講演者インタビュー
マネージャー任せにしない
社員の状態を可視化し、休職・離職を予防する人事施策とは?
株式会社リーディングマーク 組織心理研究所 所長/ 臨床心理士・公認心理師
佐藤 映氏
近年は転職市場も活発化し、社員が終身雇用で1つの企業に務め続けるということも稀になってきました。会社へのコミットやエンゲージメントが低下することで、早期離職やメンタル不調の発生といったネガティブな退職は対応が必要です。本講演ではネガティブな退職の原因を整理した上で、マネージャー任せになりがちな社員の状態把握やケアについて性格診断や1on1を活用した、明日から実施できる具体的な方法をお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
近年は転職市場も活発化し、従業員が終身雇用で一つの企業に務め続けるということも珍しくなってきました。そうした変化に伴い、従業員が自分自身のキャリアを自律的に考え、計画的に転職するケースも増えています。一方で、新型コロナの影響で社内の内定者同士やインフォーマルコミュニティなどの「横のつながり」が弱くなり、会社へのコミットやエンゲージメントが低下することで、早期離職やメンタル不調といった「ネガティブな退職」が課題になっている企業も増えています。
本講演では、ネガティブな退職を防ぐために、休職・離職の理由から逆算し、どのような従業員マネジメントを実施することが有効なのか、お話しします。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
ネガティブな休職・離職を防ぐには、従業員に対する理解と、不調への早期フォローが求められます。新入社員であれば、入社時の適切な見極めと、内定者時代や入社後のオンボーディング制度の質を向上させること。中途入社者であれば、カルチャーフィットやキャリアに対する納得感の醸成が欠かせません。
今回は、採用と入社後のマネジメントに注目。ネガティブな休職・離職の兆候を早期発見し、適切にフォローするために、性格診断やサーベイデータを活用したマネジメントの質向上についてお伝えします。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
休職・離職が発生した際には「もっと早く気づいていれば」「もっと適切にサポートできていれば」と悔やむ声を聞くことが多いです。当社が支援している顧客の中には、データ取得をきっかけにコミュニケーションが活発になり、休職・離職を防ぐだけでなく、従業員のエンゲージメントの向上にもつながっているケースもあります。人の支援はビジネス上の目標にしづらく、事業計画の遂行と比較して優先度が下がる傾向がありますが、これからの時代には特に重要になる視点です。ぜひご参加ください。
- 佐藤 映氏(さとう うつる)
- 株式会社リーディングマーク 組織心理研究所 所長/ 臨床心理士・公認心理師
- 臨床心理士・公認心理師。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(教育学)。京都文教大学で教鞭をとった後、2020年にリーディングマークに入社。「ミキワメ」の性格検査、ウェルビーイングサーベイの設計責任者を務める。
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