講演者インタビュー
人的資本経営の視点からみる「エンゲージメント」~持続的に成長する組織をつくるカギ~
株式会社ヒューマネージ アセスメントソリューション事業部 シニアコンサルタント
嬉野 真也氏
経営戦略と人事戦略の連動が不可欠な時代。人的資本の情報開示の潮流が加速する中、人的資本に影響を及ぼす「エンゲージメント」はますます重要度を増しています。本講演では、個人と組織のエンゲージメント開発について10年以上調査研究を行ってきたヒューマネージのコンサルタントが登壇。同社が保有する分析データや企業事例から、持続的に成長する組織づくりのヒントをお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
健康経営優良法人認定制度(ホワイト500)の調査票上にも項目が追加され、「エンゲージメント」の考え方がますます重要度を増しています。
社員のエンゲージメントが高い状態であると、企業業績や生産性の向上だけではなく、ひいてはストレス状態の改善にもつながるとも考えられており、経営戦略から見落とせない視点となってきました。
本講演では、経営戦略と人材戦略の連動が不可欠な時代に、個人と組織のエンゲージメント開発についての10年以上調査研究を行ってきたヒューマネージが、分析データや企業事例から、持続的に成長する組織づくりのヒントをお伝えします。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
数多く「エンゲージメント」施策が見られますが、従来の方法は、“組織改善”に焦点が当てられ、社員のエンゲージメント状態が高いか低いか、また、その要因は何かを、組織ごとに問題点を抽出し、組織改善に取り組むことに注力されてきました。
「給与水準を上げる」「福利厚生を充実させる」といった、組織単位でのエンゲージメント施策では、残念ながら限界があります。もちろん、社員のために働きやすい環境や制度を整備することは大切です。しかし、組織改善の施策だけでは「満足感」向上にとどまり、一人ひとりのエンゲージメントを持続的に向上させることにはつながりません。
個人のエンゲージメントを、人材開発を通じて高めることはできないのか?――継続的な調査研究により、個人のエンゲージメントを高めるカギは「ジョブ・クラフティング」にあることがわかりました。
「ジョブ・クラフティング」とは、「個人の『仕事』を手づくりする力」と定義できます。自分の手で仕事を面白くする力、とも言い換えられます。ジョブ・クラフティングは、その人の特性(わかりやすく言えば“癖”)であり、開発することが可能です。一人ひとりがジョブ・クラフティングの“癖”を身につけることで、エンゲージメントを高めることができます。
持続的に成長する組織をどうつくるか?――直近で入手した最新の分析データや、企業事例も交えながら、お話しいたします。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
近年日本でも浸透してきた「エンゲージメント」という言葉ですが、誤った認識で施策を導入すると、逆効果となってしまいます。
本講演では、人的資本経営の視点から「エンゲージメント」が注目されてきた背景と共に解説し、実際のエンゲージメント分析や企業事例についてお話しします。
これからの時代は、個人と組織がともにエンゲージメントを高めあう組織づくりが必要です。本講演が、日々、エンゲージメントの高い組織づくりに尽力されている人事の皆さまのご参考になれば幸いです。
- 嬉野 真也氏(うれしの しんや)
- 株式会社ヒューマネージ アセスメントソリューション事業部 シニアコンサルタント
- 早稲田大学第一文学部で心理学を専攻。卒業後、ヒューマネージへ入社し、アセスメントツール(ストレスチェック、適性検査等)の開発に携わりながら、早稲田大学の小杉研究室にて、産業場面におけるストレス心理学の研究に取り組む。研究で得た成果・経験を学会発表、企業向け講演・提案営業等、幅広い場面で活用している。
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