講演者インタビュー
内省型リーダーシップを応用した評価者育成とは?
~上司と部下が共に成長する組織を作る~
株式会社グローセンパートナー 代表取締役
島森 俊央氏
人事評価には「上司の評価が正しく、上司が部下を変える」という前提が存在します。この前提がある限り、部下も素直にアドバイスを受け入れにくいでしょう。内省型リーダーシップは、上司が自ら変容し、周囲も変化していくリーダーシップのあり方です。本講演では、成人発達理論の観点から内省型リーダーシップを評価者育成にどのように活かすかに焦点を当ててご紹介をします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
2016年に評価者研修に関する書籍を出版しました。評価者研修は忙しい参加者にとっては”やらされ感”がありますが、評価制度をマネジメントと人材育成のツールとして活用し、評価者研修を実践的かつ楽しくしたいという想いがありました。
その後、成人発達理論を学び、評価者が内省と自己変容のスキルを身につける重要性を痛感しました。人事評価は評価者のバイアスの影響を受けます。面談も評価者の思惑に左右されることが多いです。これでは、公正な評価も、部下育成を図る面談もできません。
本講演では、人事評価の視点から内省型リーダーシップの重要性、評価者がバイアスに気づく評価演習や、上司も部下も変容できる相互変容1on1の具体策についてお伝えします。評価者研修が単なる人事制度マニュアルの読み合わせや評価目線をあわせることに終始し、評価者研修に限界を感じている人事・教育担当の方はぜひ参加してほしいと思っています。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
我々は、成人発達理論に興味を持ち、人材育成や研修へと応用してきました。発達測定を専門とする米国レクティカ社は、発達を促進するための七つのスキルとして、(1)内省力、(2)情報探索&評価力、(3)情報結合力、(4)情報応用力、(5)フィードバック活用力、(6)バイアスの克服力、(7)気づく力をあげています。半数以上が自分の内面を取り扱う能力なのです。
これまでのマネジメント論は、「自分が正しい、部下を変える」という前提で成り立っており、自分を変える力が磨かれてきませんでした。「内省型リーダーシップ」は、自分を変えることで周囲も変わるというリーダーシップのあり方です。上司が変わることで、部下が変わり、そこから、上司と部下とが変容できる1on1、部下への権限委譲、古い慣習の廃止、学びあえる組織風土の醸成など、変革が進みます。
評価者が「内省型リーダーシップ」を身につけると、人事評価は自分のバイアスの発見のため、1on1は自分の変容のため、人材育成は持論の不完全さを見つけるためなど、これまで”やらされ感”満載だったマネジメントツールがより機能的な仕組みに生まれ変わります。
当日は、成人発達理論を軸とした人材育成の理論的背景や自分の内面の見つめ方、評価者研修の実例紹介などを通じて、参加者が実践的な体験を得られるような形式で進める予定です。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
当日は、皆さんからの意見や質問をお受けしながら進めます。事前のご質問、当日のご質問・ご意見を楽しみにお待ちしております。
マネジャー(評価者)が「正しさ」に固執することから解放されることで、心理的安全性が高く、生産性の高い、学習する組織に生まれ変わります。経営の根幹といえる改革ができますので、マネジメントを変革したい方や、組織文化を大きく変えたいと考えている方に、ぜひご参加いただきたいです。
ほっと一息つけるような、楽しい講演にしたいと思っております。
- 島森 俊央氏(しまもり としひさ)
- 株式会社グローセンパートナー 代表取締役
- 2008年株式会社グローセンパートナーを設立 。人事制度導入や新入社員から役員/管理職クラスまでの教育研修を通して、クライアントの業績向上と社員活性化の実績を多く残している。加藤洋平氏から直接、成人発達理論を学び、自己変容の体験を進めており、一歩異なる視点でアドバイスができることが特徴である。
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