株式会社スマートワークス 専務取締役
本多 佳苗氏
グローバルでも国内でも、多様な考え方や価値観を持つ人が増えています。一体感のある組織行動が難しくなる中で、多様で、時には風変りなアイデアの中にも可能性を見出し、活用する重要性は高まっています。しかし多様性には、違いに起因する衝突がつきものです。強みに転換するには、考えや価値観の違いが生まれる認知のしくみを理解することや、相違点について深く考え、新たなアイデアや価値につなげる意識転換が求められます。
異質なものを理解・受容して自己修正する、
違いのマネジメントと質問力について考える
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
本多:日本企業が今、社員に期待することには、「グローバル」や「違いを生かす」などのキーワードが必ず登場するでしょう。ここで言う「違い」は、国や文化だけでなく、世代間ギャップや雇用形態、教育や性別など、広い意味合いです。
弊社の提携先の一つ、ゼンガー・フォークマン社はビジネスパーソンのリーダーシップ能力を測定しています。彼らが実施した世界的な調査から、はっきり言えることがあります。リーダーとして業績を上げるのに必要な能力は、世界のどこでビジネスをしても同じです。誠実で信頼できるリーダーには皆がついていき、消費者ニーズに敏感なリーダーは的確な商品戦略を立案します。
ではなぜ、日本人にとってグローバル化のハードルは高いのでしょうか。語学力は基本的な要件ですので、ここでは除外します。文化が違う、商習慣が違う、法律が違う……原因は色々ありますが、要は結果として、何があたり前で何が正しいのか、自分と相手の考え方や感じ方が違うから、難しいのです。しかし、これは、自分と同じ常識が通じない日本人に困っている状態と、実質的には同じです。
このとき重要なのは、自分を客観視して、さまざまな角度から「自分に思い込みはないか?自分の主張は適切か? 相手はどうだろうか?」と、問いかけができることです。異質なものを理解・受容して自己修正するための、違いのマネジメントと質問の力について考えます。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
本多:スマートワークスは、他に類をみない海外の良質な研修プログラムをご紹介しているほか、従来日本国内で展開されてきた、お客様の自社研修を世界各国の現地語で、現地人トレーナーによって展開するためのサービスを行っています。そのネットワークは、世界70カ国に広がっています。
海外のパートナー企業は、組織開発や認知心理学、計数心理学などを応用したコンサルティングとトレーニング分野において数十年の経験があり、確かなデータや理論に基づくプログラムを開発しています。
データに基づいて開発された研修プログラムの利点は、研修成果が証明されていることにあります。提携先の研究論文には、ハーバード・ビジネス・レビューやMITスローン・マネジメント・ジャーナル等で表彰されたものもあります。研修も世界各地で実施されていますから、アジアや欧米の人材開発の「今」と「これから」を映しています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
本多:ありきたりではなく、専門家ならではの鋭い切り口にご興味のある方は、ぜひお越しください。他のどこにも例を見ない、はっとする視点から課題をシャープにとらえる手法と、解決策のシンプルさ、洞察の深さに、難しい課題解決へのヒントや着想を得ることができると思います。
- 株式会社スマートワークス
専務取締役
- 本多 佳苗氏 (ほんだ・かなえ)
- 製薬会社研究所勤務を経て、外資系人材開発コンサルティング会社に勤務。「7つの習慣」「リーダーの4つの役割」をはじめとするグローバルなトレーニング・プログラムやアセスメントのローカライズ、および講師育成部門の責任者を務める。その後、独立して株式会社スマートワークスを設立。専務取締役となる。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
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