほど前にパネルセッションの登壇者として参加しています。20分ほど時間をいただき、富士通の健康経営に関する施策を話しました。他の登壇者とディスカッションする中で、人事担当として学びと気づきが多いことを痛感しました。非常に良いイベントだと思いつつも、その後、日々の仕事が非常に忙しくなり、時間を捻出できない状態が続いていました。前回久しぶりに参加できて、とてもうれしく思います。

――参加された講演の内容はどのようなものでしたか。

一つは経営からの宿題として与えられたもので、心理的安全性に関する講演です。心理的安全性認定ファシリテーターの清水美ゆきさんと、少子化ジャーナリストである白河桃子さんによる「心理的安全性の高い職場をつくる共感型リーダーの3つのチカラ」を拝聴しました。

経営的な観点では、一橋大学大学院の楠木健教授の「戦略のクリティカル・コア:究極の競争優位を考える」と、学習院大学の守島基博教授の「戦略人事の展開:新たなる戦略連動を目指して」を受講しました。守島先生の場合、経営学を学んでいない人でも、わかりやすい言葉を使って説明してくださいます。ビジネスのグローバル化に合わせて人事も変化しなくてはならないという課題や、要所要所で進化している人事の現状、キーワードの変化がよくわかりました。仕事の都合上、一日しか日程が取れなかったので、同じ日にこれらのプログラムが重なっていたことは、とてもラッキーでした。

「HRカンファレンス2019-春-」(2019年5月開催)の玉山さんのタイムスケジュール:5月14日(火)
時間 講演形式 講演タイトル
9:30 -10:30 特別講演 心理的安全性の高い職場をつくる共感型リーダーの3つのチカラ
10:45 -11:45 基調講演 戦略のクリティカル・コア:究極の競争優位を考える
13:00 -14:30 特別セッション 戦略人事の展開:新たなる戦略連動を目指して

――守島先生の講演は、特別セッション(参加者同士で議論を交わし、テーマへの理解を深めていくプログラム)でした。質疑応答などを含めて、通常の講演とは異なる学びや印象があればお聞かせください。

長時間のグループワークや質疑応答を取り入れているので、守島先生や参加者同士の経験などを踏まえた話が聞け、「戦略人事の展開」について非常に深い理解を得ることができました。戦略人事というテーマ性もあってか、参加者の多くは役職付きの方でしたが、皆さんフラットな立場でグループワークに参加されていました。名刺交換やその後のメールのやり取りもあり、他業種の人事の方とのコミュニティーができたことが大きな収穫です。


講師と近い距離で質問や議論を交わせる特別セッション

「HRカンファレンス」で得た情報は、全て社内で共有

――「HRカンファレンス」で得たことは、どのようにして職場に持ち帰り、シェアし、生かしていらっしゃるのでしょうか。

「HRカンファレンス」で得た情報は、正規・非正規社員にかかわらず社内で人事業務に携わる全員に共有しています。各プログラムのレジュメ・資料がとても充実しているので、それに私のメモを記したものをメールで送付します。経営や人事を取り巻く環境が変化するにつれ、「HRカンファレンス」で取り扱うテーマも年々進化しているように思います。人事業務に関わっている以上、新しい情報や考え方を共有する意味は非常に大きいですね。

若手社員や新人が資料を見ても、理解できない部分や自分には関係がないと感じるテーマもあるでしょう。それでも、何かしらキーワードに引っ掛かりを感じたり、気づきを得たりしてほしいです。彼ら自身が問題意識を高め、今後「HRカンファレンス」のようなイベントへどんどんと参加してくれたらうれしいですね。私は、その先導役になりたいと思っています。

また富士通グループの場合、初期配属で人事になると、基本的に人事を軸とした仕事にずっと関わることになります。ですから、採用や育成、労務といった担当業務、役職の有無、どの立ち位置に立っても、それに追い付く知識を身に付けていかなくてはなりません。その意味でも「HRカンファレンス」は実に多種多様なプログラムを提供してくれますので、非常に参考になります。個人的には、時間の都合がつけば全ての日程に参加したいくらいです。

――実務に関する学びに限らないわけですね。

その通りです。「今、担当している業務だから必要だ」という視点に限って講演を選ぶ必要はありません。経営や人事分野で大きな実績を出されている先生方の講演を聞けるわけですから、ビジネスパーソンなら誰が聞いても損はありません。短い時間でテーマの概略を理解できる上、会場には関連著書も置かれているので、非常によい学びの場だと思います。

また、「HRカンファレンス」に参加することは、人事パーソンとしてのネットワーク作りにも大きく寄与します。自分がパネリストとして登壇したときも、他の登壇者だけでなく、会場の参加者とも名刺交換し、後日、メールでやり取りさせていただきました。また、著名な先生方とも面識を持ち、有益な情報を得ることができます。まさに「HRカンファレンス」ならではのコミュニケーションです。

人事パーソンがお互いに情報を公開し、共有していくことが不可欠

――以前は、人事の集まりというのは、閉ざされた場が多かったように思います。

そうですね。特に製造業の場合、専門領域ごとの分科会は、非常にクローズドな世界です。配布資料も、その場で回収されることが多かった。しかし、そういうスタンスでは、時代のスピード、ビジネスの動向に追い付いていけません。

人事の分野で公開できない情報は、個人情報以外、あまりないのではないでしょうか。特に、健康経営で顕在化した問題に対処していくには、他の企業がどういう方法で取り組んだのか、どのような統計が取れているのか、いろいろな情報を知ることが不可欠です。すべての従業員に、元気で働いてもらうためにも、これからは情報を共有していくことが必要だと思います。「HRカンファレンス」では、人事が抱える問題に対して、参考となる企業のケーススタディを紹介するプログラムが多く、ありがたく思っています。

かつての人事には、知恵を絞りコストをかけて作った制度を、なぜ無料で公開しなくてはならないのか、という考え方があったように思いますが、「HRカンファレンス」に参加していると、意識の変化を感じます。当社も、新興企業などから健康経営の進め方を詳しく聞かれることがよくあります。新興企業は対応が速く、話を聞きに来た2ヵ月後にはCHOを立てて、健康経営室を立ち上げます。重厚長大な製造業からするとなかなかまねができないことで、学ぶ点は多いですね。自社に合った人事施策を、スピード感を持ちながらきめ細かく進めています。また、うまくいった点や課題なども情報共有してくれるので、当社も助かります。こうした人事部間における協働は、お互いの知恵を出しあうことが非常に大事だと思います。だからこそ、情報を積極的に公開し、共有し、皆で知恵を出し合う「HRカンファレンス」に参加する意味は、今まで以上に大きくなると感じます。

また、「HRカンファレンス」でユニークだと思うのは、著名な先生方やコンサルタントなどの基調講演の前に、まずベンダーの講演を聞くというプログラム構成です。直接的な営業を受けずに、ベンダーの理念やサービスを知ることのできる機会は貴重です。ベンダーは、幅広いテーマを網羅するよりも、どこか1点に強みを持ってサービスを提供しているところが多いですよね。例えばダイバーシティも、女性や外国人の活用、病気を持ちながら働く人への対応と切り口を絞っている企業が多い。その確認のために、営業の方にわざわざ出向いてもらうのは気が引けますが、イベントであれば、複数のベンダーの話を直接聞けるので、各社の強みがどこにあるのかがよくわかります。サービス・商品を選定、導入する上でとても参考になります。現在は必要としないサービスでも、今後自社で課題が出て導入する可能性は十分にあります。上司からサービスについて話を振られたときに機を逃さないよう、ベンターの引き出しを増やすチャンスと捉えて積極的に講演を聴いています。

「HRカンファレンス」には、思いもよらない発見がある

――これまで参加した「HRカンファレンス」で、最も良かった講演は何ですか。

楠木先生の「戦略のクリティカル・コア:究極の競争優位を考える」(「HRカンファレンス2019-春-」)ですね。当時の私は、当社が経済産業省の「健康経営優良法人(ホワイト500)」認定を受けた意味について、全体のストーリーがぶれないように社員に説明することができず、悩んでいました。そうした中、楠木先生が話された「戦略をストーリーとして考える」という視点とそこで紹介された具体例に、思わず「なるほど!」とうなづきました。健康経営を推進していく際、非常に参考となる話を聞くことができました。

この講演には、特に目的意識があって参加したわけではありません。楠木先生の講演なら面白いだろうという程度の考えで、特に事前準備もしていませんでした。ところが話がすごく新鮮で、私自身が抱えていた悩みが解消され、今まで経験したことのなかった腹落ち感がありました。この感覚は、今まで経験したことのないものです。

これまでは自分の強みや関心ある分野を強化していきたいという観点から、講演を選択していました。ビジネスパーソンですから、イベントに参加するときは、目的をはっきり持つことが大事だと思っています。しかし「HRカンファレンス」の場合、たまたま聞いた講演でも、思いもよらない発見や気づきを得ることができます。この点が、他の人事関連イベントとの一番大きな違いだと感じます。

新たな学び・気づきは社外にある

――戦略人事の重要性が増す中、人事には、実務能力だけではなく、経営戦略とリンクしたプログラムをつくる力が求められます。

人事担当者は自身の存在価値を考え、常に経営と寄り添って、役割を進化させていく必要があります。ただ、頭ではわかっていても、実践するのはなかなか難しい。また、社内に閉じこもっているようでは限界があります。社外に出て新たな学びを得ること、他社の人たちと意見を交わすことではじめて、ブレークスルーとなる点を見出せるのだと思います。また、社外で得た気づきや知見を、社内で共有していくことが大切です。こうした取り組みが、これからの人事担当者にはますます求められます。

――「HRカンファレンス」にまだ参加したことがない方に、メッセージをお願いします。

あえて的を絞らずに、視野を広げて、フラットな気持ちで参加してみてはいかがでしょうか。私も経験しましたが、思いもよらない気づきや発見が期待できます。「HRカンファレンス」は業務や自身のキャリアに生かせる有用な学びの場であることはもちろんですが、「人間力」を高める場でもあると思います。

――今後、「HRカンファレンス」に期待されることは何ですか。

経営を取り巻く環境が大きく変化している中、「日本の人事、これまでの10年、これからの10年」と、広く日本企業の人事の過去と未来を総括、俯瞰するような講演を実現していただきたいと思います。


(川崎市高津区の富士通ゼネラル本社にて)
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