［主催］日本の人事部「ＨＲカンファレンス」運営委員会［後援］厚生労働省

――　今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか？

テクノロジーの力を活用し、マネージャーの成長を通じた「変化」に挑み続けられる組織づくりを成し遂げたい方々に、お集まりいただければ幸いです。

情報革命を経た昨今、物理的な生産能力が価値を産んだかつての産業構造から、新たな価値が創造される速度は飛躍的に高まりました。ビジネスシーンは変化に富み、成功モデルの再現では成果につながりづらくなっています。

人的資本の重要性が耳目を集め始めましたが、組織が大きな成果を出すための一丁目一番地はやはり「人」にあります。そして人づくりの中核を担うのが、ミドルマネージャーたちです。

本講演では、創業100年以上の歴史をもつ横河電機が新任管理職研修を刷新し、「マネジメント力向上の基盤にテクノロジーの力を据えた人づくり」に挑む実例をお話しします。動画AIで「人と人との関係性を可視化する」ことを可能にしたZENKIGENとのタッグで実現した、新たな取り組みにご期待ください。

――　今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

「変化」に対する人の向き合い方は、大別して変化抵抗・変化対応・変化共創の3種類です。巨大な組織においては、長年培われてきた仕組みや風土が強固に存在し、変化に対する機動的な適応難度が高まります。必然、「変化抵抗」のスタンスを採る人が多く、彼らをいかに「変化対応」が可能な人材へ、ひいては「変化共創」を担える人材に転換していくかが問われています。

ここで、組織の関係性基盤が肝となります。機能・役割が細分化し、一人では完結しないバリューチェーンの全体最適を図るには、人と人とのつながりが重要です。部分最適を追及するあまりの部門間の反目、自身の安全な場をまもるための保身が生じやすい中で、パーパスを旗印としたベクトル合わせや、心理的安全な関係性の土台づくりが必要となります。

横河電機ではこの「関係性」に着目し、1on1を通じたマネージャーの対話力・関係性構築力の向上に注力しました。ZENKIGENの開発したAI技術を用い、研修の中で1on1において場づくりの力である「傾聴」・「承認」などの振舞いや、メンバーからマネージャーに対する信頼度合いをAIで指標化し、データに基づいたフィードバックを行う体制を構築しました。

最新のAI技術によって可能となった指標化がどのようなものなのか、またそれを通じて当事者たちにおいてどのような変化が生じ始めたのかといった現場のリアルにご注目いただければ幸いです。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

学習意欲に応じて力を高められる環境がある昨今、地頭のいい優秀な人材が輩出される土壌があります。他方で、人材の優秀さを活かしきれず、組織の成果創出に繋がらない状況にもどかしさを抱えている方も少なくないでしょう。

さまざまな職責を担うマネージャーたちの負担は大きく、変化抵抗のスタンスを採ってしまうのは、自身が安心できる依り代を確保したいからかもしれません。安心して挑戦できる土台を関係性から整え、彼らの能力を十全に発揮できる環境を作る必要があります。

横河電機が次の100年を創るために、人がより活躍できる仕組づくりに挑戦しています。我々の取り組みが、共に変化に挑戦される皆さまの一助となれば幸いです。

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