株式会社グローネス・コンサルティング プロフェッショナル・パートナー
志方 隆行氏
多くの企業では、50代前半に役職定年制を置いています。「残り10~15年をどうするか」は、本人のみならず、企業側にとっても大きな課題となっています。一度、リーダーとなった人間が、再びフォロワーとなるには「組織と仕事に対する価値観の転換」が求められます。「何の為に働くのか?」を再設定し、組織/職場/後輩に対する“新しい貢献”の姿を描く、パワフルで魅力的な50代からのキャリア形成を提言します。
仕事に対する前向きな姿勢を形成する「50代のキャリア研修」をご紹介
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
志方:現在50才の社員は、入社5年前後でバブルが崩壊し、それ以降は長年にわたりリストラと同居した会社生活の人が一般的です。つまり、外的動機づけが極めて少ない状況下で今日を迎え、近い将来に役職定年、再雇用などの処遇の受容を求められている世代なのです。今後の生活設計をどうするか、定年延長によって伸びた残りの企業内人生をどのようにおくるか、仕事に対しても生活に対しても、何をどのようにリフレーミングしたら良いのかが分からず、多くの人がもんもんとしています。
一方、企業においても、65歳までの雇用延長義務化が来年からスタートをする中、50代の社員に対する施策が必要となっています。数年後には、バブル期採用の社員が50代になることを考えると、現段階から何らかの手を打つ必要があるでしょう。
グローネス・コンサルティングは、たとえ役職定年を迎えた50代社員であっても、企業内で働く以上は、仕事を通じて会社や顧客に「貢献」したいと考えている、と信じています。50代社員に必要なものは、周囲からの「特別扱い」ではなく、会社や仕事への価値観、スタンスを再設定する機会と、自己効力感を得られる仕事と処遇であると考えています。
本セミナーでは、50代社員の現状と、将来発生するリスクをおさえた上で、彼らの中に、会社、仕事に対する前向きな姿勢を形成する「50代のキャリア研修」をご紹介します。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
志方:16年前、ある建設会社が「54才役職定年制度」を導入した際に、当時46才の私が依頼を受けた「53歳セミナー」が、50代キャリア研修との出会いでした。当時は、キャリア研修自体が一般化されておらず、他社の実施事例が極めて乏しい状況でしたが、長年この年代とワークショップを続けている間に、今では企業の主要ニーズとなってきました。
50代キャリア研修には「カウンセラーのスタンス」が必要と考えています。何かを教えるのではなく、心理臨床のアプローチをし、50代社員が、自ら気づき、形成をしていくように進めています。
今回は講演形式ですので、具体的な心理臨床をお見せすることは出来ないかもしれませんが、研修のイメージを持っていただけるよう、分かりやすく進めていきたいと考えています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
志方:当カンファレンスに登壇する機会を得て、多くの人材育成関係者の方々に、この研修を知っていただける事を大変楽しみにしています。国内企業の人口構成により、50代社員が抱える課題は今後しばらく、増加の一途が見込まれる状況です。研修を構築する際の、視点の置きどころとポイント、真に受講者の援助となり、組織のニーズとの統合を図る研修のあり方に関して、新たな概念を持ち帰っていただけるものと思います。
講演時間の都合で細やかな質疑応答は困難が予想されますが、懸案や疑問をお持ちの方にはぜひ、共に考え、お役に立ちたいと願っております。
- 株式会社グローネス・コンサルティング
プロフェッショナル・パートナー - 志方 隆行氏(しかた・たかゆき)
- 民放のアナウンサー、事業会社において人事、人材開発担当を経て独立。在職中に、社会産業教育研究所長 岡野嘉宏氏に師事、交流分析・臨床系心理学・心理療法・行動科学に基づく研修技法を学ぶ。グループダイナミクスを醸成し、個々人に“気づき”を胆落ちさせていくその研修スタイルは、多くの企業から好評を頂いている。
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