講演者インタビュー
世代間ギャップで終わらせない! 講師養成視点で考えるリーダーシップ10の要点
株式会社市進コンサルティング 代表取締役
細谷 幸裕氏
組織の中核となる30代40代のマネジャーが自身のマネジメントに悩むケースが増えています。その要因の1つに、年下のZ世代と年上の部下との間に挟まれ自分らしいマネジメント観を持てずに苦慮している特有の環境によるものがあります。この講演では、世代間ギャップを超えたリーダーシップの本質を市進教育グループが40年以上大切にしてきた「講師のリーダーシップ像」と重ね合わせながら10のポイントに絞ってお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
近年は管理職がメンバーをマネジメントすることが本当に難しくなってきています。その背景にはメンバーや働き方の多様化に加え、世代間のギャップによる意思疎通の難しさがあると聞かれます。
いつの時代にも世代間ギャップはあります。しかし、コロナ以降、そのギャップによる管理職のマネジメントが困難になり、あらためて個々のリーダーシップのあり方が問われてきていると感じています。
今回の講演は、私自身が塾予備校での講師養成トレーナーという経歴であることから、塾予備校での生徒のモチベーションの高め方や心理的安全性のあるクラスづくりの秘訣などを10のポイントに集約し、管理職のマネジメントに置き換えてお伝えする予定です。
塾予備校の生徒マネジメントが社会人に生きるのか?と思われるかもしれませんが、ぜひ人材開発・組織開発に取り組まれている人事の方やマネジメント層に課題感を持っている経営者層の方たちに聞いてもらいたい内容です。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
あなたが塾予備校の講師として1年間、20人のクラスを受け持ち、多様な生徒のやる気と学力を上げ、クラス全体の合格率も上げなければならないというミッションが与えられたとしたら、どんなマネジメントをイメージされるでしょうか。
このミッションでは、講師として生徒一人ひとりを動機づけるスキルや主体性を持たせるスキル、クラスの心理的安全性を高めるアプローチなど、実にさまざまなマネジメントが求められます。企業内教育でいうならば「人材開発」と「組織開発」の2軸でのマネジメントがマネジャーに求められるものです。
例えば人材開発に関して、塾予備校の世界では「教えすぎない指導」が生徒の考える力を高める上で重要で、講師が教えすぎてしまうと生徒は「教われ慣れ」してしまうというデメリットがあります。このことは企業内教育でも起きています。教える側が良かれと思って丁寧に教えた結果、教わる側は自分で考える機会が奪われてしまい、教えられていないことには対応できない社員に育ってしまうことにもなります。このように塾予備校の指導といえども、生徒マネジメントにはマネジャーによる部下やメンバーへの関わり方や育成のヒントが詰まっています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
人事担当者の皆さんにとって、塾予備校の講師養成ノウハウを企業のマネジメントに生かすという視点はあまりなかったと思います。「人前に立って教える」という立ち居振る舞いは、そのものがリーダーシップと考えています。周囲を巻き込む、意欲を引き出す、ビジョンを示す、苦難を共有する、どれをとってもリーダーに求められる行動です。最近は世代間ギャップでマネジメントが一層難しい環境になってきていますが、講演当日はいつの時代にも汎用可能なリーダーシップの考え方をみなさんと共有したいと思っています。
- 細谷 幸裕氏(ほそや ゆきひろ)
- 株式会社市進コンサルティング 代表取締役
- 塾予備校業界での講師養成トレーナーを経て、現在は金融機関・情報通信企業・製造業・教育委員会等でラーニングキャピタルを基盤とした社内教育体系の設計・運用および社内講師養成を支援している。また、最近ではZ世代のマネジメントに悩むリーダーを対象に塾予備校の講師指導メソッドをもとにした研修をおこなっている。
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