人と組織について体系的に学ぶイベント

日本の人事部「HRカンファレンス2023-春-」 
	2023年5月17日(水)・18日(木)・19日(金)・23日(火)・24日(水)・25日(木)開催 [主催]日本の人事部「HRカンファレンス」運営委員会[後援]厚生労働省

講演者インタビュー

日本の人事部「HRカンファレンス2023-春-」トップ 講演者インタビュー 前山 匡右氏(株式会社Consulente HYAKUNEN/株式会社Maxwell's HOIKORO CEO)インタビュー

企業価値を低下させる「人的資本経営 × DX」とは?

前山 匡右氏 photo

株式会社Consulente HYAKUNEN/株式会社Maxwell's HOIKORO CEO

前山 匡右氏

人的資本経営の実現のためには、デジタル技術の活用を通して、社員のデータを収集・分析することが避けられません。しかし、データの収集や分析の方法を誤ることで、企業価値を逆に悪化させる介入施策へ、人事部が正当性を与えてしまっているケースを見かけることがあります。本講演では、学術研究やデータ解析結果、コンサルティング事例を紹介することで、企業価値に貢献する「人的資本経営×DX」のあり方について解説します。

―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?

人的資本経営は、情報開示の義務化などを背景とし、企業が取り組むべき必須の課題として考えられるようになりました。しかし「人材を資本として捉え、企業価値向上へつなげる経営」自体は、これまでも日本企業が取り組んできたものに他なりません。

その一方で、デジタル技術の発展が人的資本経営を推進させているのも事実です。社員のスキルやエンゲージメントなどを測定することが容易になったのに加え、データの分析を通して、企業価値を向上させる介入施策を特定できるようになったとも言われています。

しかし、データの収集や分析の方法を誤ることで、何の価値も生まないだけではなく、企業価値を逆に悪化させる介入施策へと、人事部が正当性を与えてしまうケースを見かけることが少なくありません。本講演では、学術研究やデータ解析結果、コンサルティング事例を紹介することで、企業価値に貢献する「人的資本経営×DX」のあり方について解説します。

―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。

人的資本経営の実現のためには、組織文化や上司のリーダーシップ、社員のエンゲージメント等の測定・分析を通して、それらを企業価値に貢献させる介入施策を明らかにすることが求められます。既に、サーベイやアセスメント・ツールによって、データを収集している企業も多いでしょう。

しかし、そこで収集したデータを、「体温計」のように組織の健康状態のチェックとしてしか活用していない企業が少なくありません。それらの企業は、課題の存在が判明したものの、介入施策自体をデータから導くことができず、また介入効果の検証も行えないため、結局「直感」や「経験」に頼りながら施策を実行し続けています。

さらに、一見すると「分析」らしきものを行うことを通して介入施策が導出されるが、企業個別のコンテクストを無視した分析であるため、効果を持たない施策、さらにはネガティブな影響を与えてしまう施策が導き出され、良い影響を持つかのような分析結果が示されてしまうこともあります。その結果、「客観的なデータを通して正当性が担保された施策だから正しいのだ」と、人事部が思考停止に陥ってしまうケースがあります。

本講演では、実際のコンサルティング事例におけるデータ分析の手法を紹介しながら、企業価値を破壊する「人的資本経営 × DX」と創造する「人的資本経営 × DX」の違いについて探求していきます。

―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

当社は、企業変革を多数行ってきたコンサルタントやデータサイエンティスト、経営学者などが参画しているコンサルティングファームです。大小さまざまな企業・組織に変化を生み出す仕事をしています。

また、「介入の科学」というテーマの下で、データサイエンス技術を用いたHRテクノロジー分野のスタートアップMaxwell's HOIKOROを経営しています。本講演に参加されると、人事施策の扱い方、経営や現場に対するスタンス、会社を変えるという難題に立ち向かうためのアプローチなどが見えてくるのではないでしょうか。

各企業の置かれた状況を踏まえながら、これからの人事部門のあり方を考え直すきっかけになればと思います。

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講演者プロフィール
前山 匡右氏(まえやま きょうすけ)
株式会社Consulente HYAKUNEN/株式会社Maxwell's HOIKORO CEO
電機メーカー、シンクタンクを経て創業。様々な分野の知見とコンサルタント、経営者として培った実践知を統合し、大企業の全社変革、新規事業創造、経営トップの育成など、難度の高い分野のコンサルティングを数多く実施。HRテック分野のスタートアップ株式会社Maxwell's HOIKOROのCEOを務める。

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