株式会社HRインスティテュート チーフコンサルタント
守屋 智敬氏
イノベーティブなリーダーは、トップダウンで言われるがまま戦略を実行する組織ではなく、現場が主体的に考え、変化に柔軟に判断し実行する組織から生まれ出てくる。全員がリーダーではなく、フォロワーやサポーターの存在も重要である。個人のコンピテンシーを一概に平準化するのではなく、個の主体性を基盤に組織全体で成長するための仕組みをつくり、イノベーションを主導するリーダーを生み出していく実践手法をお伝えします。
成果を出すための仕組みづくりにも、変革&実行のプロセスが求められる
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
守屋:変革をもたらすリーダー人財の育成には、当事者であるリーダー以外に、「経営者」「事業部門責任者」「人事・企画担当」の三者がワンチームとして、人財育成に注力する仕組みが必要です。その仕組みが機能しないがゆえに、リーダー人財のための研修プログラムでよく起こる問題点として、下記の三つが挙げられます。
- 問題1:自己啓発をはじめとする研修プログラムは、個人の意識、スキルは伸ばせても、組織での融合、成果は出せない
- 問題2:戦略は描けても、組織での実行~成果創出までには至らない
- 問題3:本人への定性的な評価はできても、事業に直結する定量的な評価まで結びつかない
これらの問題は、研修自体に要因があるわけではありません。研修に意義がないわけでもありません。多くの場合、「研修だけで完結してしまっている」「研修頼りになってしまっている」ためといえます。
また組織全体で、リーダー人財育成が事業の成果を生むための最優先課題として実行できているかによっても結果は変わってきます。組織全体の仕組みが変わらなければ、変革は起こりません。人財育成をコアに、成果を出すための仕組みづくりにも変革&実行のプロセスが求められているのです。今回は、変革リーダー人財の育成プログラムだけでなく、成果に結びつけるための仕組みづくりのための実践手法をお伝えします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
守屋:ワークアウト手法を用いた、次世代リーダー層への長期トレーニング・プログラムを過去10年にわたり実施。1年近くにわたる組織開発プログラムでイノベーティブ・リーダー育成のための仕組みづくりや、組織風土改革に関わるコンサルティングも手掛けてきました。年間で100名、経営者候補育成プログラムでのトレーニングを行っています。
組織開発コンサルティングや人材育成プログラムを通して、一過性のトレーニングや一時的な課題解決ではなく、永続的に組織や人材が成長するためのさまざまな仕組みづくりに対する実践手法を展開。現場巻き込み型でOff-JTとOJTの融合を図る仕組みづくりについて多くの知見を持っています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
守屋:本講演では、組織の成長を支えるためのイノベーティブ・リーダーをいかにして育てていくか、そのための実践手法を実務的な要素に踏み込んでお伝えしていきます。人材育成担当者だけでなく、経営者、事業責任者、経営企画担当者にもお聞きいただきたい内容です。
こうした仕組みづくりには多くの時間と労力がかかります。しかし、組織の未来を占う最重要課題でもあるテーマです。部分最適で終わることが一番成果につながりにくいテーマですので、着眼大局、着手小局で、全社的に取り組みながらしっかりと成果を紡ぎ合わせていくことが大切です。そのためのヒントをご提供できればと思います。
- 株式会社HRインスティテュート
チーフコンサルタント - 守屋 智敬氏(もりや・ともたか)
- 1999年、株式会社HRインスティテュートに参画。ITベンダー、製造業を中心に、新規事業計画立案&事業戦略実践のためのコンサルティング業務に従事。イノベーティブな次世代リーダー育成プログラムを多数実施。また、プロボノとしての社会貢献人財の創出のための活動も行う。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
- 〒107-0062 東京都港区南青山2-2-3 ヒューリック青山外苑東通ビル6階
- E-mail:hrc@jinjibu.jp