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部下の育成に心理学を応用する Part4

最近の心理学研究で注目されている概念に、「GRIDグリット」と「マインドセット」があります。Part4では、この「GRIDグリット」と「マインドセット」に触れていきます。

 

GRIDグリットを育む

GRITグリットは、
Guts(ガッツ):度胸、諦めない
Resilience(復元力・しなやかさ):失敗してもめげずにそこから学び、復元する
Initiative(率先):自ら主導権をもち、率先して目標を立てる
Tenacity(不屈):執念をもって最後までやり抜く
の頭文字で構成されています。
ペンシルバニア大学 アンジェラ・ダックワース教授が数多くのグリット研究を基に提唱しました。
(アンジェラ・ダックワース教授はこの研究で、マッカーサー賞を受賞しています)
グリットは困難、失敗、競合目標にもかかわらず、 長期目標に対して示す「情熱」と「粘り強さ」である (Eskreis-Winkler、 Gross、 & Duckworth、 2016)」

ダッグワース教授は、「成功の要因は生まれ持った才能や知能ではなく、後天的に誰もが獲得可能なグリット(やり抜く力)にある」とし、その著書で、グリットを育むためのプロセスとして、「重要な4つの段階」があると仮説を立てています。(ダックワース2016、pp. 132‒133)

【興味】他の人がつまらないと感じるようなことにも興味を持ち、楽しんでいる。目的を達成することに喜びを感じている。
【練習】より高い目標を常に設定し、それを達成するプ ロセスを粘り強く継続している。
【目的】仕事が他の人の役に立っていることを認識している。
【希望】どんな困難に直面しても、「やればできる」という希望を失わない。

こうした仮説をビジネスシーンに当てはめて考えてみましょう。

①興味がないことに唯々「やりなさい!」「なぜ頑張らないのか?」と強制しても、そこに喜びがない限り、効果的ではないことが分かります。
あなたがもし、部下に成長をして欲しければ、なぜこの仕事を行うのか、この業務の目的は何か、何のために学ぶのかなど、丁寧に説明し、関心や興味をもって臨めるよう工夫が必要ですね。

②一つのことを最後まで成し遂げるには、セルフ・コントロール力も試されます。物事を継続的に粘り強く実行するためには、目標から気持ちを逸らさず、誘惑に負けない能力も必要なため、行動を習慣化するコントロール力も必要です。
管理監督者や教育担当は、見守り、努力を労い、必要に応じてポジティブな介入をすることで、粘り強さを後押ししましょう。

③ダックワース教授は、著書で自分の行動が誰かの役に立っているという「利他的な目的が必要」としています。
業務を与える時には、目的を伝え、興味関心が高まる動機づけを行い、その仕事がどのように役に立っていくのか、チームへの貢献、成果の行方なども伝える必要があるでしょう。

④関心を持って取り組み、持続する力をコントロールし、他者への貢献も為されたとき、努力が報われなければ、次に進むことはできません。
管理監督者は、プロセスを見守り、努力を承認し、貢献に感謝し、ともに喜び、次への動機づけにする。そのような姿勢が求められるのではないでしょうか。

 

成長型マインドセットと硬直型マインドセット

次にご紹介するマインドセット研究は、このグリット(やり抜く力)に影響を与える要素としても注目されているハーバード大学のキャロル・S・ドゥエック教授による研究です。

マインドセットとは、経験、教育、先入観などから構成される思考様式で、心理状態のことを指します。含まれるものは、固定されたものの見方や思い込み、価値観、考え方、習慣、好み、信念などです。

心理学におけるマインドセットは、キャロル・S・ドゥエック教授の研究結果により、「成長型」と「硬直型」の2種類に大別され定義されています。

グロース・マインドセット(成長型)は、成長する思考と呼ばれ、「自分の能力は努力次第で成長させることができる」という考え方でプラスの好循環を生み出します。「しなやかなマインドセット」とも表されます。

フィックスト・マインドセット(硬直型)は、「自分の能力はもとから決められているため変わらない」という考え方で、マイナスの悪循環を生むと言われています。

誰しもが両方の側面を持ち、この2つは、疲労や体調不良、業務の忙しさなどの状況や環境により入れ替わったりすると言われています。
そして、マインドセットは、自分の意思で変えることも可能とドゥエック教授は著書である「Mindset」(邦題「『やればできる!』の研究」)で伝えています。

ビジネスパーソンとしては、成長型マインドセットを持つ人を求めることは言うまでもありません。

この2つのマインドセットにどのような特徴があるのかを具体的に見ていきましょう。

【硬直型マインドセット】
・努力:やってもどうせ無駄
・挑戦や課題:避けるべき障害
・批評:否定されているように感じ、反論したくなる
・失敗:可能な限り避けたい。したくないし認めたくない
・他者の成功:嫉妬、脅威

【成長型マインドセット】
・努力:自身の成長に必要不可欠
・挑戦や課題:乗り越えて達成しよう
・批評:積極的に受け止め、学ぶ
・失敗:次の成功への鍵
・他者の成功:刺激を受ける、モデルにしよう

 

グロース・マインドセットを獲得すると、努力を惜しまず挑戦ができるようになり、失敗体験も自身の糧にできるようになります。成長することにより積極的になり、達成感も得られるようになります。すると自己肯定感も高くなり、より高い目標にも挑戦ができるようになるでしょう。
ポジティブな思考を持つグロース・マインドセットの従業員が増えることで、組織全体がポジティブな思考を持つようになるでしょう。

米国の心理学者・哲学者であるウィリアム・ジェームズ(1842-1910)の言葉に
「心が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる」があります。
私たちは「心構えを変えることによって人生を変えることができる」のです。

一般的にマインドセットを変えるには、以下の3つのステップが必要と言われています。
1.マインドセットの存在を知る
2.自分のマインドセットを理解する
3.必要なマインドセットを獲得する

「マインドセット」という概念を学び、自身がどのような環境、健康状態のときに硬直マインドセットになりやすいのか、また、反対にどのような環境にあるときに、しなやかな思考や行動ができるのかなど、自己理解を深め、自分の今の年齢、立場、環境にあったマインドセットを獲得していくことが大切です。

 

筆者:産業カウンセラー
2022/1

 

参考:キャロル・S・ドゥエック著「Mindset」(邦題「『やればできる!』の研究」
『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』アンジェラ・ダックワース 著、神崎朗子 訳(ダイヤモンド社)
行動経済学 第12巻 (2019) 87‒104グリット研究とマインドセット研究の行動経済学的な含意―労働生産性向上の議論への新しい視点*―川西 諭・田村輝之
心理学研究2019 年 doi.org/10.4992/jjpsy.89.17220 日本語版グリット尺度の作成および信頼性・妥当性の検討 竹橋 洋毅 関西福祉科学大学 樋口 収 明治大学 尾崎 由佳 東洋大学 渡辺 匠 北海道教育大学 豊沢 純子 大阪教育大学

  • モチベーション・組織活性化
  • 安全衛生・メンタルヘルス
  • マネジメント
  • コミュニケーション

企業経験を経て、2000 年に労働省認定「産業カウンセラー」資格取得。
2002年以降、株式会社セーフティネットのカウンセラーとして勤務。

【セーフティネットでの活動】
マネージャーとして相談部カウンセラーの取りまとめ、教育、指導
メールカウンセリング実施責任者、事例検討責任者、面談カウンセリング
人事相談担当、復職支援担当、ポストベンション担当

藤掛 弘美(フジカケ ヒロミ) 営業本部 シニア・アドバイザー

藤掛 弘美
対応エリア 全国
所在地 千代田区

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