講演者インタビュー
コロナショックを経たZ世代の育成方法
対人基礎力と主体的行動の低下を補う3つのポイントとは
(株)リアセック 取締役/(株)ピックアンドミックス 取締役/リアセックキャリア総合研究所 主幹研究員
平田 史昭氏
今、大学は、学生のキャリア観を醸成し、社会通用性を高める教育を強化しています。しかし、入社後先輩社員と接する機会も少なく、成長しづらい職場環境や、キャリア自律メッセージに、ギャップを感じる若手社員は少なくありません。本講演では、大学生140万人の基礎力テストPROGの分析から、Z世代の特徴と育成課題を明らかにし、ジョブ型雇用時代に合った「個人のキャリア開発支援を通じた育成」の考え方・方法をご説明します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
下記の課題感をお持ちの人事、人材開発ご担当者の皆さま向けの内容です。
・働き方改革で要望を高めにくい環境下、早期離職をさせず、仕事の力を鍛える方法を知りたい
・キャリア自律とリテンション。相反するメッセージをどう統合したら良いか悩ましい
・ジョブ型雇用で、ますます現場マネジャーのやる事が増え、疲弊する。マネジャーの負担感を下げつつ、新人若手を育成する方法を探したい
・形骸化しがちな1on1の育成観点での施策のヒントを知りたい
・2024卒採用はコロナ禍で大学生活をスタートした年代。どのような採用活動と育成を工夫できるのか知りたい
今回は、仕事の中に、キャリアと社会通用性のつながりを持たせることが、コロナ世代の新人若手社員の主体性と能力開発につながり、リテンション、エンゲージメント向上の鍵になることについて解説いたします。また、コロナ世代の採用活動の工夫点についてもお伝えします。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
期待と入社後の現実ギャップ。旧来の「自分が通用しない」ショックではなく、「自分はこのままでは通用しなくなる」焦りを感じる、新たな「リアリティショック」が生まれつつあります。
大学が試行錯誤しながらも様々な取組を通じて育成してきた学生が、期待をもって入社した職場では、成長期待が思ったより得られないという実感を持っています。
特に、コロナ禍の学生達の能力変化(対課題基礎力は維持・伸長し、対人基礎力と主体的行動が低下)は、新人若手が育ちにくくなった職場環境で、育成を考える際の注目点です。
大学生の基礎力変化、Z世代の特徴、職場環境の変化と若手社員の焦燥感の背景など、データ、事例をご紹介しながら、彼らの育成施策のヒントを一緒に考えていきたいと思います。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
現在、以前は職場に当たり前に存在していて、気づきにくかった職場における「3つのM」が喪失している危機感があります。自然発生的に人材の育成機能を果たしていた、この「3つのM」とは、モデリング、モニタリング、メンタリングです。
これからの社会を担う人材の育成のために、現在の職場・仕事環境で、この失われた機能を補完し、新しい育成環境をどのように創造できるか、問題意識と解決策について、一緒に考えていただければ幸いです。
- 平田 史昭氏(ひらた ふみあき)
- (株)リアセック 取締役/(株)ピックアンドミックス 取締役/リアセックキャリア総合研究所 主幹研究員
- リクルートにて企業の人材採用、教育研修、人事コンサルティングを担当の後、GCDFキャリアカウンセラー養成事業を立ち上げ。2006年株式会社リアセックを設立。高校大学及び組織内個人のキャリア開発支援事業を担当。横浜国立大学経済学部卒。著作に『メンタリング入門』『キャリア開発支援論』(ともに共著)。
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