人と組織を学ぶ 日本最大のHRイベント

日本の人事部「HRカンファレンス2022-春-」 
	2022年5月18(水)・19(木)・20(金)・24(火)・25(水)・26(木)開催 [主催]日本の人事部「HRカンファレンス」運営委員会[後援]厚生労働省

講演者インタビュー

日本の人事部「HRカンファレンス2022-春-」トップ 講演者インタビュー 酒井 穣氏(株式会社リクシス 代表取締役副社長 CSO)インタビュー

なぜ今、企業は「隠れ介護問題」解消にかじを切るのか
先進企業事例にみる「2025年問題」対策の肝

酒井 穣氏 photo

株式会社リクシス 代表取締役副社長 CSO

酒井 穣氏

これから人事が対応に迫られる「2025年問題」。どのような対策が必要なのでしょうか。本講演では、「ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由」の著者であり、自らも30年以上の両立経験のある酒井が、ビジネスケアラー問題の大きさと本質課題について講演。さらにビジネスケアラー3万人のデータからひもときつつ、これらの「隠れ介護問題」の解消に取組んでいる先進企業の「今」について、解説いたします。

―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?

「仕事と介護の両立支援」は、多様性推進のための一つとして、多くの企業が長年にわたり講じてきました。決して新しくはないテーマですが、介護に直面している社員の実態が把握しにくく、施策効果が測りにくい人事領域と言われています。実際、「介護が始まったら人事に相談する」と答える従業員の割合は約半分(当社調べ)。リクルートワークス研究所の最新論文には、既存の「介護支援制度」がむしろ両立負担を上げる方向に作用してきた可能性がある、という分析が出ています。

団塊世代が後期高齢者ゾーンに突入する「2025年問題」が目前に迫る今、次の20年のサステナブル経営に向けて、この課題との向き合い方を再整理するタイミングに来ているのかもしれません。あらためて「仕事と介護の両立支援」に関する方針を整理したい企業や、把握しにくい従業員の介護実態データを踏まえた先進企業事例を知りたい企業の皆さま、ぜひご参加ください。

―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

多くの企業が事業モデルの変革を余儀なくされ、従業員の働き方・価値観も劇的に変化した2020年。ここから先の20年は、「従業員の自律性とウェルビーイング」を確保し、多様な個の力を総合的に発揮できるかが、サステナブル経営の焦点になるでしょう。

もう一つの大きな構造変化が「高齢化」です。超高齢社会先進国である日本では、2025年に人口最大のボリュームゾーンである「団塊の世代」がいよいよ後期高齢者層に突入します。当社の調査結果では、3年以内に介護との両立が迫っているにもかかわらず、両立準備が進んでいない従業員の割合は約3割。多くの従業員が「介護が始まっても通常通り働き続けたい」と考えているのに、7割以上が「介護が始まったら仕事を続けられない、わからない」と答えているのが実態です。

今後20年のサステナブル経営のためには、「介護期間に休むことで離職を防ぐ」のではなく、「介護中でも働き続け、パフォーマンスを落とさない」という、仕事と介護の両立方法の実現が鍵となります。

本講演では、今後20年の人口構造変化を確認しつつ、2万名になる企業従業員データをもとに、「普通に仕事を続ける両立実現」に向けて、どのような施策をどのターゲットに講じていくべきか、最新企業事例を交えながら具体的・実践的に深堀りしていきます。

―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

企業人事の多様性推進の「焦点」は、従業員に占める対象者の割合が「閾値」を超えることによって変わってきました。企業の女性採用比率が増え、共働き家庭比率が閾値を超えることにより「育児両立支援」「男性育休」「働き方改革」が焦点となり、採用した女性が経験を積み上げていくにつれて「女性管理職比率」が焦点となる、という具合です。

今後20年で閾値を超える現象は、間違いなく「超高齢化」です。人事の皆さまとともに「仕事と介護の両立支援策」の議論を通じて、超高齢社会も豊かな世の中である、というモデルを、日本から創出したいと考えています。

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講演者プロフィール
酒井 穣氏(さかい じょう)
株式会社リクシス 代表取締役副社長 CSO
慶應義塾大学理工学部卒。Tilburg大学MBAを首席取得。フリービット株式会社取締役を経て、2016年株式会社リクシスを佐々木と共に創業。自身も30年に渡る介護経験者で、テレビなどでも介護関連の有識者として出演。著書『ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由』。

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