株式会社HRインスティテュート コンサルタント
小島 潤子氏
企業研修、会議、プロジェクトで人が集まっても、なかなかイノベーティブな空気にならず、「想定範囲内」で場が終わる事は珍しくありません。
場づくりにはファシリテーターの力量が必要だ、と考えてしまいますが、実は、環境からのアプローチに工夫をすることで参加者の構えが大きく変わります。
アフォーダンス理論を適応した空間の中で、身体の構えの変化を感じ、環境が人の可能性と場の価値を拓く様子を体験して頂きます。
環境を少し変えるだけで、人間の可能性は無限大に開いていく
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
小島:企業研修、会議、プロジェクトで人が集まっても、なかなかイノベーティブな空気にならず、「想定範囲内」で場が終わる事は珍しくありません。価値を生む場づくりにはファシリテーターの力量が必要だ、と考えてしまいますが、実は、環境からのアプローチに工夫をするだけでも参加者の構えが大きく変わります。そして、思ってもみなかった発言や大胆なアイデアなどのほぐされた思考を生みだせる土壌ができあがります。
今回のワークショップでは、アフォーダンス理論(注1)を適応した空間の中で、身体の構えの変化を感じ、環境が人の可能性と場の価値を拓く様子を体験していただきます。私たちの身体は想像以上に環境に包まれた存在です。意思、マインドに働きかけるだけでなく、環境を少し変えるだけで人間の可能性は無限大に開いていくのです。ファシリテーターも環境の一つという事がわかります。
今回のワークショップは、「ほぐす」ラーニングデザインという論文に記した内容を骨子に、カスタマイズした環境を再現したものです。普段、私たちが当たり前に準備している備品を少し変えるだけで、大きな変化が現れるかもしれません。身体を知ること、身体の可能性を知る事で人の可能性に対して改めて敬意を持っていただけたら嬉しく思います。
注1:生態心理学者J.J.ギブソンが提唱。人間は環境から発信される情報をピックアップすることで行動を選んでいるという考え方。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
小島:私は、HRインスティテュートで、コミュニケーションデザインをテーマに、アートを使った教育研修の実践や、企業内で求められるコミュニケーションの目的に合った場のデザインを手掛けています。
青山学院大学社会情報学研究科 ヒューマンイノベーションコース修士論文にて、「ほぐす」ラーニングデザインを執筆。この論文は、2012年日本教育工学会長崎大会 課題研究K-2「豊かな協調を導くデザイン原則の確立に向けて」で、企業研修における「ほぐす」ラーニングデザインの実践記録として発表しました。
ワークショップデザイナーとして、アーチストとのコラボレーションワークショップなどのデザインと実践を多く手がけています。毎月、原宿にあるHRインスティテュートビジョンハウスにて「はら塾カフェ」というワークショップチームの活動も展開しています。アーチストの荒川修作には、強い影響を受けています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
小島:環境にアフォードされるご自身の変化を、どうぞお楽しみください!
- 株式会社HRインスティテュート
コンサルタント - 小島 潤子氏(こじま・じゅんこ)
- 経営コンサルティングを中心に、人材育成コンテンツの開発に従事。ワークショップ手法を取り入れた、やわらかい企業現場実現を目指すアプローチを実践。
2012年日本教育工学会長崎大会課題研究K-2「豊かな協調を導くデザイン原則の確立に向けて」企業研修における「ほぐす」ラーニングデザインの実践記録を発表。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
- 〒107-0062 東京都港区南青山2-2-3 ヒューリック青山外苑東通ビル6階
- E-mail:hrc@jinjibu.jp