講演者インタビュー
三井化学が語る、D&I推進の体系的な取り組み
カギは「アンコンシャス・バイアス」の扱い方
株式会社チェンジウェーブ 上席執行役員
鈴木 富貴氏
「女性活躍疲れ」「ダイバーシティはもう十分」社内から聞こえるそんな声にどう対応すればよいのでしょうか。本講演のゲスト、三井化学様では、マンネリ化せずD&I推進を効果的に進めるために、複数年かけて体系的に取り組んでいます。浸透が難しいと思われていた工場での変化、リーダー人材への影響など、特にカギとなったアンコンシャス・バイアスのデータ活用と施策立案のポイントを交えてお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
人的資本経営に向けた情報開示の動きが本格化してきていますが、その土台にもなるダイバーシティ推進については抽象的でなかなかストーリーが作りにくいというご相談をいただきます。また、長年取り組んできた企業では「マンネリ化が不安」「もう飽きた、という声が挙がる」というお話もうかがいます。
ダイバーシティ推進は息の長い取り組みになるからこそ、組織内で納得感を伴って進めていく必要があります。単発施策の集合に終わらず、全体感を持って戦略を描くためには何が必要か、本講演では三井化学の取り組みをもとに考えたいと思います。
目に見える成果をどこから出していくのか、また、どの階層から進めてどのように広げるのか、など、効果的な進め方と共に、アンコンシャス・バイアスをはじめとした人材データ活用法も具体的に紹介します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
今回のゲストスピーカーである三井化学は、経営層のコミットを目に見える形で示し、効果的に施策の成果が出せるよう、体系的な取り組みを進めています。そのカギの一つはアンコンシャス・バイアス。組織のバイアス・データをもとに、登用に関して意思決定権を持つ部長層や、部下へのコミュニケーションに注意が必要となるライン長に対して施策を実行しました。
その結果、「ダイバーシティの意義が浸透しにくい」とされてきた工場で意識の変化が起き、リーダーに登用される人材にも変化が見られたそうです。複数年にわたる取り組みをどう進めるのか、どこに難しさがあったのか、ダイバーシティ推進のリーダーを担ってきた安井様に語っていただきます。皆さまに多くのヒントを持ち返っていただきたいと考えています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
当社ではアンコンシャス・バイアスの測定とラーニングによる可視化、組織診断を行っており、現在までに大企業で働く8万人ほどのデータを収集しています。本講演では、三井化学の事例はもちろん、当社が持つデータから、時流と共に変化した点や見えてきた課題をお伝えします。
また、ダイバーシティ&インクルージョンに必須となるマネジメントの変革、若手・女性への機会提供のポイントを挙げ、実効力ある解決策を考えていきたいと思います。
- 鈴木 富貴氏(すずき ふき)
- 株式会社チェンジウェーブ 上席執行役員
- 静岡放送で報道記者として15年間勤務後、退職、渡米。帰国後、ダイバーシティ経営企業・働き方改革の取材、社外メンター企画に関わり、静岡市男女共同参画審議委員を務めた。チェンジウェーブ参画後は組織変革、人材育成、異業種リーダー研修や無意識バイアスに関する講演・研修に取り組む。
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