講演者インタビュー
両立支援の専門家×ベネッセの介護相談室長が語る
介護不幸を減らすための仕事と介護の両立の仕組みとは?
株式会社ベネッセシニアサポート 法人事業部 部長
井木 みな恵氏
仕事と介護の両立支援について、企業から「従業員の介護の課題やニーズがわからない」というお悩みをよく聞きます。本講演では、様々な企業へ仕事と介護の両立支援を行ってきた専門家と当社の介護相談室長が、「ワーキングケアラーの困りごと、企業や職場に何を求めているか」についてディスカッションします。介護は個別性が高いからこそ、自律的に両立を目指せる支援で大切なポイントをお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
政府が、業に従業員への介護支援情報提供や制度利用の意思確認を義務化する法改正案を国会に提出・審議するなど、仕事と介護の両立に注目が集まっています。
企業として、介護支援について検討する企業が増えていますが、介護課題は顕在化しづらくニーズが把握しにくいため、企業としてどのように対策を打つべきか頭を悩ませている担当者も多いのではないかと思います。
親の介護に直面したらどのような負荷があるのか、仕事と両立していく上でどのようなサポートが必要なのか、介護準備の段階ではどのような情報が必要なのか、施設入居を検討する多くの介護当時者の相談を受けてきた介護相談室の室長と、さまざまな企業の取り組みを支援してきた両立支援の専門家から、「個人としてすべき介護準備」と「企業が行うべき両立施策」の重要性をパネルトークします。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
仕事と介護の両立フェーズは大きく分けると、「介護のエントリー期間」「介護の初動期」「介護の両立期」と三つになります。どのフェーズにおいても不安や心配、ストレスなどの度合いは個別性が高く、状況によっては仕事への影響に及ぼすプレゼンティーズムの問題がでてきます。
家族の介護について職場で話せない人ほど、プレゼンティーズムのリスクは高まり、離職にもつながりやすくなります。
従業員が「自律的」に家族の介護をどう捉え、マネジメントすればいいのか、またその支援を企業はどのようなアウトカムをもって進めるべきか、施策を検討する際の参考にしていただきたいと思います。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
当社の「従業員の仕事と介護の両立支援サービス Work&Care」も今年でサービス開始から10年が経過しました。仕事と介護の両立支援施策は、個別性が高い課題や、顕在化しにくい点、またゴール設定などが難しい点などから、施策検討担当者から多くの相談を受けてきました。
2025年問題が間近になり、誰もが介護に直面する時代に入ってきた今、企業だけではなく従業員一人ひとりがこのテーマについて考える必要があります。
介護だけでなく育児や治療など、誰もが「両立」をする今だからこそ「お互い様」の風土醸成をどのように作っていくかは重要な課題です。このセミナーが、この課題について考える機会になれば幸いです。
- 井木 みな恵氏(いぎ みなえ)
- 株式会社ベネッセシニアサポート 法人事業部 部長
- 外資系企業人事部でHRBPを行いながらD&Iプロジェクトリーダーとして、女性活躍推進施策や様々なダイバーシティ関連施策を担当。キャリアコンサルタントと社会福祉士資格を取得。2017年より当社の仕事と介護の両立支援事業に携わり、また自身も介護経験者としながら、企業の様々な両立課題の支援を行っている。
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