株式会社ジェック 取締役
越膳 哲哉氏
長く続く「変革の時代」。企業は環境適応業である以上、個人と組織の変革は千載不易の経営課題である。組織全体の変革を進めるため体制・制度・仕組みなど組織システムの変革に着手しているものの、組織と言う有機体そのものの変革には中々至らないケースが多い。最も重要な「組織文化の革新」が進まないからである。「組織文化」という目に見えないものをいかにして見えるようにしていくのか、その方法論の一つを提示する。
組織文化の正体を「見える化」することで、人と組織を変革していく
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
越膳:今回の講演では、「見えない組織文化をどのように見える化するのか」をテーマに進めていきます。激変する市場環境に対応し、継続的に発展し続けるため、多くの企業が変革に挑戦しています。組織体制そのものや人事制度・基幹システムを中心とした各種制度、システムの改定など大変なエネルギーを注いでいるのです。
しかし、現実的には、「組織体制変更の意図が伝わらない。誤解ならばまだしも、曲解がねじれ増長させてしまう」「情報共有システム変更に対する不平・不満が先行し、キチンと機能させられれば成果が期待できるはずのものが、日々のコンタクト履歴入力すら徹底できない」などの声が聞かれます。
このような現象は、新組織体制や新システムそのもの以上に、組織に根付いている組織文化の影響が大きいのです。組織文化の正体は、組織に所属する大多数の人間に共通に根付いている「当たり前」「常識」「価値観」です。いくつかのそれらの複合体として組織文化が形成され、それが組織に所属する人の思考や行動に、強く作用します。
この文化の正体を明らかにしてメスを入れることで、これまでの企業努力の効果を引き出すことにつなげられれば、多くの企業様のお役に立てるのではないかと考え、慶應大学大学院SDM研究科との共同研究で、文化の「見える化」を進めてきました。「お役立ち道の文化」という切り口で、事例を交えながらご紹介します。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
越膳:弊社の理念は「行動理論の改革と集団性格の革新で企業の発展を図る」と言うものです。「個人と組織に根付く「固定観念・既成概念」を再構築し、変革を実現する」ということに対し、研究医的アプローチではなく、臨床医的アプローチで多くの企業様にお役に立つことを第一として、48年間やってきました。
学術的レポートや本に書かれていることは正しいのですが、現場ではそれがなかなか実践できない、というところで苦労しています。特に組織の変革については、大変な努力をしながらも成果が生まれづらく、「理屈上正しいのは分かっているが、そうは言っても現場では……」という苦悩が常にあるのです。
弊社はそのような「ビジネスの現場」にお役に立つため、現場の実態からどういう手を打っていけばいいのかを徹底的に研究し、長期・大局・根本的な視点を持ちながらも足元に手を打つことを大切にしています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
越膳:「人と組織の変革」に向けて多くの方が大変なご苦労をされていることと思います。皆さまの努力が今以上に成果につなげられるよう、本講演を通じて、お役に立ちたいと思っています。
- 株式会社ジェック 取締役
- 越膳 哲哉氏(えちぜん・てつや)
- ◆CPM変革推進本部長 ◆慶應義塾大学大学院 SDM研究科 非常勤講師。
メーカー・医療業界を中心に、営業・製造・開発・技 術部門へのお取り組み実績多数。インストラクターとしても「お客様企業の経営変革」をテーマに、「論理性」「分析力」「判断力」「人間力」で、深い気づき のコースを展開するとの評価が高い。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
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