講演者インタビュー
現場と人事がつながるとき、本当のOJTが始まる -大規模データが明かす「機能する経験学習」の条件-
株式会社Consulente HYAKUNEN/株式会社Maxwell's HOIKORO CEO
前山 匡右氏
人は仕事の経験から多くを学びます。企業が人材を育てるとき、現場での学びをいかに豊かにできるかが、クリティカルに重要です。想いをもって作り込んだ研修を実施しても、あとは現場任せとなってしまう人事部門。人を育てる重要性に気づきながらも、時間もない中、どう育てれば良いか分からない現場。本講演では、職場での経験学習を促進するうえで、どのようなことが求められるのか、独自データ解析結果に基づいて解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
人は仕事の経験から多くを学びます。学術的に、仕事における学習は「7(経験):2(薫陶):1(研修)」の割合で生じると言われています。皆さまの体感でも、経験の持つインパクトの大きさには疑いがないでしょう。悩んで、迷って、苦しんで、失敗や成功を繰り返す。そのプロセスで人は成長していきます。
企業が人材を育てるとき、現場での学びをいかに豊かにできるかが、重要です。想いをもって研修を作り込み実施しても、あとは現場任せとなってしまう人事部門。人を育てる重要性に気づきながらも、時間もない中、どう育てれば良いかわからない現場。人を育てる専門部門である人事部門と、豊かな学びの宝庫である現場が、緩やかにでもつながることができたなら、人材育成の姿やカタチは新しいものになっていきます。
本講演は、職場での経験学習を起点に、人事部門と現場の間のシームレスな人材育成のヒントを提供するものです。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
昨今HRテクノロジーが進展し、知識やテクニックが得られるツールも数多く生まれています。これらのツールは、知識やテクニックなどを簡便に理解・獲得するには便利ですが、それだけで本当に人が育つわけではないことに、皆さんも気づき始めているはずです。
人の成長を支援する人事部門として、「人は経験しながら学ぶ」という考え方に、感覚的に異論はないでしょう。私たちは、仕事以外の場面でも、いつも経験から学んでいるからです。このような考え方を象徴するように、経験学習理論への注目がより高まり、内省や振り返りが“流行”しています。
しかし多くの人が、経験学習サイクルは特に仕事においてどのように価値があるのか? 経験学習サイクルの一体何が、どの要素が、私たちの職場で大きなインパクトを与えるのか? については、答えを持ち合わせていません。現場に対して「サイクルを回すように心がけて下さい」「とくかく内省させて下さい」としか言えず、経験学習サイクルやOJTがうまく機能しないという悩みを抱える企業・人事部門が多いのではないでしょうか。
本講演では、HYAKUNENが独自に実施した定量データ解析結果に基づいて、仕事の特性やパフォーマンスに与える影響の観点から、経験学習サイクルにおける重要な要素などについて解説します。また、それらの解析結果に基づいて、人材育成の原点を見つめ直すいくつかの問いについて探求していきます。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
当社は、企業変革を多数行ってきたコンサルタントやデータサイエンティスト、経営学者などが参画しているコンサルティングファームです。大小さまざまな企業・組織に変化を生み出す仕事をしています。また、「介入の科学」というテーマの下で、データサイエンス技術を用いたHRテクノロジー分野のスタートアップMaxwell's HOIKOROを経営しています。
皆さまには、自社の人材の現状と課題、教育施策の効果と限界、現場に対するスタンスなどを振り返りながらご参加頂き、現場支援の観点から人事部門のあり方を考え直すきっかけにして頂きたいと思います。
- 前山 匡右氏(まえやま きょうすけ)
- 株式会社Consulente HYAKUNEN/株式会社Maxwell's HOIKORO CEO
- 電機メーカー、シンクタンクを経て創業。様々な分野の知見とコンサルタント、経営者として培った実践知を統合し、大企業の全社変革、新規事業創造、経営トップの育成など、難度の高い分野のコンサルティングを数多く実施。HRテック分野のスタートアップ株式会社Maxwell's HOIKOROのCEOを務める。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社HRビジョンの登録商標です。
当社はプライバシーマーク取得事業者です。類似のサービスやイベントとの混同にご注意ください。