講演者インタビュー
9割の人が知らない、不祥事を起こさない組織のつくり方 ~経営者・人事が知っておくべき大事な視点~
株式会社インプレッション・ラーニング 講師
吉成 英紀氏
人的資本経営、ESGをホームページでうたっているにも関わらず、組織的不正、虚偽報告の報道が後を絶ちません。株主や投資家に経営を任されている私たちは、本来、組織的不正が起こらない組織をつくると同時に、企業の目標達成能力をさらに高める必要があります。本講演では役員や従業員全員が平時から共有しておくべき大切な考え方や育成の観点について、具体例をもとにエッセンスをご紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
保険金不正請求や品質偽装など、日本企業の組織的不正が後を絶ちません。組織体制変更や内部通報制度などの「トップの首を切れる仕組み」や「業務プロセスの見直し」を進めているにもかかわらず、不祥事が起こり続けるのは、「形(仕組み)」だけでなく「中身(意識)」が足りないからです。
ところが多くの会社は「意識対策」として何をしたらよいのか、ハウツーをいまだ見いだせないでいます。
本講演は、企業が組織的不正に向かう分岐点を解き明かしながら、私たちにとってわかりきっているはずの三つのキーワードの意味を改めて根底から問い直すことにより、「(講師を含め)私たちのどこが未熟なのか」、「成熟した意識をメンバーが共有する組織をどうやったら作れるのか」を考えていきます。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
本講演は、特に従前のコンプライアンス研修に一定の限界を感じている方に強くお勧めします。
多くの日本企業にとって今本当に必要な(気づいてない)テーマは何でしょうか?
例えば、日本企業で「あなたはルールを守りますか?」と聞くと、(ほぼ)全員が「守ります」と答えます。続いて「あなたはルールを“絶対に”守りますか?」と聞くと、全員が「いいえ」と答えます。このやり取りは、過去に100社以上の会社で実際に行ってきたやり取りです。
「ルールは守るが、絶対ではない」と全員が思っています。大人である私たちにとってより有効なのは「ルールですから守りましょう」という呼びかけよりも、「あなたはどのようなときにルールを破りますか?それを平時からはっきりさせていますか?」という問いです。有事に備える「抑止力」とは具体的に何なのかを解説します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
いま、“人的資本経営”という言葉がよく使われています。日本企業の中長期的な企業価値向上にとってもっとも重要なテーマと講師も賛同しています。
実は本講演の中でご説明するいくつかのキーワードは、不祥事を防ぐだけでなく、企業の目標達成能力を高める効果があります。なぜならこれらは同根だからです。本講演では、そのような普遍性を持つテーマを、いくつかの具体的な日常レベルのケーススタディ形式で、皆さまが実感できる内容となっています。ぜひ皆さまの会社で、「今回紹介するキーワードについての成熟した考え方が、社内の圧倒的多数派のメンバーに共有されている組織」を目指してほしいと思っています。ご期待ください。
- 吉成 英紀氏(よしなり ひでき)
- 株式会社インプレッション・ラーニング 講師
- 慶応義塾大学商学部卒業。1987年英和監査法人(現あずさ監査法人)に入所。外資系金融機関向けコンサルティング業務等に従事。監査法人退職後、有限会社吉成コンサルティング代表取締役就任。不良債権査定業務、M&A、業務監査、会計アドバイザリー業務、経営分析等に従事。内部監査、会計分野等の企業研修講師。
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