人と組織について体系的に学ぶイベント

日本の人事部「HRカンファレンス2024-春-」 
				2024年5月15日(水)・16日(木)・17(金)・21(火)・22日(水)・23日(木)開催

[主催]日本の人事部「HRカンファレンス」運営委員会[後援]厚生労働省

講演者インタビュー

日本の人事部「HRカンファレンス2024-春-」トップ 講演者インタビュー 酒井 穣氏(株式会社チェンジウェーブグループ 取締役・創業者)インタビュー

「仕事と介護の両立」実態調査から紐解く
日立ソリューションズが全社で推進する理由とビジネスケアラー支援

酒井 穣氏 photo

株式会社チェンジウェーブグループ 取締役・創業者

酒井 穣氏

仕事と介護の両立支援は、多くの企業から「ビジネスケアラーの実態が掴みづらい」「必要性は感じるが、何から取り組めばよいのかわからない」とお悩みを伺います。本講演では、日立ソリューションズで実施された従業員の介護リスクに関する実態調査の結果を可視化し、当事者だけにとどまらない、全社で自分ごと化を図る取り組みについてお話しします。また全社で推進する際、必須な観点や注意するべきポイントもお伝えします。

―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?

ビジネスケアラー(仕事をしながら家族などの介護に従事する人)の両立支援は、人的資本経営の効果とも言える組織のパフォーマンス向上やDE&Iの実現にもつながると言われ、今や個人でなく「企業が取り組む」課題となりました。

本講演で事例をご紹介いただく日立ソリューションズでは、事業部門で「仕事と介護の両立実態調査」を実施することからスタート。介護をしながら働く人に生産性低下が起こりうるリスクを実感し、サステナブルな経営のため、社員参加型で活動を設計しました。社内で介護への理解を深める機会を作り、介護に伴う生産性低下への対策や離職リスクを低減する施策を立てたほか、相互支援の仕組みの創出にも取り組んでいます。

当事者だけでなく職場全体で取り組む施策の展開、また、効果的な実態調査の方法について情報を得たいと考えている人事総務ご担当者向けの内容です。

―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

超高齢社会の日本において、ビジネスケアラーの数は、ピークを迎える2030年には約318万人になると推計されています。労働力人口の減少も相まって、企業が「仕事と介護を両立できる環境」を整備することは、企業活動の継続・組織パフォーマンスの維持という面においても、極めて重大な課題となってきました。経済産業省でも今春、企業経営ガイドラインを策定し、仕事と介護の両立支援充実を呼びかけています。

しかしながら、ビジネスケアラーの課題は、介護・老い・家族に関わるために忌避感を持たれがちで、個別性が高く、当事者が抱え込みがちです。また、企業側は当事者の実態をつかみづらくなるという悪循環に陥ります。

加えて、実際の支援策実施にあたっては、”3つのつまずきポイント”もあります。
1:「介護は基本的に(仕事を)休んで両立させるものである」という誤解
2:ビジネスケアラー当事者を対象とした支援の壁
3:“隠れ介護”の助⻑される連鎖

日立ソリューションズではまず、見えにくい従業員の介護リスクの実態を調査し、見える化しました。そのうえで、サステナブルな経営を実現するため、”つまずきポイント”を意識し、当事者だけではない「社員参加型」での活動を設計しています。実際の取り組み内容のほか、全社で取り組む施策に必須の観点、注意すべき点などについてお話しいただきます。

―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

仕事と介護の両立を巡っては、これまで「個人の問題」とされることが多かったように思います。しかし、ビジネスケアラーに対して十分に支援できないと、2030年には経済損失額が約9兆円発生するという推計から見ても、今やすべての企業が取り組むべき課題になってきたと言わざるを得ません。それでも、企業内での「仕事と介護の両立」の実態は、まだ明らかになっていないのではないでしょうか。

実態を正確に把握し、従業員が負荷なく適切な知識を持つための方法、また、多様なビジネスケアラー支援の取り組みについて考える一助にしていただければと幸いです。

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講演者プロフィール
酒井 穣氏(さかい じょう)
株式会社チェンジウェーブグループ 取締役・創業者
慶應義塾大学理工学部卒。Tilburg大学MBAを首席取得。フリービット株式会社取締役を経て、2016年株式会社リクシスを佐々木と共に創業。自身も30年に渡る介護経験者で、テレビなどでも介護関連の有識者として出演。著書『ビジネスケアラー』。

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