労働移動支援助成金とは
労働移動支援助成金とは、成熟した産業から成長産業への人材の移動をスムーズに行うために設けられた制度です。
これまで行われてきた労働関係の補助金は雇用の維持が主な目的でした。一方、労働移動支援助成金制度により人材の流動化を促進し、成熟産業における経営の効率化と成長産業の発展が図られています。
労働移動支援助成金には、大きく2種類のものが存在します。
労働者の再就職を支援する企業に再就職支援奨励金を支給するのが、再就職支援コースで、再就職を希望する労働者を受け入れた企業に対して受入れ人材育成支援奨励金を支給するのが、人材育成支援コースです。
再就職支援奨励金は、再就職支援と休暇付与支援、職業訓練実施支援のいずれかを行った場合に支給の対象となります。再就職支援とは、離職する労働者の再就職支援を職業紹介事業者に委託することです。
再就職支援委託時は中小企業事業主のみが、再就職実現時には企業の規模を問わず支給されます。再就職支援の一部として訓練やグループワークを実施した場合には再就職実現時のみ助成金の上乗せがあります。
休暇付与支援は、離職が決定している労働者に求職活動のための休暇を与えることです。離職する労働者の再就職のための訓練を、教育訓練施設等に委託して行うことを職業訓練実施支援と呼びます。休暇付与支援と職業訓練実施支援を行った場合、再就職の実現時に再就職支援奨励金が支給されます。
企業が事業規模の縮小が必要となり労働者の離職を余儀なくされる労働者等に対する支援を行う場合に再就職支援奨励金を支給されるためには、再就職支援計画を作成して公共職業安定所長の認定を受ける必要があります。
受入れ人材育成支援奨励金は、離職する労働者が、離職後3か月以内に期間の定めのない労働者として継続的に雇用された場合に支給される助成金です。この場合に対象となる労働者とは、再就職援助計画等の対象となった者を指します。
受入れ人材育成支援奨励金が支給されるのは労働者を解雇する側ではなく、受け入れる側の企業です。
政府は労働者が離職する成熟産業側の企業だけでなく、再雇用される成長産業側の企業も支援することで人材の流動化を図っています。受入れ人材育成支援奨励金は企業が労働者を受け入れた場合に加えて、職場の内外において職業訓練を実施した場合にも別途支給されます。
経済が順調に成長するためには、成熟産業から成長産業へのスムーズな人材移動が不可欠です。成熟産業と成長産業の両方を支援することで人材移動の効率化を図る労働移動支援助成金は、日本経済の発展に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
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鈴木 孝裕(スズキ タカヒロ) 株式会社ウェブサーブ 代表取締役
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