人と組織を学ぶ 日本最大のHRイベント

日本の人事部「HRカンファレンス2022-春-」 
	2022年5月18(水)・19(木)・20(金)・24(火)・25(水)・26(木)開催 [主催]日本の人事部「HRカンファレンス」運営委員会[後援]厚生労働省

講演者インタビュー

日本の人事部「HRカンファレンス2022-春-」トップ 講演者インタビュー 亀ヶ谷 正信氏(Social Healthcare Design 株式会社 代表取締役CEO)インタビュー

真のウェルビーイング経営実現に向けて
~"理想の人材の要件定義"から始めるHRM設計~

亀ヶ谷 正信氏 photo

Social Healthcare Design 株式会社 代表取締役CEO

亀ヶ谷 正信氏

離職率悪化・メンタル疾患増・生産性低下など、目先の課題にその都度対処していては、人事業務はやみくもに増え、逆に従業員の満足度は低下します。これでは、真のウェルビーイング経営は実現できません。まずは、自社の本質的な課題特定が重要ではないでしょうか。本講演では、脳科学をベースにしたウェルビーイングの研究結果・理論をもとに、ウェルビーイング経営の第一歩である「理想の人材の要件定義」について解説します。

―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?

HRMにおける、より本質的な課題設定を提唱します。

企業におけるHRMでは、採用、育成、配置、評価、報酬の各制度がうまく設計されていないと、離職率増、メンタル疾患増、生産性低下など、複合的に多くの問題が噴出してきます。

一方、日常業務においては、医療費増加に対しては健康診断や特定保健指導の受診勧奨、うつ病の増加にはストレスチェック、生産性の低下にはエンゲージメントサーベイの導入など、目に見える課題に対処するための対策を増やしていく傾向がみられます。

従業員からすると、さまざまな部署からの依頼事項が増えるので、その煩雑さからかえって満足度を下げてしまいかねません。現在の健康経営に対する取り組みも、肉体的、精神的なマイナスをゼロにする取り組みに終始しがちで、なかなか関心を持ってもらえないケースも多いのが実情です。

さまざまな問題を効率的に解決するためには、本質的な課題を見つけることが重要です。

―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

■本質的な課題
HRMを設計するにあたり、最初に必要になるのは「理想の人材」の要件定義です。ほとんどの企業においては、業績を上げられるか否かが「理想の人材」の主軸に挙げられ、プロセスよりも結果を重視した要件定義がされているのではないでしょうか? 外部環境は大きく変化しています。貴社における「理想の人材」が現在の時代にあっているのか、検証されることをお勧めします。

■なぜか
利益を獲得できれば、従業員は給与という形でその恩恵を受ける。モノが足りていない時代、欠乏欲求を満たしたい従業員が多い会社においては、給与が幸福に直結するためそれでよいかもしれません。しかし、物質的な欲求だけでは満たされない従業員も増えています。また、日本全体の経済が停滞しているなか、結果のみにフォーカスしたHRM設計では、期待値も高まらずうまく回らない事例が出ています。相対的にプロセス自体に対する意識が高まっています。このような従業員の意識の変化に気付かず、今まで通りの「理想の人材」を主軸にHRMを進めていると、さまざまな問題が増えてしまいます。

■どうすればよいのか
ウェルビーイング(健幸)についてしっかりと学び、自己の幸せと他者の幸せが統合された人材である事を要件に入れる事を推奨します。脳科学的には、思考のメカニズムのみではなく、感情のメカニズムにおいてもバランスの取れた人材です。

―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

企業における人事では、より長期的な視野をもち、本質的な課題とは何なのかについて、深く検討する必要があります。目に見えている課題のみに対応しているのでは、もぐらたたきになるからです。

当社では時代を超えて変化しない構造として、脳科学をベースに人のウェルビーイング(健幸)を研究しています。人の脳は、他者を必要としつつも、同時にあつれきや葛藤なども生み出してしまいます。この複雑な現象を整理できる、きわめてシンプルな理論を説明します。

当日は元サークルKサンクスの人事部長を迎え、実務に根差した意見と共に、これからの人事を考える上で本質的な課題とは何なのかについて意見交換をします。

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講演者プロフィール
亀ヶ谷 正信氏(かめがや まさのぶ)
Social Healthcare Design 株式会社 代表取締役CEO
企業経営における真の課題を深掘りしていくと、個人の幸せと、全体の幸せという二項対立がある。永遠に繰り返されてきているこのテーマに、脳科学という視点から一石を投じる。著書『WELL BEING』(https://shdbook.net)。

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