講演者インタビュー
従業員の声を無駄にしないためのアクション
〜ヤマハ発動機の取り組みを参考に〜
クアルトリクス合同会社 ソリューションストラテジー ディレクター
市川 幹人氏
近年バズワードと化している「エンゲージメント」調査ですが、以前から指摘されてきた「どうやってアクションにつなげるのか」という課題に対し、いまだに多くの企業が悩んでいます。本講演では、調査結果をもとにした人事課題の解説や、アクションにつなげるための従業員調査の動向を整理します。その後具体例として、ヤマハ発動機がどのように従業員の声を収集し、全社をあげて改善アクションに取り組んでいるのかご紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
従業員意識調査の重要性は理解するものの、「果たしてウチの会社で有効に活用できるのか」と悩む企業は少なくありません。これは、導入を検討している企業にも、導入後の企業にもみられる悩みで、なかなか効果的な解が見出せないまま、従業員意識調査を軸とする活動自体が形骸化していくケースもあります。
しかし、多くの働く人々の勤務環境が大きく変化している中、企業としては従業員の声に耳を傾けながら、一人ひとりの能力を最大限発揮できるような環境を提供することが不可欠になっています。
本講演では、従業員向け調査の最新動向を確認しながら、結果を改善のためのアクションにどう繋げると効果的なのかに焦点を当てて議論します。今回は、弊社のユーザーでもあるヤマハ発動機の牧野人事戦略部長をお招きし、同社における取り組みの目的や内容、実施したアクション、苦労した点なども語っていただく予定です。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
本講演でご注目いただきたいポイントは以下の3点です。
第一に、議論の前提として、エンゲージメントを中心とする主な人事課題の動向をご紹介することです。例えば、リーダーシップ、成長の機会、継続勤務意向など従来から注目されてきた課題はもちろん、ウェルビーイング、ダイバーシティ&インクルージョンなどのテーマについて、弊社の調査結果をベースに解説したいと思います。
第二に、従業員向け調査の実施や活用に関わるトレンドについてご説明します。調査実施の頻度やテーマ設定について、新しい考え方が目立ってきています。従業員の声を収集・分析し、アクションに繋げるため、どのような調査の方法があるのかについて整理してまいります。
第三に、具体的な事例として、ヤマハ発動機様の取り組みをご紹介します。同社では、多面的に従業員の声を捉え、課題を認識した上で、全社をあげて改善アクションを取る活動を展開しています。エンゲージメント向上のために、どのようなアクションを実行されているのか、多くの視聴者の方にとって貴重な参考情報になるだろうと思います。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
ビジネスを展開する上での不確実性が大幅に増している中で、従業員の声を無視した経営は今後成り立たなくなっていくと考えられます。しかし、従業員向けにただアンケート調査を繰り返しているだけでは、何ら状況は変わりません。
今後戦略的に注目すべき人事テーマは何か、どのような体験を従業員に提供し、いかにして従業員の能力を引き出していくのか。そのための有力なツールとなり得る従業員意識調査に関し、日常的に議論されているポイントについて、できるだけ具体的な実態を踏まえて情報をご提供したいと考えています。
皆様の日頃のモヤモヤ感を少しでも払拭できれば幸いです。どうぞお気軽にご参加ください。
- 市川 幹人氏(いちかわ みきと)
- クアルトリクス合同会社 ソリューションストラテジー ディレクター
- 住友銀行(現三井住友銀行)、三菱総合研究所を経て、ヘイグループ(現コーン・フェリー・ジャパン)およびウイリス・タワーズワトソンにおいて、従業員意識調査チームの統轄責任者を歴任。従業員の声に基づく組織改革支援に豊富な経験。クアルトリクスでは、従業員エクスペリエンス分野推進のディレクターを務める。
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