講演者インタビュー
経産省×リクルートワークス研究所と考えるビジネスケアラー支援~企業ガイドラインの解説と具体的施策~
株式会社チェンジウェーブグループ 代表取締役社長
佐々木 裕子氏
仕事と介護の両立支援の重要性は、厚労省・経産省の政策として打ち出され、今年春に企業向けガイドラインが策定されました。本講演では、経産省・水口氏よりガイドラインの詳細を解説。その上で、リクルートワークス研究所・大嶋氏も交えて、企業は今から何を準備し、実行していくのか、その優先度はどうつけるのかなど、ディスカッションも含めて3社でお話しします。また、策定にあたって検討された様々な論点もお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
超高齢社会が加速する中で、ビジネスケアラー対策(仕事と介護の両立支援)が国(厚生労働省・経済産業省)の政策として明確に打ち出され、その重要性は明らかなものになりました。そして今春、企業が仕事と介護の両立支援に取り組むことを促すガイドラインが策定、発表されました。
実際に必要とされるビジネスケアラー支援とは何か、どんな施策から取り組めば良いか、国のガイドラインで示された内容についても詳しく知りたい、重要ポイントを理解したい、といった企業の経営層、人事総務担当者向けの内容です。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
仕事をしながら家族の介護に従事する、いわゆる「ビジネスケアラー」の数を日本国内で見ると、ピークを迎える2030年時点で約318万人になると推計されています。
また、介護による労働者の生産性低下などが日本全体に与える経済的損失額は、2030年時点で約9兆円と推計され、政府としても、企業経営においても、喫緊の課題となっています。
このような背景を受け、2023年秋から半年間にわたり「企業経営と介護両立支援に関する検討会」が開かれました。より多くの企業が両立支援に取り組むことを促すよう、企業が取り組むべきことを具体的にまとめたガイドラインを策定するためです。
講演では、経済産業省にて「ビジネスケアラー政策」を企画担当している水口氏が、今春発表された企業向けガイドラインについて詳細を解説します。
また、企業として今から何を準備し、実行していくのか、その優先度は何で判断するのか、「企業経営と介護両立支援に関する検討会」委員を務めた、リクルートワークス研究所・大嶋氏とのディスカッションを通して、策定にあたって検討されたさまざまな論点についてもお伝えします。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
仕事と介護の両立については、これまで「休みやすい」環境整備が優先され、従業員個人の問題にどこまで踏み込むのか、企業としては難しい課題であったかもしれません。
しかし、経済産業省の試算では、介護離職による経済損失は2030年で約1兆円。加えて「仕事をしながら介護をする」ことで仕事の生産性が落ちる場合、その損失は8兆円にのぼります。
この事態に今からどう対処するのか、経産省の政策担当者と「企業経営と介護両立支援に関する検討会」委員をお迎えし、今春策定された企業向けガイドラインをもとに考えます。
経営層の皆さま、ダイバーシティ推進や健康経営をリードされている人事総務の皆さまに、ぜひ参加いただきたいと思います。
- 佐々木 裕子氏(ささき ひろこ)
- 株式会社チェンジウェーブグループ 代表取締役社長
- 東京大学 法学部卒業後、日本銀行、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、2009年に株式会社チェンジウェーブ、2016年株式会社リクシス 創業、2024年両社経営統合。「仕事とケアの両立」課題に取り組む業界横断型研究会「Excellent Care Company Lab.」発起人。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社HRビジョンの登録商標です。
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