講演者インタビュー
周年事業を、組織活性化のきっかけに。過去・現在を知り、未来へつなぐ「失敗しない周年プロジェクト」とは
アドバンド株式会社 ディレクター/デザイナー
松本 佳澄氏
創業○年、設立○年など節目を迎えるにあたり、周年事業を検討される企業が多くいらっしゃいます。例えば、記念パーティや社員旅行、社史・記念誌の発刊、ロゴを刷新するなどが挙げられます。しかしこれらは手段に過ぎません。真の目的は「周年」という節目を機に、現状課題を棚卸しし、自社のDNAを共有しながら未来を描くことです。本講演では、それらに必要なコンセプト作りや企画ごとのコスパなど、役立つヒントを紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
「設立○周年を迎えるから、企画を考えてほしい」。上司や経営陣からいきなり任命された担当者にとって、何から手をつければいいのか、右も左もわからないケースがほとんどです。
周年事業を成功に導くには、「なぜ、周年事業が必要なのか」「どんな成果を期待すべきか」といった自社の課題や目的を十分に検討すること。その上で、全体予算をふまえて、どんなラインナップで、何にいくら投資するのか。複数のプロジェクトが同時進行するため、優先順位づけや支援会社選びは非常に重要です。
企業にとって、30周年とか50周年といった「節目」の年は、これまでの事業のふり返り(歴史)、自社のDNAをふまえた強みや弱みの把握(現在)、将来の計画やビジョンの再考(未来)といった、企業ブランディングに向けた絶好の機会です。もちろん、会社全体を巻き込むことで、社員のロイヤリティ向上や組織活性化も期待できます。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
会社が節目の年を迎えるにあたって行う周年事業には、さまざまな選択肢があります。例えば、ホテルの宴会場で祝賀イベントを開催したり、社員みんなで記念旅行を実施したり。また、記念品の贈呈を考える会社もあります。しかし、イベントや旅行は単発的で、手間やコストがかかる割には効果があまり期待できません。また、記念品は品物を選ぶセンスが問われる上に、人によっては好ましい反応が得られないケースもあります。特に、経営陣にとっては、大切な予算を使うため、この機会に会社への理解・関心を深め、仕事に対するモチベーションを高めてもらいたいのが本音だと思います。
そこで、私たちがおすすめするのが、社史や周年サイト・動画といった、社員やその家族ほかステークホルダーと共有できるコンテンツです。広く周知でき、何度も視聴することができるため、会社の歴史や創業者のDNAや想いにふれるきっかけとなり、未来へ向けて会社のめざす方向性やビジョンを共有できます。これらの取り組みは、単発的なパーティや旅行などと比較すると、きわめて費用対効果の高い投資です。
周年事業に対する考え方は、会社によってさまざまです。しかし、目的や期待する成果の検討が不十分では、どのプロジェクトにどれだけの予算を投じるべきかがあいまいで、不安が残ります。全体最適という観点から、周年事業を俯瞰するヒントをお伝えできれば幸いです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
会社が設立後、10年とか30年、ましてや50年、100年と事業をつづけてきたことは、非常に名誉なことです。この大切な節目を、どう次の成長に活かせるかは、周年事業の成功にかかっていると思います。組織活性化に向けたプロジェクトの考え方、制作物のコンテンツづくりのコツ、当社が支援した成功事例にふれながら、自社にとって活用できるノウハウを一つでも二つでも、お持ち帰りいただきたいと思います。
- 松本 佳澄氏(まつもと かすみ)
- アドバンド株式会社 ディレクター/デザイナー
- 社史や記念誌、周年サイト・動画など、主にものづくりを通して周年事業を支援するディレクター。なかでも社史の編集では、創業者や現社長へのインタビュー、キーパーソンへのヒアリングなどを通して、企業の課題や将来の方向性をふまえたプランニングを得意とする。年間3~4社の周年プロジェクトに関わっている。
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