企業人事部門
健康経営の普及・啓発を目的に2006年設立し企業、健保、地域等にて包括的取組みを実践
個の力を最大限に引き出す! 一人ひとりと徹底的に向き合う「1000人キャリア面談」
一人ひとりの選択が変革を生むワークスタイルとワークマインドセット両輪からのアプローチ「WAA」
(1) 株式会社アサツー ディ・ケイ:
「この人と働いてみたい」と感じる社員を探して指名し、選考を受けることができる「相棒採用」
新卒採用における「売り手市場化」を受け、アサツー ディ・ケイでは2017年度採用にて新施策「相棒採用」を導入した。
相棒社員候補として87名の社員が採用サイト上に登場。さまざまな方法で社員のリアルな姿を伝えるほか、各社員のプロフィールページからは、直接会えるイベントへ申込みも可能だ。応募者は「一緒に働いてみたい」と感じた社員を5名指名する。指名された社員の一人が書類選考と一次面接を担当し、通過者にはフィードバックを行う。なぜ評価されたのかを伝え、自社への質問を受け付けることで理解を深めてもらうことが目的だ。結果、昨年対比で内定受諾率が23%増加したほか、日経本紙をはじめ10以上のメディアでの掲載や、「採用広報のイメージが良い企業」として1位を獲得(楽天みんなの就職活動日記 調べ)と成果につながった。
企業が一方的に情報を伝え、選考を行う新卒採用活動の「あたりまえ」を排し、応募者と社員が真にフラットな関係を築きながらお互いを選び合う形は、採用市場における新たなソリューションと言えるだろう。
(2) イオン株式会社:
女性管理職の比率を2016年度までに30%、2020年度までに50%へ
イオングループは、2013年春の段階では、管理職に占める女性の比率が10%を切っていた。グループの入社する約60%が女性である同社では、この数字を危機的状況だと考え、2013年5月開催の株主総会において、「女性管理職の割合を2016年度までに30%、2020年度までに50%」にすると宣言し、さまざまな施策に取り組んでいる。
2013年7月には社長直轄組織として、グループ本社にダイバーシティ推進室を設置。翌年には国内の事業会社65社にもそれぞれ3名の推進体制を作り、ダイバーシティ推進メンバーはグループ全体で約200名。具体的には、女性活躍推進を含むダイバーシティに関する情報共有・連携を行うための「ダイ満足サミット」、取り組みの先進事例を表彰・共有する「ダイ満足アワード」を開催するなど、さまざまな活動を行う。まだ目標に遠いのが実状であるが、グループ全体で2020年度までに50%に到達するという目標を達成すべく活動する姿勢に、大きな注目が集まっている。
(3) 株式会社池田泉州銀行:
「ケア重視」で取り組む、育児休業からの「職場復帰支援」および「キャリア形成支援」
池田泉州銀行は人事制度拡充や事業所内託児所設置などの「手当重視策」とは違った、職員との接点拡大や配属部店の工夫など「ケア重視策」で、育児休業からの「職場復帰支援」や「キャリア形成支援」を行っている。同行は、139ある支店のうち9割超が本店所在地(大阪市北区)から公共交通機関を利用して1時間以内でアクセス可能。また、職員のほとんどがその沿線エリア内に居住しており、この特徴を活かした施策作りに知恵を絞っている。具体的には、出産前、育休中、復帰直後、復帰半年後の各職員を対象に、毎月「復帰応援ミーティング」を開催。キャリアプラン、ネットワーク作り、業務勉強会、保活攻略法、夫婦での両立法など対象ごとに様々なテーマを設定する他、参加者の居住地に近い会場で開催するなどアクセス面に工夫を凝らす。また復帰時には、本人の希望に基づき、自宅から30分程度(保育園の送迎を含めても1時間以内)で通勤できる部店へ配属。これにより、育児期間中の職員もフルタイムで活躍することが可能となり、キャリア形成に繋がっている。
【企業情報】http://www.sihd-bk.jp/
(4) 株式会社イトーキ:
働きながらオフィスで健康づくり 「Workcise(ワークサイズ)」
オフィスの環境づくりを事業とするイトーキでは、健康経営の実現を目指し、働き方の変革を通じて社員の健康づくりを促すワークサイズの取り組みを社内外に展開している。ワークサイズとは、「仕事の効率を高めつつ、健康面にも良い効果を与えられる行動」を意味する造語。社員が「働く」時間に着目し、オフィスでの働き方を工夫してできる健康活動を、環境整備や運用を通じて推進している。例えば、「立って作業や打合せができるスペースを設けることで、座りっぱなしの時間を減らし、運動不足を解消する」「定時になると照明が暖色で低照度の光に切り替わることで、早帰りを促進し、体内リズムの調整を行う」などの取り組みがある。
環境整備に併せて、社員の健康データを毎年分析し、結果を社内広報紙(イトーキ健康白書)で公表。課題意識を共有しながら、社員が日々、ワークサイズを実践し健康でイキイキと働くことを目指している。成果としては、社員の腹囲減少や生活習慣改善などの効果が上がっている。
【企業情報】http://www.itoki.jp/sustainability/environment/features/fea2016_01.html
(5) 伊藤忠商事株式会社:
「健康力 商社No.1」による永続的な企業価値向上を目指す『伊藤忠健康憲章』
健康力向上を重要な経営戦略として2016年6月に『伊藤忠健康憲章』を制定した。朝型勤務を中心とした働き方改革を先駆的に推進してきたが、今後は本憲章を核にさらなる健康増進策を実施する。全社員が健康状態を管理できる『健康マイページ』、生活習慣病予備軍への個別プログラム(健康ウェアラブル端末の配布、管理栄養士による食事指導など)、喫煙率低下への支援強化(禁煙治療費の全額補助化)など健康力増強を推進し、能力開発との両輪により社員一人ひとりが最大成果を発揮できる環境を整備していく。
2018年4月には、東京・港区にある東京本社まで30分圏内に、一棟当たりとしては業界最大規模(約360戸)の独身寮を新設予定。健康に留意した朝食・夕食の提供などを通じた食事指導や、サウナ・フィットネス機器の整備などを通じて、若手社員の健康に対する意識醸成を図ると共に、社員教育の場としても活用していく。
勝ち続けるための取り組みとして新たに打ち出した人材戦略としての健康経営がどれほどの効果をもたらすのか、注目される。
(6) グーグル株式会社:
「人材」と「働き方」の多様性がイノベーションを起こすインターンシップ
ユーザーの多様性に合わせた社員構成が不可欠と考えるグーグルでは、「gCareer」「gReach」「STEP」といった多様性を重視したインターンシップを実施している。個々のニーズに合わせて時短勤務などフレキシブルな就業環境を提供している。
「gCareer」:就労経験者の職場復帰をサポートするプロフェッショナル向けの 16 週間のインターンシップ。5 年以上の就労経験者で育児・介護・配偶者の転勤・起業などによって退職やキャリアを中断後、現場復帰を目指す方が対象となる。
「gReach」:障がい者向けインターンシップで、学生・就労経験者が共に対象となる。最短10週間から最長 1 年のプログラムで、実践的な業務やプロジェクトを通してスキルアップを目指す人材育成型のインターンシップ。
「STEP」:技術職においてマイノリティーとされる女性や障がい者の学部生を対象としたトレーニングプログラム。前半と後半の 2 部構成で、前半は社員による技術の教育プログラムで、後半は 8 週間前後の現場での実践型インターンシップ。
これらの活動は働きがいのある職場、ダイバーシティ&インクルージョンの実現にもつながるものであり、今後の同社の動向が注目される。
(7) 特定非営利活動法人健康経営研究会:
健康経営の普及・啓発を目的に2006年設立し企業、健保、地域等にて包括的取組みを実践
健康経営研究会は、「健康経営」を企業マネジメントの新たな手法として捉え、企業と従業員の双方に利点を見出せるような、より良い関係の構築を目指すことを目的に設立。同年商標を登録し、「健康経営セミナー」「健康経営フォーラム」など、様々な取り組みを実践。健康経営の普及・啓発を目的に活動してきた。
企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる、との考えのもと、従業員の健康管理を経営的視点で戦略的に考え実践し、単に医療費という経費の節減のみならず、生産性の向上、従業員の創造性や企業イメージの向上等の効果やリスクマネジメントとしても有効となっている。
政府は「健康寿命」の延伸を掲げ、経済産業省と東京証券取引所では、「健康経営銘柄」を選定、2016年の秋には中小企業や医療法人を対象とした「健康経営優良法人」の認定制度が創設。これらの国の施策により、企業による「健康経営」への取組みは、今後も増加していくものと思われる。
(8) 株式会社資生堂:
資生堂の未来を考える専門部署「未来創造局」を創設
資生堂は、2015年に会社の未来を考える専門部署「未来創造局」を立ち上げた。その使命は、「社内風土変革」と「新規事業の創出」。まずは社内公募で集めたメンバーが中心となり、「未来創造マラソン」と題して工場、研究所、関係会社を含む、日本全国全てのオフィスを訪問した。4~5人の小グループで「未来のために何をすればいいか」をテーマに話し合う、対話会を開催。国内外に約4万人いる社員のうち、参加した国内約6300人の改革意識を引き出した。現場の声から具体的な課題や解決のヒントを集め、経営戦略に活用することが目的だ。
その後、役員らを交えた会議「未来創造サミット」を開催。資生堂が今後100年存続していくための指針や方策について議論した。2016年度には「未来創造サミット」から生まれた新規事業社内公募制度も始まった。同社は2014年4月に魚谷雅彦社長が就任してから、社内改革を加速しているが、未来創造局を通じた一連の取り組みがどのような成果を見せるのか、今後の動向が注目される。
(9) 株式会社SHIFT:
業界初、完全オンラインによる新卒採用活動「RIKEI-NOU(理系-脳)検定採用プログラム」
株式会社SHIFTは2017年の新卒採用において、業界初となる、オンラインで採用活動が完結する「RIKEI-NOU検定採用プログラム」を導入した。「RIKEI-NOU」とは「論理的思考力」「抽象化能力」「緻密性」の三つの資質で、ソフトウェアテストを実行・推進するうえで大切な資質のこと。本プログラムでは、「RIKEI-NOU」の資質を測るオンライン上の「RIKEI-NOU検定」に合格した人に対して即時に内定を通知。内定者には、「RIKEI-NOU支援金15万円」および「RIKEI-NOU一生内定」を提供するほか、キャリア相談会やスキルアップ講座なども開催し、全国の「RIKEI-NOU」就職活動生を応援してきた。
就職活動をする理系専攻学生の多くは、研究活動などに時間的制約を受け、卒業後のキャリア選択を短絡的に決めてしまう傾向があると言われている。このことを受け、SHIFTでは受検から内定までをオンラインで完結させることで、就職活動生が時間と空間を選ばず、また交通費をかけずに就職活動ができる本プログラムを導入した。
(10) 株式会社ディスコ:
短時間残業代の割増率を引き上げることで、長時間労働問題を改善
半導体製造装置メーカーのディスコは、2016年4月の勤務分から時間外労働(残業)の割増賃金について、月60時間までの場合、残業が短い方が割増率が高くなるように制度を改定した。
具体的には、月45時間までの時間外労働に関する割増賃金率を、従来の25%から35%に引き上げた。これにより、月45時間までの残業代割増率が、月45~60時間の割増率(30%)を上回ることになる。なお、60時間を超える分は従来通り50%としている。
同社では割増率を逆転させることで、月45時間の残業が意識され、社員の残業を減らす努力が経済的な不利益につながらずに、残業時間が減少することを期待している。長時間労働の改善を目的として多くの企業がさまざまな施策を行っているが、同社のような事例はほかにほとんど見られない。効率的で生産性の高い働き方の促進を目指す新たな施策として、今後の展開が注目される。
【企業情報】https://www.disco.co.jp/
(11) 日産自動車株式会社:
育児・介護などの理由に限定せず、全社員を対象に「在宅勤務」ができる制度を導入
日産自動車は全社員を対象に、在宅勤務ができる制度を導入している。制度導入の2006年では育児・介護による利用に限定していた。2010年に育児・介護型に加え、一般型として生産工程以外の全社員へ対象を広げ、目的を問わず取れるように変更したが、申請は前月末日までとした。2014年から利用の上限を月5日(40時間)に拡大(育児・介護型は所定労働時間の50%)すると同時に、前日申請を可能にした。2015年からは、40時間以内なら日数に制限はない。目的にかかわらず在宅勤務を行うことが可能なため、利用率が大きく向上している。
社員は前日までに在宅勤務の開始・終了時間や外出予定、業務内容をメールで上司に報告。当日は勤務の開始・終了をメールで報告する。PCに標準装備されているソフトウエアのプレゼンス機能により、在宅本人は仕事の状況ごとに「連絡可能」「会議中」「退席中」などと表示を切り替える。上司が状況を把握できるので、スムーズに在宅勤務を行うことが可能になっている。
(12) 有限会社原田左官工業所:
建築現場で、女性ならではの感性で活躍する職人グループ「ハラダサカンレディース」
現在、建築現場で働く女性が増えてきている。原田左官工業所では、平成元年から女性職人を育成。建築業界における女性活躍推進の先駆けとして、注目を集めている。
「ハラダサカンレディース」は、装飾壁床のアイデアを自ら企画し、営業・施工管理・材料配合などまでこなす8名の女性たち。男性の職人たちとともに、建築現場で活躍している。男性と比べると体力面では劣ることも多いが、女性ならではの感性を活かした仕上げなど、その特徴を活かした仕事への評価は高い。同社ではその特徴を伸ばすためのバックアップ体制を確立。女性が働きやすい環境も整備している。そのため、結婚・出産・育児をしながら、働いている女性職人も多いという。
企業における女性活用が注目される中、男性中心のイメージが強い建築業界において、実際に女性職人が活躍していることから注目され、さまざまなメディアでも取り上げられている。
(13) P&Gジャパン株式会社:
ダイバーシティ経営の普及を支援する、無償研修プログラム提供
P&Gジャパンでは、「P&Gダイバーシティ&インクルージョン啓発プロジェクト」を2016年に発足。プロジェクトの一環として、自社のダイバーシティ&インクルージョンの研修を発展させた企業向けの研修プログラムを完成させ提供をはじめた。
同社で講師として認定された社員が企業を訪問し、講義やワークショップを実施。日々の業務の中で、多様性を尊重しビジネスに活かすスキルを学んでもらうことを目的としている。現在は、人事や管理職を対象とした研修が中心だが、将来は、若手社員などにも広げることも検討している。
P&Gジャパンの社員の国籍は19ヵ国におよび、課長級以上の管理職は女性が32%を占める。育児や介護など、社員が個々の状況に合わせて柔軟に働き方が選べる勤務制度にも早くから取り組む、またダイバーシティ&インクルージョンを業績に貢献する重要な企業戦略の一つとして位置付けるなど、ダイバーシティ経営の取り組みについては先進的企業である。今回の研修プログラムが他の企業にどのような効果をもたらすのか、注目される。
【企業情報】http://jp.pg.com/
(14) 株式会社三越伊勢丹ホールディングス:
個の力を最大限に引き出す! 一人ひとりと徹底的に向き合う「1000人キャリア面談」
三越伊勢丹では「百貨店は人こそすべて」という経営方針のもと、人事部が個と向き合う姿勢をベースに、意欲ある人財の自律的キャリア形成を支援。ラインと共に一人ひとりのパフォーマンス向上を図っている。その全ての取組みのベースとなっているのが「1000人キャリア面談」だ。
人事部が年間1000人以上(時給制契約社員から部長職まで)の従業員と直接面談し、現状の課題や悩みを受け止め、将来のキャリアイメージを聞き背中を押す。結果、個々のキャリア意識が高まり、正社員転換や管理職にチャレンジする従業員が増加している。また面談から得られた「生の声」により、人財データベースが蓄積されるほか、人事制度改革の仮説検証にもつなげ、納得度の高い制度改革を多数実現。年間1億人以上来店されるお客さまに最高のおもてなしを実現するには、従業員全員が「会社から大切にされている感」を抱くことが何よりも重要で、そこから「成長の意欲」や「企業へのロイヤルティ」が高まり、主体的に成長する風土の醸成をめざしていく。
【企業情報】http://www.imhds.co.jp/
(15) ユニ・チャーム株式会社:
人材育成の新制度「社内ドラフト制度」を導入
ユニ・チャーム株式会社は、2016年度から人材育成の新制度「社内ドラフト制度」を導入した。新入社員のうち営業職となる社員を対象にドラフト会議を開催し、営業支店が育成プランに基づき求める新入社員像を明確にした上で申請、10月からの配属先に反映させる。
同社では、人事部門が要員計画に基づいて新入社員の配属先を決定していたが、より適所で成長スピードを上げること、営業支店同士が競争意識を高めて早期育成に積極的に取り組み、業績貢献度の高い社員を継続して輩出する環境を作っていくことを目的に、この制度を導入した。毎年4月~7月に行われる営業研修と研修成果報告の内容を通じて、各支店長などが配属してほしい社員を具体化していくという。
「社内ドラフト制度」の対象となる新入社員には、ドラフト会議から3年半後の2020年に「フリーエージェント権」を与えることも計画。社員の自己成長意欲の向上を促し、高いパフォーマンスを発揮できるまでの期間を短縮することも目指している。
(16) ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社:
一人ひとりの選択が変革を生むワークスタイルとワークマインドセット両輪からのアプローチ「WAA」
ユニリーバは、ダイバーシティ(多様性)の推進を重要な経営戦略の一つと位置づけている。2016年7月に、すべての社員がそれぞれのライフスタイルを継続して楽しむことで自分らしく働き、生産性を高められるよう、新人事制度「WAA」(Work from Anywhere and Anytime)を導入した。
「WAA」は働く場所・時間を社員が自由に選べる制度で、以下のような特徴がある。
- 上司に申請すれば、理由を問わず、会社以外の場所(自宅、カフェ、図書館など)でも勤務できる
- 平日の6時~21時の間で自由に勤務時間や休憩時間を決められる
- 工場以外の全社員が対象で、期間や日数の制限はない
従来の在宅勤務制度やフレックスタイム制度を見直し、新たに「WAA」を導入することで、働き方の多様性を高め、社員一人ひとりが自分の能力を最大限発揮できるよう支援している。制度の整備というワークスタイルの変更とともにそれを活用する社員のマインドセットの変更がより大切であると捉え、成果につながらない時間を減らし、業務効率の改善を図ることで、生産性を高め、企業として持続的成長を目指している。
(17) 株式会社リクルートホールディングス:
つくる みなおす かんがえる 働き方変革プロジェクト
近年、働き方の見直しや多様な働き方を実践する動きが広がっているが、リクルートグループでも、場所にとらわれない働き方の導入や、時間当たりの生産性を向上させる施策など、働き方変革に積極的に取り組んでいる。「働き方変革プロジェクト」と題して、個人が自律的に柔軟な働き方を実践できるよう、さまざまな働き方を実践・検討している。
例えば同社ではリモートワークに取り組んでいるが、起案から導入までのプロセス、実践していく上でどのような課題があり、それをどのように解決していこうとしているのか、その詳細をWEBサイトの中で公開している。働き方変革に向けたプロセスは、多くの企業にとって、自社の制度構築のために大変参考になることだろう。
さまざまな施策をつくり、導入後も随時その内容を見直していきながら、新しい価値を生み出す「働き方変革」を実現する――。果たしてどのような「新しい価値」を創造することができるのか、今後の展開が注目される。
【企業情報】http://re-recruit.jp/
(18) 株式会社ローソン:
「男性が変わる」イクメン促進活動により、男性の育児休職取得率が70%にアップ
株式会社ローソンは女性社員の育児休職取得率がほぼ100%で、女性の育児休職取得・復職は当たり前になったが、男性の育児休職取得者がいない状態が続いていた。これを受け、男性社員比率が8割を超える同社では、男性社員の意識改革を目的に2014年度から「イクメン促進活動」を展開した。
主な取り組みは(1)男性社員が取得しやすい「短期間育児休職制度」の新設、(2)取得促進ポスターを作成し全事業所に掲示、(3)対象男性社員の上司への取得促進の声かけ、(4)取得した男性社員の上司・同僚など休職中の仕事をシェアしたチームを「褒める」ために子供の名前入りどら焼きを贈呈、(5)社内報(社内ウェブ・冊子)でイクメンをほめる施策の実施、(6)社員の自律的な活動を促進する「社内部活動」など。
これらの取り組みにより、男性社員の育児休職取得率は、2013年度0%(0名)⇒2014年度16.1%(23名)⇒2015年度70.4%(93名)と大きく飛躍。2016年度はさらに「取得率80%」を目標に掲げている。
【企業情報】http://www.lawson.co.jp/
書籍部門
(1) エンゲージド・リーダー ―― デジタル変革期の「戦略的につながる」技術
(著者:シャーリーン・リー/訳者:山本真司、安部義彦/出版社:英治出版)
ジェフ・イメルト(GE会長)、ジニー・ロメッティ(IBM社長)、ジョン・チェンバース(シスコ会長)……世界を代表する経営者が、なぜソーシャルメディアに時間を使うのか?
著者のシャーリーン・リーは「ビジネス界で最もクリエィティブな100人」に選出。世界経済フォーラムで基調講演を務めるなど、ビジネス界で最も注目されている人物の一人だ。フォロワーの共感と信頼を築き、目標を達成する実践アプローチをデジタル戦略の第一人者が豊富な事例をもとに解説。「情報収集(聴く)」「情報共有(伝える)」「エンゲージメント(信頼を築く)」のフレームワークをもとに、1日15分からはじめられる「リーダーのための」実践法を紹介する。
自分のリーダーとしてのあり方を、次のステップへ高めるにはどうすればいいのか? 人と良い関係を築き、革新的なアイデアを世に出すには何が必要なのか? 全てのリーダーにとって、大いに参考になる一冊。
(2) ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代
(著者:アダム・グラント/監訳:楠木 建/出版社:三笠書房)
「独創性」は、与えられるものではない。すでにあなたの中に存在するのだ――。 31カ国語で翻訳され、全世界で大ベストセラーになった『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』のアダム・グラントがおくる「独創性」の手引き。
- なぜ、人は「可能性の高い企画」にダメ出ししがちなのか
- あるアップル社員が、スティーブ・ジョブズに猛反論して成功を収めた理由
- 「うちの会社に投資すべきではない理由」を説明し、巨額の資金を得た起業家
- 「やさしい上司」より「トゲのある気むずかしい上司」に
- 部下に「解決策」を求めてはいけない …etc.
「グーグル」「ディズニー・ピクサー」「ゴールドマンサックス」「国際連合」などの一流企業や組織で、コンサルティングおよび講演活動も精力的に行なう著者が、これからのビジネスに最も必要な“ORIGINALITY”の身につけ方を分析する。
(3) Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法
(著者:ウォーレン・バーガー/訳者:鈴木 立哉/出版社:ダイヤモンド社)
グーグル、IDEO、ネットフリックス、パタゴニアなど、最も革新的な企業で次々と爆発的な発想を生み続けている思考のメソッド「Q思考」。それは、「たった1行の問い」で、だれもが見たことのないような美しい答えを生む画期的な方法だという。
一つしかない「正解」をめざしてものを考えるのではなく、次から次に、「いったいどんな問題があり得るだろう」と考えていくなかで思考の枠を広げていき、通常ではたどり着けないような大きなスケール・次元の発想を生み出していくこの方法を、順を追って具体的に説いていく。
- 「組み合わせ」が新たな発想を生む
- 「変化をつくりだす方法」を観察する
- 「開いたり閉じたり」して質問のレベルを上げる
新しいもの、新しいやり方を生み出さなくては生き残れないこれからの時代。固定概念から解放され、時代を切り開いていくために必読の一冊。
(4) 経営学者の読み方 あなたの会社が理不尽な理由
(著者:清水勝彦/出版社:日経BP社)
「うちの会社の会議では、何億円もの失敗や投資より、お茶菓子代やタクシー代の議論に時間をかけるのはなぜだろう?」「うちの上司は部下に言うことと自分でやっていることが全然違う。なんて理不尽な会社なんだ」
経済合理性を追及するはずの会社で、このような理不尽なことが起きるのはなぜなのか?ビジネス書から小説まで幅広いジャンルの書籍と、経営学の必読論文を取り上げ、経営学者の視点で分かりやすく解説する。
本書では経営課題を前に、「よさそうな答え」を求めようとする発想が、かえって組織の停滞を招いていると指摘。組織が先へ進み、成長し続けるためには、「答え」より先に、現実の課題をきちんと認識することが重要だと強調する。経営学の視点で本を読み、目の前にある仕事の課題を見つめ直す訓練をすることで、これまで見えなかった経営の「気づき」が得られる。課題解決のために必要な「気づく力」を鍛えるための一冊。
(5) 行動探求――個人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ
(著者:ビル・トルバート/訳者:小田理一郎、中小路佳代子/出版社:英治出版)
『行動探求』はビル・トルバートの最高傑作であり、組織の発展と個人の成長、理論と実践、内省と行動、身体と精神を新たな形で統合する。本書を読めば、自分自身の全体性をよりよく感じられるようになるだろう。―― ロバート・キーガン(ハーバード大学教育大学院教授)
個人・組織の変革の鍵である「意識レベルの変容」は、どうすれば可能なのか。「行動」と「探求」を同時に行うことでこの問いにアプローチするのが、発達心理学の知見に基づくリーダーシップ開発手法「行動探求」である。独特の観点から人と組織を特徴づける七つの「行動論理」によって、読者は自身・自組織の傾向をつかみ、適した成長の指針を得られるだろう。理論的解説にさまざまなビジネスパーソンの臨場感あふれるストーリーが織り交ぜられており、実践の場面を想像しながら学べるはずだ。リーダーシップやマネジメントの力を飛躍的に高めたい人、必読の一冊。
(6) 個人を幸福にしない日本の組織
(著者:太田 肇/出版社:新潮社)
「職場」「人事」「大学入試」「PTA」、報われないのはワケがあった――。強い同調圧力や過剰なコンプライアンスゆえに、組織に属す個人の人格や個性を抹殺し、ストレスを増している現代社会。昔ながらの「日本の組織」はもはや限界がきている。
- 組織はバラバラなくらいがよい
- 管理強化が不祥事を増やす
- 厳選された人材は伸びない
- 大学入試に抽選を取り入れよ
- PTAや町内会は自由参加でよい
理論や実証だけでなく、数多くの現場取材、体験をもとに、従来の組織論・組織運営のまちがい・欠陥を徹底的に分析、追及する。
個人を大切にし、個人を生かす組織や社会を追究する著者が、個人が尊重され、円滑に機能し、成果があがる新しい仕組みへの提言を示す。いくらやっても職場改善の効果が見られない、そんな人事の悩みの解決策が詰まった一冊。
(7) 採用学
(著者:服部 泰宏/出版社:新潮社)
正しい人材を採っていると、自信をもって言えますか? 主観や慣習、勘を排した視点に立てば最適な人材を確保でき、企業イメージのアップにもつながっていく。
今まで日本の採用は、科学的に考えなくても回って来ていた。そこそこの学校を出た、無難な人材を採用して、時間をかけて「ウチの会社の色」に染めていく。そんな「育成」ありきの「採用」を、いつまで続けているつもりだろうか。
コミュニケーション能力は重視するな。人は見た目じゃない。“お祈りメール”は送らない――。面接の常識を疑い、採用と育成のつながりを重視すると、まったく新しい地平が見えてくる。
「良い採用」とは何か? 優秀なのは誰だ? なぜ、あの会社には良い人が集まるのか? 採用をどう変えればいいのか?「採用」を科学的な視点から捉えた新しい学問「採用学」。採用のノウハウ本ではない、採用に悩む企業の人事担当者必読、個々の会社の実情に合った人材の採り方の理論書だ。
(8) 時間と場所を選ばない パラレルキャリアを始めよう!――「2枚目の名刺」があなたの可能性を広げる
(著者:石山 恒貴/出版社:ダイヤモンド社)
2枚目の名刺を持ち、本業と社会活動の両方から学びを得て自己成長できるパラレルキャリア。P・F・ドラッカーが『明日を支配するもの』で予言したパラレルキャリアが、いま、日本社会の変化に呼応して急激に広がっている。
社会活動によって自己成長し、本業もさらに輝くようになる。ふだん出会えないさまざまな人々とチームを組んで主体的に課題を解決し、既存の組織ではできない経験を積むことで、イノベーション思考やリーダーシップを学べる。 企業もパラレルキャリアの人材育成効果に注目し、研修の一環としての活用が始まっている。
若い世代でもシニアでも、誰でも始めることができるパラレルキャリア。実際の団体、個人の実例を紹介することで、従来の日本型雇用の枠組みをこえた柔軟な働き方、新しいキャリアの形の可能性を問いかける。不確実な環境を生き抜くための多くのヒントをもとに、新しい一歩を踏み出そう。
(9) 資生堂インパクト―子育てを聖域にしない経営―
(著者:石塚 由紀夫/出版社:日本経済新聞出版社)
「これからは、育児時間勤務者も遅番、休日勤務を検討してもらいます」――テレビで取り上げられ賛否両論をよんだ“資生堂ショック"、その真実を解き明かす。
美容部員をはじめとする女性社員の就労環境を整備し、「働く女性にやさしい」先進企業と目されてきた資生堂。何が変わったのか、なぜ変えなくてはならなかったのか。長年、女性の問題を追ってきた日経のベテラン記者が、資生堂の経営改革を牽引してきた魚谷雅彦社長や岩田喜美枝氏(現顧問)をはじめ、多くの社員に取材。どのように改革は進められてきたのか、社内に反発はなかったのか、反対勢力にどう対処したのか、どのようなインセンティブを用意したのかなど、女性社員の活躍を目指す企業にとって示唆に富む実例が数多く盛り込まれている。
「女性にやさしい」だけの施策ではダメなのだ。女性が男性と肩を並べて働くために何をしていくべきなのか。真の女性活躍を目指す人事必読の一冊。
(10) 職場のポジティブメンタルヘルス:現場で活かせる最新理論
(編著:島津明人/出版社:誠信書房)
昨年末よりストレスチェック制度が始まったが、従業員のメンタルヘルス不調は企業活力にも重大な影響を及ぼし、その対策は喫緊の課題となっている。この解決への糸口として期待されているのが「ポジティブメンタルヘルス」だ。
2012年、日本生産性本部と東京大学が母体となり、従業員の心身の健康増進と企業の生産向上を支援する目的で、「健康いきいき職場づくりフォーラム」が設立された。ここの会員限定Webサイトに、医学、看護学、心理学、経営学、行動科学領域の第一線の研究者が、最新理論をコラム形式で分かりやすく紹介している。本書は、この連載コラムに実施上のポイントを加えて書籍化したもの。
フロー理論、ワーク・エンゲイジメント、レジリエンス、サーバント・リーダーシップ、オメガ3系脂肪酸など、ビジネスパーソンの関心を惹く理論が、「よく働きよく遊べ!」「気持ちの良い情報共有と心地良い距離感を」といった、気軽に読みやすい内容でたくさん詰まった一冊。
(11) 女性が管理職になったら読む本
―「キャリア」と「自分らしさ」を両立させる方法―
(著者:ギンカ・トーゲル/訳・構成:小崎亜依子・林寿和/出版社:日本経済新聞出版社)
なぜ、できる女性は嫌われるのか?
そもそも女性は、リーダーには向いていないのか?
女性が、なかなか昇格しないのはなぜか?
女性自身の行動をも制限してしまう「無意識バイアス」とは?
リーダーになった女性が直面しがちなリスクとは?
なぜ、女性は完璧なロールモデルを欲しがるのか?
男性と比べて、女性に不足しがちなスキルとは?
女性がキャリアを築いていこうとしたとき、男性以上にさまざまな問題や課題が生じるが、それはなぜなのか。世界のトップビジネススクールIMDで世界中から集まる女性管理職に気づきを提供し、そのためのスキルを育む教育プログラムを主宰しているギンカ・トーゲルさんが、日本の働く女性に送るメッセージ。
女性自身の行動を制限してしまう「無意識バイアス」や、男性と比べて女性に不足しがちなスキルなど、豊富なデータや事例を元に分析する。キャリアアップに悩む女性だけでなく、女性活用がうまくいかないと悩む人事担当者にもおすすめの一冊。
(12) 好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則
(著者:楠木 建/出版社:ダイヤモンド社)
「大企業とスタートアップで迷っています」
「30代でいまだに仕事の適性がわかりません」
「キャリア計画がない私はダメ人間ですか?」
20代~40代から寄せられた仕事の迷いや悩みに対して、時に厳しく、ユーモアに溢れた視点で「好きなようにしてください」とアドバイスをおくる。
- 人生はトレードオフ。その本質は「何をやらないか」を決めること。
- 環境の選択は無意味。「最適な環境」は存在しない。
- 趣味と仕事は違う。自分以外の誰かのためにやるのが仕事。
仕事について、働くことについて、心のもやを晴らす道しるべが示される。自身の「好きなようにする」を再認識、再定義し、その先の充実したキャリアに向けて一歩踏み出すきっかけとなるだろう。
(13) 世界を動かすリーダーは何を学び、どう考え、何をしてきたのか?
(著者:D.M.リンゼイ・M.G.ヘイガー/訳:バートン久美子/出版社:日本実業出版社)
CEO、大統領、政府高官、名門大学学長、トップコンサルタント……世界を動かすリーダーたちは、なぜ成功したのか? どんな教育を受け、学生時代に何をして過ごしたのか? 分岐点はいつ、どのように訪れたのか? 著者が550人へ直接インタビューし、10年以上かけた調査の結果から「リーダーの実態」を明らかにする。
- 20歳までの人生はあまり関係ない
- 恵まれた環境にあった人はごくわずか
- 59%は中流階級
- 分岐点は大学在学中、もしくは卒業直後
- アイビーリーグの出身はたったの14%
- キーとなるメンターを得て、人脈を築く
- 幅広い知識を持つ「ゼネラリスト型」が多数
綿密な調査結果から、リーダーの意外な実態が見えてくる。 リーダーの中のリーダー「プラチナリーダー」とは? 「リーダーシップ論」ではない、「リーダーの実態」から、リーダーシップの真髄が見えてくる。
(14) チームのことだけ、考えた。
(著者:青野慶久/出版社:ダイヤモンド社)
サイボウズをどんな組織にしたいのか。答えは決まった。多様性だ。このミッションに共感して集まった一人ひとりが自分らしくあること。そのために人事制度が足りないなら増やす――。
かつて社員の離職率が28%にまで達していたサイボウズは、どのようにして社員が辞めず、イキイキと働ける会社へと変わったのか? 「最長6年間の育児・介護休業制度」「育自分休暇制度」「副業は原則自由」など、ユニークな人事制度で知られる同社。100人いれば100通りの、1000人になれば1000通りの人事制度を目指す「多様性をマネジメントする手法」を、青野氏の奮闘記を通じて明らかにする。
社員が楽しくイキイキと働ける職場はどうやって生まれたのか? 社員が辞めないための秘訣とは? 採用難や人材の定着に悩んでいる企業、新しい人事制度を模索している企業の人事担当者はもちろん、人材の採用・育成・マネジメントに携わる全てのリーダー必読の一冊。
(15) なぜ部下とうまくいかないのか
(著者:加藤 洋平/出版社:日本能率協会マネジメントセンター)
『なぜ人と組織は変われないのか ハーバード流自己変革の理論と実践』(英治出版)の著者ハーバード大学キーガン教授とレイヒー研究員が提唱する「発達心理学」。現在の自分が発達段階のどこにいるのかを確認し、今後どのようなプロセスで成長・進化していくのかを把握するための理論だ。この理論を二人から直接学んだ著者が、部下のことで悩む課長と人材コンサルタントとの問答形式を使い、部下とのコミュニケーション法や育成法、さらには自己成長や組織マネジメントのあり方をわかりやすく説く。本書で解説する発達心理学を知ることで、「自分の関心事ばかりを優先する段階」「周囲の様子を見て意思決定する段階」「自己成長に関心が強く、自律的に行動する段階」「多様な価値観から意思決定する段階」、こうした段階にあるメンバーそれぞれとの関係のとり方が具体的にわかるようになる。
【掲載URL】https://jmam.jp/manabi/products/detail.php?product_id=5393
(16) 働くことの哲学
(著者:ラ―ス・スヴェンセン/訳者:小須田健/出版社:紀伊國屋書店)
生きがい、意味、人生、実存。この本は暇と退屈に向き合うことを運命付けられた人間存在の諸問題に、〈働くこと〉という実に身近な観点から取り組んでいる。読者はここに、いかに生きるべきかという倫理的問いについての一つのヒントを手にするであろう。
――國分功一郎(哲学者)
働くなかで、私たちは世界に爪あとを残してゆく――生きていくにはなんらかの目的や意味が必要であり、そこに仕事は重要なかかわりを持ってくる。ノルウェーの哲学者が、幸福で満たされた生活を求めるうえで、仕事がどのような位置を占めるのかを探求する。
「仕事は人生の意味そのものを与えてくれるか」「自己実現の神話を信じすぎることで、かえって仕事が災いになってはいないか」「給料の額と幸福感は比例するか」……。「仕事とはなにか」という問いに手っ取り早い回答を提示しようとするのではなく、仕事のもつさまざまな側面に光をあて多彩なスナップショットを提示する一冊。
(17) 働く女子の運命
(著者:濱口 桂一郎/出版社:文藝春秋)
女性の「活用」は叫ばれて久しいのに、日本の女性はなぜ「活躍」できないのか?
社会進出における男女格差を示す「ジェンダーギャップ指数2015」で、日本は145ヵ国中101位という低い数字となっている。その理由は雇用システムの違いにある。ジョブ(職務)=スキル(技能)に対して賃金を払う〈ジョブ型社会〉の欧米諸国と違い、日本社会では「社員」という名のメンバーを「入社」させ、定年退職までの長期間雇用を保証する〈メンバーシップ型社会〉だ。なぜそんな雇用になったのか――。
“父親が家族を養う”ことが常識だった時代、結婚や育児の「リスク」を抱える女子は、重要な業務から外され続けてきた。本書では富岡製糸場から戦争時、職業婦人、ビジネス・ガールといった働く女子の歴史を追いながら、男性中心に成功してきた日本型雇用の問題点をひも解いていく。「女性活躍推進」に取り組む前に、まず押さえておきたい一冊。
(18) ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学
(著者:入山 章栄/出版社:日経BP社)
「ビジネススクールで学べる経営学は、最先端からかけ離れている!」
日本企業を取り巻くビジネス課題について、10年間米国で経営学研究に携わってきた気鋭の日本人学者入山章栄氏が、世界の経営学のエッセンスを圧倒的に分かりやすく解説。
- あなたの会社の戦略がうまくいかない、最も根本的な理由
- 真に「グローバル」な企業は、日本に3社しかない
- 日本企業に、ダイバーシティ経営は本当に必要か
- 日本最強の後継社長は「婿養子」である
最先端の「ビジネス知」が、あなたの常識を覆す。経営学からイノベーション理論、ダイバーシティ経営、リーダーシップまで、世界最先端の経営学から得られるビジネスの見方を、日本企業の事例も豊富にまじえながら圧倒的に分かりやすく紹介してくれる。
ドラッカー、ポーターしか知らないあなたへ。新たな経済学の扉を開く一冊だ。
(19) マタハラ問題
(著者:小酒部さやか/出版社:筑摩書房)
日本では未だに、第一子の妊娠を機に、6割の女性が仕事を辞めている。マタハラは人権問題であるだけでなく、労働問題であり、ひいては日本の経済問題なのだ――。
働く女性が妊娠・出産・育児を理由に退職を迫られたり、嫌がらせを受けたりする「マタニティハラスメント(マタハラ)」。労働局へのマタハラに関する相談は急増しており、いまや働く女性の三人に一人がマタハラを経験していると言われている。
本書では、アメリカ国務省が主催する「世界の勇気ある女性賞」を、2015年に日本人として初めて受賞した「NPO法人マタハラNet」代表・小酒部さやか氏が、「マタハラ問題」を総括。マタハラとは何なのか、その実態はどのようなものなのかを、当事者の生の声を通じて掘り下げていく。働く女性自身はもちろん、女性活躍推進に取り組む企業のリーダー、女性を部下に持つマネジャーにとって必読の一冊と言えるだろう。
(20) ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える
(著者:ラズロ・ボック/訳者:鬼澤 忍・矢羽野 薫/出版社:東洋経済新報社)
世界各国で「最高の職場」として認められ、多くの賞を受賞している企業、Google。同社の従業員が6000人から6万人に増えていく過程で、Googleの人事システムを設計・進化させてきた責任者が、同社の採用、育成、評価の仕組みの全てを語る。
いったい、Googleは、どんなやり方で人を選んでいるのか? そうして選んだ人材に、どんな機会を与えているのか? 優秀な社員同士に最高のチームをつくってもらう秘訣とは? 社員をどう評価して、モチベーションを最大に保っているのか? 人事分野に関わる者として必ずぶつかるであろう、働き方をめぐるこれらの重大テーマに、本書は次々と答えを出していく。
ここで紹介される哲学と仕組みは、Googleだからできるというものではなく、あらゆる組織に応用できる普遍性を持っている。もっとクリエイティブに仕事をしたいと思っている人に知ってほしい、未来の働き方とは。悩める人事必読の、新しい働き方のバイブルとなる一冊だ。
プロフェッショナル部門
スティーブ・ジョブズとの類似度が測れる“人工知能による採用説明会診断 ”サービス
『ITエンジニアのスキル定量データ×人事データ』を活かした意思決定支援サービス「CODE.SCORE」
(1) 株式会社アクティブ アンド カンパニー、コグニティ株式会社:
スティーブ・ジョブズとの類似度が測れる“人工知能による採用説明会診断 ”サービス
人工知能を用いて採用説明会の音声データを分析・診断
スティーブ・ジョブズ、政治家などのスピーチ類似度を判定
会社説明会の改善を図り、心理的第一希望企業に促す
これまでの典型的な企業の新卒採用では、採用目標人数から必要な母集団数を割り出し、母集団形成施策にコストを投じてきたが、近年では目標とする母集団を集めることに苦労する企業が多くなっている。
本サービスを利用し、説明会を分析・診断することで、論理展開のタイプ判定や、話題のテーマごとの事実・根拠・事例等、内容の過不足までも判定することができ、企業が実現したい採用説明会の支援が可能になる。
また、本サービスは、国内の採用支援サービスとしては初めて、人工知能を用いた採用支援サービスであるのに加え、これまで企業の採用活動において重要視されていた「母集団集め」ではなく、応募者への魅力付けによる「心理的第一希望」への誘致に着目しており、採用市場の課題を踏まえたサービスといえる。
(2) 株式会社アプリ:
東京で働きたい地方の若者に仕事と住まいを同時提供するサービス「Tokyo Dive」
「Tokyo Dive」は東京に出て夢を叶えたい地方の若者に多様な働き方と住まいを同時提供するサービス。求職者の費用面の負担を下げることで新たなチャレンジがしやすい環境を作る。
提携している不動産会社の総物件数は都内で約4万8,000件。全て家具家電付き、敷金・礼金・仲介手数料無料。30万~60万円という初期費用を抑え家賃も相場の半額程度に。登録者の年齢層は20代が70%以上を占める。他事業である、地方で働くリゾートバイトの既登録者10万名に求人の訴求を行える点が特徴だ。
昨今地方の衰退が叫ばれる一方で、出生率の低さと高齢化にあえぐ東京としての地域課題も指摘される。事実90年代後半より東京都の生産年齢人口はマイナスに転じたまま。経済成長を維持するためには東京に人材が集まることが不可欠となる。この点「Tokyo Dive」は、地方を活性化させるリゾートバイトで働いた若者が、東京に出てチャレンジする際の受け皿として彼らを応援できると同時に日本経済をリードする東京の活性化にも寄与する。
【掲載URL】https://tokyo-dive.com/
(3) 株式会社イーウェル:
企業の想いを浸透させ、働きやすい環境を作るプラットフォーム「c-CANVAS」
c-CANVASは経営者の従業員に対する想いと、それらを反映した社内外の制度・支援情報を整理し、使いやすくまとめて活用を促す情報プラットフォーム。
経営者や人事部門は、従業員の働きやすさを支援するために、多様な働き方やライフステージに応じてさまざまな支援制度を用意している。しかし一方で、イントラネット上や冊子での制度周知では従業員への浸透が難しい。
c-CANVASは、個人所有のスマートフォンやPCからアクセスできるセキュアなインターネット環境に福利厚生プラットフォームを展開する。子育てや介護、健康やライフプランなど、経営者や人事部門が考えるメッセージ・制度を分かりやすくWEBデザインし、各種セミナーの動画、行政サービス情報検索、退職金・年金を反映したライフプランシミュレーター、補助適用した施設の予約やカフェテリアプラン申請などの各種サービスを集約し、メッセージの浸透と制度活用を促進する。
【掲載URL】https://www.ewel.co.jp/category/service/c-canvas/p732/
(4) 株式会社ISAO:
ゴールへの成果がガンガン見えるゴールコラボサービス「Goalous(ゴーラス)」
皆さん、ゴールに向かって走ってますか。協力し合ってますか。そして、まわりが見えてますか。Goalousは、ただ情報共有するだけの社内SNSやチャットとは違う。社員にクリアな方向性が与えられ、アクション(活動内容)をシェアすることで相互理解を楽しく広げる。そして、成果を感じながらゴール達成できるのである。
まずは、シゴトのゴールを全社員にオープンにする。ゴールに共感した社員はゴールにコラボ(協働保有)する。さらにゴールを達成への指標として、「主な成果」を登録する。成果をあげるために、社員は写真で楽しくアクションをUPする。みんなは、PCやスマートフォンを使って、いいね!やコメントでリアクションをする。リアクションがあればうれしいものだ。日々の働きがいがでる。日が当たらない人? そんな人は存在しない。
【掲載URL】https://goalous.com
(5) Institution for a Global Society株式会社:
人工知能&360度評価コンピテンシーマッチング新卒採用アプリ「GROW」
「GROW」は、学生の周囲から集めたコンピテンシーに係る評価データを基に、自社が求めるコンピテンシーのスコアの高い学生を人工知能がマッチング&レコメンデーションする新卒採用サービス。選考序盤での面接官による判断のバラつきを排除できるほか、効率的に自社で活躍する見込みの高い学生に面談オファーを出すことができる。
人事担当者がGROW上で選考管理するだけで、推薦された学生に対する適否を人工知能が学習するため、年々その推薦精度を向上させることが可能。東京大学の中原淳研究室のメンバーと共同開発したコンピテンシー計測システムと、性格を表す形容詞に対する学生の潜在意識を探る性格診断テスト(Implicit Association Test)が特徴。2016年2月のローンチ後、半年で4,500ダウンロードを達成。
2016年8月現在、メガベンチャー2社や自動車関連の大企業1社が利用しているほか、複数の外資系金融機関をはじめ採用決定が相次いでいる。
(6) グーグル株式会社:
YouTube動画 ✕ スマホ で魅力を伝える、新しい採用戦略 Google for Recruiting
Google for Recruiting とは動画プラットフォーム YouTube を活用した、Google AdWords の人材採用向けソリューションです。
昨今、求職者が企業を探すプロセスは、スマートフォンを中心に形成されています。ただし、スマートフォンの1回の平均起動時間はわずか1分11秒しかなく、 その短い時間の中で企業はどのようにして求職者にメッセージや情報を届けられるかが採用を成功させる鍵になります。そこで今注目されているのが、YouTube 動画広告を活用したコミュニケーション手法です。
スマートフォンに動画プラットフォーム YouTube を掛け合わせることで、企業は求職者の生活における様々なシーンに対して、 スマホを介して採用メッセージをYouTube動画広告を通して届けることができます。
さらに、Google AdWords のターゲティング技術により、企業が本当に採用したい人材に向けての情報発信が可能となり、採用における重要課題である 母集団形成と動機形成を効率よく一貫して行うことができます。
【掲載URL】https://www.google.co.jp
(7) 株式会社KUFU:
社会保険・雇用保険の手続きを自動化するクラウド型ソフトウェア「SmartHR」
SmartHRは入退社に必要な書類を自動作成し、役所への申請もWebから可能なクラウド型ソフトウェア。
SmartHRの最大の特徴は「書類の自動作成」と「役所へのWeb申請」の二つ。 書類の自動作成は、SmartHRに登録されている従業員データをもとに複数の書類を一気に作成し、手書きで何枚もの複雑な書類を作成していた手間が大幅に削減可能。役所へのWeb申請では、総務省が提供する電子政府API(e-Gov API)を利用し、SmartHR上からわずか数クリックでの申請を実現。入社の度に役所への移動時間や待ち時間で何時間もかかるということがなくなる。
このサービスを導入することで、労務人事担当者の負荷が大幅に削減されることはもちろん、社労士との情報共有を円滑にさせ、また、コストの削減においても大幅な効果が期待できる。SmartHRは労務・人事などバックオフィスに関わる人々の働き方に変化を起こしている。
【掲載URL】https://smarthr.jp/
(8) 株式会社サーキュレーション:
1時間相談からハンズオン支援まで、プロフェッショナルの知見・経験を活用「X-book」
X-bookは、独立プロフェッショナルと企業の経営課題をマッチングし、課題解決するサービス。「社外の専門家を活用したいが、方法が分からない」「今すぐ専門家に聞きたい」そのような企業の声を解決する。WEB上で企業と専門家の接点を増やし、1時間相談からプロジェクトのハンズオン支援まで、企業の課題や個人の働き方に合わせて幅広く提供し、「雇用に縛られない」新しい働き方を実現する。
登録した専門家には対面でのカウンセリングのほか、プロジェクト実績を蓄積していくことで、ピンポイントな推薦が可能に。企業にはサイトに登録した課題に対して、事務局が1万人規模の専門家をサーチ、そのスキル・キャリア・実績から、案件に合わせてマッチング、信頼感のある推薦を行う。
案件は新規事業のための業界リサーチ、人事制度、広報戦略や店舗開発まで幅広く400社超の企業に対し1,000件以上の課題解決実績を有している。
【掲載URL】https://x-book.biz/
(9) サービス産業生産性協議会:
大人の武者修行~優良企業の神髄を学ぶ社会人インターン
「大人の武者修行」は、中小サービス業の次世代経営人材が優良企業で一定期間修行し、優れたDNAを学び取る社会人インターンシップ。修行先は「日本サービス大賞」「ハイ・サービス日本300選」等の受賞企業で、約100社が登録し、意欲のある志願を待っている。修行先では、社員と同様に日常業務を体験する。また、個性的な経営者から刺激を受けたり、経営会議に参加したり、書籍や講演だけでは分からない優良企業の生の姿に触れたりすることができる。
「大人の武者修行」は、経済産業省の補助事業として運営しているため、主な経費の2/3が国から補助されることも魅力の一つ。2014年以降、姉妹事業「地域コーディネーター養成研修」と併せて、延べ70名の修行者を輩出してきた。
帰社後は風土改革チームを任されたり、女性社員活躍の基盤づくりに着手したり、「仕組みをつくる人」に生まれ変わったりする修行者が多い。また、修行者の所属企業と受入先企業の事業連携が立ち上がるなど、企業同士の絆づくりにも貢献している。
【掲載URL】http://shugyo.jp/
(10) 株式会社仕事旅行社:
異世界の職業人生を体験させることで、マインド変化を促す研修「仕事旅行forBusiness」
大人の職業体験をコンセプトに作られた、個人向けの日帰り仕事体験ツアー「仕事旅行」。実際の職場に訪問し、働き手の想いや仕事術を体感する。参加者からは、「仕事に役立つ知識が得られた」「働くことが楽しみになった」などの声が多く、企業が研修として利用する機会も増えているという。そこで、登場させたのが、「for Business」。6,000人を超える参加者の声と、ツアー作成の専任スタッフの知見をもとに、体験と学びを融合したビジネスユースの研修を提供している。
この研修の一番のポイントは、訪問先の働き手の圧倒的な熱量に触れること。自分の実現したい世界を作るため、ひたむきに働く彼らの姿を間近で体感できる。この体感により、参加者は自身の働き方への意識が高まる。そこで、投入するのがワークショップ。感化された意識をさらに言語化・計画化することで、未来を明確にし、自身の働くことへのエネルギーを飛躍的に高めていく。
【掲載URL】http://shigoto-ryokou.net/
(11) 株式会社地方のミカタ:
利用学生数300%増!地方格差問題に向き合いながら、地方特化型就活支援事業を提供
「ちゃんと儲かっていますか」と地方就活生にも心配されるのが【地方のミカタ】。都内宿泊費が値上がりし続け、地方就活生が漫画喫茶生活をする、そんなニュースが社会問題となっている。その中で「おはよう・おかえり」があり、安心して東京で就活ができる場として、「就活シェアハウス」「就活カフェ」を低価格で提供している。
地元では少数派の「東京就活組」は、一人で上京して就活するケースが大半。地方のミカタがコミュニティとなり、現役同士の就活仲間や、過去利用者によるOBOGコミュニティは、情報交換だけでなく、精神面でも良い刺激を与えあっている。
一方、平均30~40万円を自己負担して上京する、自立・自律型で自己投資・成果指向性の高い優秀な地方学生を、わざわざ地方出張しなくても採用できる独自の仕組みを企業へ提供。時間的、金銭的な採用コストを大きく削減。さらに地元志向型地方就活生へのミスマッチを低減することで、地方学生の内定承諾率を大幅アップさせている。
【掲載URL】http://chihounomikata.com/
(12) 特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ:
LGBT施策推進のため、研修や講演を実施。データと当事者の想いが企業を動かす
LGBT向けの商品を発表したり、福利厚生を同性パートナーにも適用したりするなど、近年、企業のLGBTに関する取り組みがニュースになることが増えている。そうした企業の変化を、コンサルタントとして支えているのが特定非営利活動法人虹色ダイバーシティだ。
大手企業60社以上が虹色ダイバーシティの研修を受けており、満足度は平均95%以上。学術機関と協力して分析した5千人の当事者データと、自身の当事者としての想いが、多くの企業を動かしており、熱心なALLY(LGBTの理解者、支援者)も増えている。LGBT支援の意味を込めた虹色のステッカーや、社内研修用の冊子、eラーニング用の素材なども販売。当事者デザイナーを起用した高いデザイン性と、海外や国内の事例を元にした考え抜かれたコンテンツで、まだ社会的な認知の低いテーマながら、経営層から現場の管理職まで、多くの人を巻き込むことに成功している。代表の村木氏は日経ウーマンの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016 チェンジメーカー賞」を受賞。
(13) NPO法人 二枚目の名刺:
社会を見渡し、組織を超え、将来を創るリーダーを輩出する「NPOサポートプロジェクト」
「NPOサポートプロジェクト」では、多様な背景を持つ社会人がチームを組み、NPOの事業推進を行う。社会課題に最前線で向き合うNPOの想いに触れ活動を共にすることは、参加者にとって大きな変化・成長のきっかけとなる。
プロジェクト中に参加者は、会社の肩書に頼らずに多様なメンバーと協働し、正解の無い課題に本気で取り組み、過去の前例やルールを超え、自分の意志に基づいて行動することを経験する。それらを通じて参加者は、本業においても組織の枠を超えた高い視座を持ち、主体的に行動するようになる。これが企業からも注目を集め、次世代リーダー育成として今まで2年間で約20件のプロジェクトを実施、ミドル世代のキャリア形成プログラムとしても期待されている。
また、本プロジェクトは、参加社会人の知識や経験をNPOの事業推進に役立てることで、NPOの成長も同時に実現する。これが、社会活動とビジネスをつなぐ新しい社会の仕組みとしても注目され、企業の人事施策を超えた広がりを見せ始めている。
(14) 株式会社ネオキャリア:
人事部を経営のセンターピンに!国内初HRプラットフォームサービス「jinjer」
少子高齢化で労働人口は減少、また労働生産性の改善を図る動きも高まる中、人事を取り巻く環境は大きく変化している。時代に合った人事のあり方が求められる今、いかに人員を定着させ、パフォーマンスを最大限に発揮させるかという〝戦略人事〟が必要不可欠である。
HRプラットフォーム「jinjer」は、経営戦略に沿った〝戦略人事〟を可能にし、経営に関わる判断を人事的側面から行うことができる。AIを活用し、人事領域から生まれるビックデータを解析。経営者や人事担当者が戦略立案時に活用することで、属人性に依存することなく適正な判断へと導く。これにより最適な採用活動や人員配置も可能にする。
現在「採用管理」「勤怠管理」「労務管理」とサービスを展開。約半年間で導入企業数が1,000社を突破。「jinjer」が実現する世界観や可能性に期待が寄せられている。今後は「人事管理」「マイナンバー」と展開予定だ。
【掲載URL】https://hcm-jinjer.com/
(15) 株式会社ビザスク:
企業の課題と個人の知見を1時間からつなぐスポットコンサルティング「ビザスク」
ビジネス相談ニーズに対し個人が対面や電話で相談に応えるスポット制のコンサルティングサービス。現役の役職員を中心に、企業OB、フリーコンサルタントなど約20,000名が登録している。組織、地域、世代を超えて、個人の知見を活かしビジネス課題を解決する、知見分野のシェアリングエコノミーを推進。
新規事業・投資・海外進出・業務改革など新たな分野での挑戦において「誰に聞けば良いかわからない」課題を、各分野の経験者に1時間から話を聞くことができる。社内にはない視野や生きた情報を獲得することによって企業の事業創造を加速させている。
また地方の創業者が、今まで身近に相談できる人がいなかった内容に関して、ビザスクを通じ今までリーチできなかった知見へのアクセスが可能、地方創生にも貢献している。人事領域でも社員が主体的に社外の知見に触れることで、今までにはない視点や気づきを得ることができる等、社員の能動的な学びの後押しが可能、選択型研修にも導入されている。
【掲載URL】http://visasq.co.jp/
(16) 株式会社日立製作所:
人工知能を活用した働く人の幸福感(ハピネス)向上に有効なアドバイスの配信サービス
ルールに一律に従う従来の人事に代わり、働き手一人ひとりの強みや個性を生かす新しい人事が、企業成長のために求められている。日立では、名札型ウエアラブルセンサで取得した無意識の身体運動のデータから幸福感(ハピネス)指標を構築し、このハピネスが従業員の生産性に強く相関することを検証した。この検証を基に人工知能(AI)を活用して開発した企業の経営課題解決を支援するサービスは、既に13社が導入。あるコールセンターでは、ハピネスを高めるアドバイスによって受注率が27%も向上した実績が出ている。さらに、ウエアラブルセンサから収集した行動データを時間帯・会話相手などで細分化し、これにAIを用いることによって、組織・個人毎にカスタマイズされたハピネス向上に有効なアドバイスを自動構築し、提供するサービスを開発した。日立では600人の営業部署で日々スマートフォンにAIからのハピネス向上のアドバイスを配信する試行が開始された。
【掲載URL】http://www.hitachi.co.jp/products/it/bigdata/approach/happiness/
(17) フロンティアリンク株式会社:
顔が見えるEラーニングを実現。
双方向型Eラーニングシステム「ライブラーニング®」
さまざまな研修が行われる中で、Eラーニングの占める割合が年々高まっている。ただし、Eラーニングには「コミュニケーションを行いにくい」という弱点があり、導入分野が限られている。
フロンティアリンクが独自に開発した「ライブラーニング」は、従来無かった双方向・リアルタイム講義を可能とする「双方向型Eラーニング」システムである。ライブラーニングでは、Eラーニングのメリットである個別学習はそのままに、講師の生講義とEラーニングの切替や併用を特許出願中の独自技術で実現。質疑応答や相談等を音声と映像でリアルタイムに行いながら、固定内容はビデオで学習可能である。
ライブラーニングにより、従来は不可能であったマナー研修等の双方向性を必要とする研修だけでなく、オンラインでのジムやヨガ、家電の顧客サポート等、「固定説明とリアルタイム個別説明の双方を必要とする内容」のEラーニング化が可能となるため、研修のみならず幅広い分野への応用が期待されている。
(18) 株式会社Life Lab:
農業・アグリビジネスに特化した人材紹介サービス「カルチャーズ」
「カルチャーズ」は、農業・アグリビジネス業界に特化した人材紹介サービス。
専門のアドバイザーが、40,000人を超える農業界最大の人材データベースから、農系学部出身者/農業経験者/農場マネジメント経験者/植物工場運営経験者/農系研究者など、業界特有のニーズにマッチしたピンポイントな人材採用を支援する。
個人事業主中心であった農業経営体が法人化を進め、民間企業が続々と農業へ新規参入するなか、業界では、新規参入/成長拡大といった各フェーズで最適な人材の確保がうまく進んでおらず、大きな課題となっている。
国内初の一次産業の総合求人サイト『第一次産業ネット』のリリースから10年以上、農業生産者、農業関連企業、JA、官公庁、地方自治体などに向けた人材採用・確保支援のパイオニアとして業界を牽引してきた株式会社Life Labは、この「カルチャーズ」による人材採用支援を通し、業界の人材を充実させ、農業・アグリビジネスのさらなる発展に寄与していくことを目指している。
【掲載URL】http://agent.sangyo.net/
(19) 株式会社リクルートキャリア:
『ITエンジニアのスキル定量データ×人事データ』を活かした意思決定支援サービス「CODE.SCORE」
人口減少およびテクノロジー進化という不可逆な二つの事実に起因して、既に日本では壮絶なITエンジニアの獲得・定着競争に発展している。ITエンジニアの採用、定着はまさに企業の未来を創造する生命線となっており、近年では企業の課題は採用領域だけにとどまらず、人が辞めない、働きやすい組織作りのための重要な視点や組織パフォーマンス向上のヒントを求めるニーズが強くなっている。
CODE.SCOREは、ITエンジニアの実務スキルを信頼性の高い試験によって統計的に定量化し、企業が保有する人事データと掛け合わせ、解析することによって、採用、最適配置、社員の能力開発、評価等の課題解決や効率化の実現につなげるピープルアナリティクスサービス。導入実績60社、受検累計15,000人を超え、エンジニア向けサービスとしては国内最大規模まで発展した。CODE.SCOREは引き続き、データ解析による予測技術で企業の意思決定を支援していく。
【掲載URL】https://codescore.jp/
(20) 株式会社リクルートジョブズ:
シフト最適化とシフト管理業務の効率化を実現するシフト管理システム「シフオプ」
「シフオプ」は、スタッフの希望勤務時間の収集、人手の足りない時間帯の人員配置の調整、確定したシフトの広報など一連のシフト管理業務をオンライン上で簡単に実行でき、シフト管理業務の効率化、シフトの最適化を同時に実現するサービス。
実際に「シフオプ」を導入したカフェチェーンでは約72%の業務削減(シフト管理業務:導入前 約26.4時間/月⇒導入後 約7.5時間/月)を実現。居酒屋チェーンからは、「実感値で8割から9割の業務が削減された」との声も聞かれた。
また、特に多店舗展開されている企業からは、「シフオプ」を活用し、店舗間でシフト情報を共有すれば、人手の足りない時間帯に人員に余力のある他の店舗から応援スタッフを依頼し補充することができるため、効率の良い人員配置が可能になった、との声もあったという。
【掲載URL】http://www.shifop.jp/
(21) 立命館アジア太平洋大学:
多文化・多言語環境を活かした企業人材育成プログラム- GCEPプログラム
学生の半数を占める85ヵ国の留学生と共に学ぶ多文化キャンパスにおいて、企業社員を対象とした異文化対応力を向上させる研修プログラム。日本的価値観が通用しない学修環境で切磋琢磨することによって、外国人の異なる価値観やコミュニケーションスタイルを「異質」として特別視することから、彼らを理解し、積極的に協働するマインドセットを醸成することを目的としている。
英語で開講される大学の講義、留学生寮での滞在、ディスカッション、プレゼンテーションなどを、常に多国籍の学生と混じりながら実践的に体験することにより、言語運用力に加え、異文化理解力、適応力、交渉力を身につけ、今後日本企業などがグローバル展開を行う上で必要な力量(異文化間コミュニケーション力、ロジカルシンキング力、多文化環境でのディスカッション能力、リーダーシップ能力など)を修得する。
(22) 株式会社ローンディール:
企業間レンタル移籍プラットフォーム「LoanDEAL」が、変革型人材を育成する
大企業においてイノベーションの必要性が叫ばれるようになって久しい。そして事業創造や組織変革を担える人材を求めている。しかし、大企業の看板に守られ、高度に階層化や分業化が進んだ環境下では、人材が創造や変革に必要な能力を開発することは難しい。
そこで、LoanDEALは、大企業の人材を短期的にベンチャー企業のプロジェクトに参加させる「レンタル移籍」というプログラムを提供している。ベンチャー企業の環境は、当事者意識を醸成し、創業期の修羅場を経験し、経営者視点を獲得する絶好の機会だ。企業は人材を手放すことなく、創造や変革に必要な能力を開発する機会を与えることができる。
変革型人材の不足を論じる場合、日本の人材流動性の低さが指摘されることが多い。しかし、人が真に力を発揮するには、企業との信頼関係が必要だということを見逃してはならない。「レンタル移籍」は、流動化の促進と信頼関係の構築を両立し、変革型人材の育成を可能にする仕組みなのである。
【掲載URL】http://loandeal.jp