【ヨミ】ハツメイタイカ

発明対価が一般の関心を呼ぶようになったのは、ノーベル化学賞を受賞した島津製作所・田中耕一さんの発明対価が1万余円(受賞後、特別報奨金1000万円支払い)だったと報じられたころからでしょうか。当時、日亜化学工業を相手に米大学教授・中村修二氏が在職中の青色発光ダイオードの特許に対して裁判を起こしており、その後、一審判決が200億円の支払いを命じたため、企業側もにわかに関心を持ち始めました。
発明対価をめぐる訴訟では、これまでにオリンパスの光ディスク技術に対して約230万円の支払いが確定したほか、日立製作所のCD読み取り技術では約1億6300万円の判決があり、現在最高裁で継続中。最近では味の素と元同社社員との間で、人工甘味料の発明に対して1億5000万円を支払うことで和解が成立しました。
裁判所は味の素が得た利益を約80億円と認定しており、元社員が手にしたのはその2%弱。仮にもう一人の共同発明者にも同額と計算すれば、社員の取り分は利益の4%弱になりますが、現状では大手企業の発明対価は利益の0.1%〜1%が普通と言われます。
このため特許法35条の改正で、対価について合理的な基準を求める一項が付け加えられ、2005年4月から実施されます。それでも妥当な金額は定かでなく、会社と発明者のせめぎ合いが続きそうです。田中さんは「特許より仕事の面白さが大切」と言っていましたが、発明に縁のない社員にも、落ちつき先が気になるところです。