株式会社ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツ
代表取締役社長 レゴ・シリアス・プレイ認定ファシリテーター
蓮沼 孝氏
「レゴ・シリアスプレイ」は、デンマークのLEGO社が開発した、レゴ・ブロックを道具として使う、人材・組織開発や戦略構築のプログラム:遊びと学びの融合した、「新しい学びの技法」です。講演では、企業の多様な問題解決に活用された事例の紹介、特に、個人のキャリア開発への応用について説明します。
レゴ・ブロックを使い、将来の自分の道筋や採るべき行動を模索
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
蓮沼:企業に働く人たちが自らのキャリアを考える時、企業内や部門内での責務や目標に対し、今本人が携わる目先の仕事、能力や経験を基点にすることが少なくありません。本人は現状の職務や人間関係の域から距離を置いて、自らの可能性や他の選択肢を展開できず閉塞感を味わうことになります。
私たちは、レゴ・シリアスプレイ(*デンマーク・レゴ社がスイスのIMD等の協力を経て2001年に開発)という戦略・ビジョンを構築する手法を活用し、キャリアを将来に亘る生き方ととらえ、自らの価値観を基点に、目指す将来を創るワークショップを提供しています。参加者は、自ら創るレゴ・ブロックの作品を使って、他の参加者の視点やアイデアから視野を広げ、将来の自分に至る、道筋や採るべき行動を模索します。参加者は、自らの仕事の意義について再認識をし、仕事上の顧客や同僚、外部のパートナー、家族や社会との関係を理解しながら、人生の設計をするのです。
講演では、レゴ・シリアスプレイの概要や背景となる理論を説明し、実際のワークショップで参加者が作った作品(写真)をお見せし、参加者が他の参加者との対話をしながらどのように自らのキャリアとそれに至る道筋や行動を明確にしていったかを解説します。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
蓮沼:私は、3年前から、アタッカーズ・ビジネススクールや東京デザインプレックス研究所で学ばれる個人のビジネスマンの方々、また、企業内の同年代の方々向けのカスタマイズ・プログラムを提供してきました。
参加者は、同じ企業の中でも、異なる知識、スキル、経験を持っています。また、誰もが将来こうなりたいという明確なイメージや意志を持っていた訳ではありません。私は、レゴ・シリアスプレイのファシリテーターとして、参加者に『過去の自分』『(仮想の)将来の自分』『自らを動機付けるモノ』『自らを妨げるモノ』を作品にしてもらい、彼らに問いかけることにより、彼らの隠れている想いや価値観を引き出し、キャリアを明確にせしめることに成功しています。レゴ・ブロックという道具を効果的に使うとそのような成果が出るのです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
蓮沼:これまでレゴ・ブロックは、お城やロボットなど、目に見えるモノを作るのが目的でした。私どもは、これを個人の内観(=価値観やアイデア)を出すための道具として使います。つまり、作品を作って終わりではなく、質疑応答を効果的に行ったり、作品を動かしながら、アイデアを膨らませたりする道具として用いるのです。講演では、写真をお見せするだけではなく、実演する場面もありますので、ぜひご参加ください。
- 株式会社ロバート・ラスムセン・アンド・アソシエイツ
代表取締役社長 レゴ・シリアス・プレイ認定ファシリテーター - 蓮沼 孝氏(はすぬま・たかし)
- 早稲田大学理工学部卒、米国ペンシルバニア大学ウォートン校大学院修了(MBA)、三菱商事出身。株式会社グロービスにて法人営業責任者を務め、論理思考のカリキュラム開発、事業経営者のプログラム運営を主導。マレーシアの複合事業会社での事業経営に従事した経歴を持つ。著書に<成功するキャリアデザイン>(日本経済新聞社刊・堀義人共著)がある。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
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