企業人事部門
最優秀賞
執行役員 CHRO(最高人事責任者) 西田政之氏から 受賞のコメント |
選考委員の坂東眞理子氏より表彰 |
全メンバーの「個の力」を生かし 自律型組織を目指す取り組みとして、 高く評価されました |
優秀賞
当社には、「多様な価値観を重んじ、社員の成長を通じて会社の中長期的な成長へ貢献し、さらなる社員の成長につながる好循環を創り出す」という人材育成ビジョンがあります。そのために、自己の認識や価値観からの主体的なキャリア形成を意識することや、環境変化に適応しながら主体的に行動すること、継続的にキャリア開発に取り組めるようなキャリア支援を行う取り組みを推進しています。
また、キャリア開発の実行者はマネージャであるという原点に立ち戻った時に、マネージャは「チーム全員の能力を最大限に発揮させる役割を遂行する人的資源モデル」になるべきだと考え、キャリア指導ができる施策の展開に向け、人材開発部門としてさらなるサポートの強化が必要と考えています。
今後の課題は、時代の変化に伴う社員のキャリア観の変化に合うよう進化させ、常に時代にマッチするように維持することです。今回受賞した施策が、キャリア形成の人財育成に取り組む皆さまのご参考になれば大変うれしく存じます。
ヒューマンリソース部 キャリアコンサルティング・ディレクター 浅井公一氏から受賞のコメント |
選考委員の坂東眞理子氏より表彰 |
キャリアデザイン室が持つ知見をハンドブック化し 上司による部下のキャリア支援力を 高める取り組みとして、高く評価されました |
優秀賞
私たち富士通のパーパスは、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことです。
その実現に向けて2020年より、全社員13万人の変革プロジェクト「フジトラ(Fujitsu Transformation)」を開始しました。その中で最も大切にしたかったのは、社員一人ひとりの想いでした。
Purpose Carving®は自らが歩んできた道のりや大切にしていることを振り返り、未来に向けて個人のパーパスを彫り出し、言葉にする対話のプログラムです。現在、約7万人の社員がパーパスを言葉にし、変革や挑戦への原動力としています。
「Work Life Shiftの理念を日本企業へ広め、働くことが楽しい社会を創りたい」
「データが価値を生み出す環境を創り、お客様とチームメンバーとともに未来へ歩んでいく」など、自身のパーパスを言葉にすることでさまざまな挑戦が始まっています。
これからも私たちは、社員一人ひとりのパーパスと富士通のパーパスを重ね合い、より大きな力を生むことで、お客様と社会の持続的な発展に寄与し続けていきたいと考えています。
CHRO室 室長 森川学氏から受賞のコメント |
選考委員の坂東眞理子氏より表彰 |
社員一人ひとりが持つパーパスを 会社のパーパスと連動させて組織変革の推進力にする 取り組みとして、高く評価されました |
最優秀個人賞
- 中畑 英信氏
- (株式会社日立製作所 代表執行役 執行役専務 兼 CHRO)
- 受賞者の詳細はこちらインタビュー
日立は、2009年の経営危機を踏まえ、事業を大きく転換しました。人財戦略は、変革を支える経営戦略の一部として、「事業への貢献」をミッションに、グローバル共通人財基盤導入やDiversity, Equity& Inclusion推進、日本でのジョブ型人財マネジメントへの転換など、大きく舵を切っています。これらを、グローバルな人財部門約6,000名が一体となって、10年超にわたり継続して推進してきた点を評価いただいたことを、大変うれしく思います。
常日頃より、ともに働くメンバーに「実行力がカギである」ことと「変化を受入れ、視野を広げ、楽しむ」ことを伝えています。人財施策は、方向性が分かっても、一人称で実行しなければ達成は不可能であり、また外部環境の変化に常に目を向け、先の変化を見据えた長期アプローチができなければならないと思っております。
私自身も、こういった視点を意識しながら、日本全体の人事の取り組みを少しでも盛り上げていけるよう、尽力していきます。
日立製作所の事業転換を実現すべく、人事の仕組みを作り変えてきた中畑氏。HRカンファレンスにも登壇するなど、注目のオピニオンリーダーです。人事制度や組織、雇用などさまざまな面での改革を同時に実行し、日立製作所という大企業のグローバル人財戦略を推し進めた実績が多くの人事パーソンに評価され、受賞にいたりました。
1983年九州大学法学部卒。同年株式会社日立製作所入社。2000年日立アジアLtd.(シンガポール)出向。2008年グローバル事業本部経営企画部長、2011年10月国際事業戦略本部担当本部長、2012年7月インフラシステム社総務本部長。2014年4月執行役常務兼CHRO、2019年4月より代表執行役 執行役専務(現任)。
代表執行役 執行役専務 兼CHRO 中畑英信氏から 受賞のコメント |
選考委員長の守島基博氏より表彰 |
人事制度や組織風土の改革などによって 企業の変革を支え戦略の実効性を高めたとして、 高く評価されました |
書籍部門
最優秀賞
- 越境学習入門 組織を強くする冒険人材の育て方
- 著者:石山 恒貴、伊達 洋駆/出版社:日本能率協会マネジメントセンター
- 書籍の詳細はこちら
10年ほど前から徐々に広がり始めた「越境学習」という言葉。この言葉の昨今のより一層の広がりをうけ、我々は越境学習者の等身大の現実を知るためのプロジェクトを立ち上げました。
その結果見えてきたものは、越境学習者たちの葛藤、苦悩、そしてそれを乗り越えた成長と喜び。我々はこのプロセスを「冒険」と名付け、誰もがそれを経験できると考えて、「みんなの越境学習」という観点で本書をつくりあげました。
ワクワク、ドキドキしながら越境学習に一歩を踏み出すことは、個人と組織に大きな成長と変革をもたらすでしょう。そして、今回の受賞は、越境学習の促進団体、越境学習者、越境学習を取り入れる組織など、関係者すべてへのエールだと感じています。
このエールが、等身大の苦悩と喜びのただなかにいる越境学習の関係者をおおいに勇気づけることは間違いありません。さらにこのエールが、大きなうねりへとつながっていくことを願ってやみません。
著者 石山恒貴氏から受賞のコメント |
著者 伊達洋駆氏から受賞のコメント |
越境人材が組織にもたらす効果を人事に伝え 企業の変革を促した書籍として、高く評価されました |
優秀賞
- ジョブ型雇用社会とは何か――正社員体制の矛盾と転機
- 著者:濱口 桂一郎/出版社:岩波書店
- 書籍の詳細はこちら
去る9月23日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で講演を行った岸田文雄首相は日本企業に「ジョブ型雇用への移行を促す」と表明しました。この「ジョブ型雇用」という言葉をメンバーシップ型と対比させて最初に提起した濱口桂一郎さんの意図は、岸田首相が語るような、「これからの日本がめざすべき雇用モデル」ではありませんでした。
ジョブ型論への世の誤解を正すべく書かれた本書では、長年築かれてきた日本の雇用システムには、メンバーシップ型の発想や慣行がすみずみまで浸透しており、短兵急にジョブ型を接ぎ木してもうまくいくものではない、ということがくり返し論じられます。
時代の最先端というより、むしろ「反時代的」ともいえる本書を優秀賞に選んでくださった皆さまの慧眼に、心より感謝申し上げます。
制度改革を行う上で、従来の制度の利点はどこにあり、どこが欠点なのかを、深く理解することが不可欠です。多くの企業の現場で本書が活用されることを願ってやみません。(岩波書店)
著者 濱口桂一郎氏から受賞のコメント |
選考委員の八木洋介氏より表彰 |
ジョブ型雇用について人事の深い理解を助ける 書籍として、高く評価されました |
優秀賞
- LISTEN ――知性豊かで創造力がある人になれる
- 著者:Kate Murphy/翻訳者:松丸 さとみ/監訳者:篠田 真貴子/出版社:日経BP
- 書籍の詳細はこちら
本賞の受賞は、聴くことがいかに心身の健やかさを保つのに重要であるかが認識されたということだと思います。
聴くことで私たちは学び、チャンスを見つけ出し、意義深い人間関係を構築します。聴くことを理解することなしに、説得力のあるメッセージを作ることはできません。話し上手は聴き上手でもあります。
耳を傾けることで、自分の周りにいる人々や世界を、深く理解できるようになります。相手の意見に必ずしも同意しないとしても、相手の主張や、その信念の根底にあるものを理解できれば、あなた自身や人間関係、さらには人間性さえも輝くでしょう。
選考委員会の皆さま、本書に投票してくださった皆さま、そして素晴らしい日本語版を作成くださった日経BPや、監訳者の篠田真貴子さん、翻訳者の松丸さとみさんに、心からお礼を申し上げます。
監訳者 篠田真貴子氏から受賞のコメント |
翻訳者 松丸さとみ氏から受賞のコメント |
人事やマネジメントにおける「聴く」行為の重要性を 伝える書として、高く評価されました |
プロフェッショナル部門
人材採用・雇用部門 最優秀賞
- 株式会社ハッカズーク
- 退職者とのつながりを新たな資産に。アルムナイ特化型SaaS「Official-Alumni.com」
- サービスの詳細はこちら
ハッカズークは、アルムナイ(退職者)に特化したクラウドシステム「Official-Alumni.com(オフィシャル・アルムナイ・ドットコム)」やコンサルティングの提供を通じて、「退職で終わらない企業と個人の新しい関係」を実現し、退職による損失を無くします。
働き方は多様化し、終身雇用が一般的ではなくなってきているにもかかわらず、「退職者=裏切り者」という考えは長い間変化してきませんでした。
当社がサービス提供を開始した2017年からの5年間で、この考えは大きく変化し、今では多くの企業がアルムナイとビジネス連携をしたり、業務委託や再雇用を通じて再び一緒に仕事をしたりと、企業とアルムナイの双方にとってWin-Winの関係を構築しています。
大企業を中心とした数十社の豊富な導入実績から蓄積したナレッジをもとに、今後も多くの企業のアルムナイの取り組みを支援し、「辞め方改革」を実現してまいります。
代表取締役 鈴木仁志氏から受賞のコメント |
選考委員の水田正道氏より表彰 |
退職者と企業の関係継続を支援し個人や事業の可能性を 広げるサービスとして、高く評価されました |
人材採用・雇用部門 優秀賞
- パーソルキャリア株式会社
- データが採用を成功に導く、採用ターゲット作成サービス 「HR forecaster」
- サービスの詳細はこちら
当社は中途採用サービス「doda」により、多くの企業の中途採用を支援してきました。そこで蓄積した膨大なデータを社会に還元したいと考え、「HR forecaster」を提供しています。
「HR forecaster」はdodaが蓄積した100万件以上の転職データをマーケットデータとして提供し、データをもとに転職マーケットにマッチした採用ターゲットを作成できる無料のサービスです。
今まで転職市場のマーケットデータの取得手段は限られ、中途採用を行う企業は過去の実績やナレッジ頼りの手探りで行うしかありませんでした。そこで、「HR forecaster」は転職マーケットのデータを無償提供し、採用したい人材の年収、候補者数などを把握することで、データドリブンな採用活動を実現します。
「HR forecaster」が“多様な人材が活躍できる機会”を生みだす中途採用のさらなる発展の一助になることを願っています。
テクノロジー本部 サービス企画統括 サービスオーナー 石川悟氏から受賞のコメント |
選考委員の宮城まり子氏より表彰 |
蓄積されたデータを基に各企業に最適な 採用ターゲットを設定し採用活動を支援する サービスとして、高く評価されました |
人材開発・育成部門 最優秀賞
- コグニティ株式会社
- 1on1スキルをAI分析で可視化、上司の指導力を強化する「COG-COACH(コグ・コーチ)」
- サービスの詳細はこちら
コグニティは「技術の力で、思考バイアスなき社会を。」というミッションを掲げ、過去250社4万名以上へ、特許取得済のAI技術によるコミュニケーション改善を目的としたサービスを提供してきました。
昨今の1on1スキル向上のニーズに対応し、2021年11月にリリースしたのが「COG-COACH」です。以下の部下指導・コーチングに重要な要素を定量分析することで、上司の指導力や、組織力の向上に貢献します。
傾聴スキル:しっかりと部下の話を聞けているか
承認スキル:部下の考えに同意・共感ができているか
支援スキル:具体的なアクションを想起させているか
コグニティでは2013年の創業当初から、全社員がテレワークで従事し、場所や時間、経験や年齢・性別などにとらわれない働き方を推進しています。サービス開発と働き方の両面から、バイアスを取り除いたフェアな評価ができる社会への貢献を目指します。
代表取締役 河野理愛氏から受賞のコメント |
選考委員の宮城まり子氏より表彰 |
独自のAI技術で上司のコーチングスキルを分析し 指導力の強化につなげるサービスとして、 高く評価されました |
人材開発・育成部門 優秀賞
- 株式会社オトバンク
- 音声学習で耳のスキマ時間が社員教育に変わる。ビジネス書が聴き放題「audiobook.jp法人版」
- サービスの詳細はこちら
当社は日本最大級のオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」を運営しています。
創業の背景には緑内障で失明して本が読めなくなった祖父の存在があります。「耳でも当たり前に本を楽しめる世の中にしたい」という思いから2004年に当社を創業。 現在会員数250万人を突破し、多くのお客様にオーディオブックをご利用いただいています。
そして、今年1月末に法人向け聴き放題サービス「audiobook.jp法人版」をリリースしました。
研修やeラーニングの利用率が上がらない、成果が見えないといった人事部門の方が感じていらっしゃる課題。コロナ禍でリモートワークが増え、目を酷使している時代だからこそ、耳のスキマ時間を使って効率的に学びをインプットできることをご評価いただき、すでに70社以上の企業に導入していただいております。
今後も音声学習で、皆さまの組織の人材育成に貢献できるよう、尽力してまいります。
代表取締役会長 上田渉氏から受賞のコメント |
選考委員の宮城まり子氏より表彰 |
「聞く教材」により多忙な社員が効率的に 学ぶことができるサービスとして、高く評価されました |
組織変革・開発部門 最優秀賞
- 株式会社リンクアンドモチベーション
- 組織診断に意味はない 組織改善のためのエンゲージメントサーベイ「モチベーションクラウド」
- サービスの詳細はこちら
昨今、持続的な企業成長に向けて「人的資本経営」やその開示が求められています。刻一刻と変化するこの時代の中で、人材こそが企業価値の源泉にほかなりません。世の中における「良い会社」を定義づける指標は変わりつつあるのではないでしょうか。
モチベーションクラウドは、9,660社289万人以上のデータベースをもとに組織状態を診断し、従業員エンゲージメントを向上するクラウドサービスです。組織診断だけでなく、創業以来20年以上培ってきた組織人事コンサルティング技術をもとに、顧客の組織変革まで実現してまいりました。
私たちは、これからも「人的資本経営」を世の中のあたり前にすべく、モチベーションクラウドによってすべての組織に変革の機会を提供してまいります。
その先に、組織や個人が「夢」や「生きがい」によって、たくさんの意味をこの社会からくみ取っている状態こそが、私たちの実現したい社会です。
常務執行役員 川内正直氏から受賞のコメント |
選考委員の水田正道氏より表彰 |
データに基づく組織分析とコンサルタントの支援によって 組織変革を実現するサービスとして、高く評価されました |
組織変革・開発部門 優秀賞
- カゴメ株式会社
- 行動変容のきっかけ作りに最適!食生活の課題解決に手のひらから野菜摂取量を推定する「ベジチェック®」
- サービスの詳細はこちら
野菜摂取の見える化から、楽しく食生活改善、コミュニケーションの活性化に貢献!
カゴメは、創業以来120年以上にわたり、自然の恵みである野菜のおいしさや栄養を活かしたものづくりを強みとして、人々の健康や豊かな食生活に貢献してまいりました。
今回受賞した「ベジチェック®」は、手のひらをセンサーに約30秒押し当てるだけで、皮膚に蓄積されたカロテノイド量を測定。野菜摂取レベル、推定野菜摂取量の「見える化」を通じて、食生活改善に向けた行動変容のきっかけ作りを提供します。また、バランスの良い食生活への改善をサポートすることにより、職場や家庭内での食を通じたコミュニケーションの活性化にも貢献します。
今後は、「ベジチェック®」の数値を記録できる「野菜をとろう」アプリや、ベジチェックと組み合わせた新サービスも拡充してまいります。「日本の野菜不足をゼロにすること」を目指して、野菜不足の自覚、野菜摂取に関する意識の向上、野菜摂取への行動変容をサポートする健康サービスの提供により、健康寿命の延伸に貢献します。
東京本社 健康事業部 健康事業部長 相澤宏一氏から受賞のコメント |
選考委員の水田正道氏より表彰 |
社員の食生活改善を支援し生産性や働きがい向上に つなげるサービスとして、高く評価されました |
カインズは、中期経営計画「PROJECT KINDNESS」によってコーポレート・トランスフォーメーションを推し進めてきました。2022年はその最終年度として新たに人事戦略を策定し、改革を実行してきた背景があります。
新たな人事戦略のキーワードは、カインズの底流にあるDO IT YOURSELF(DIY)です。戦略名として商標登録した「DIY HR®」を旗印に、DIY思想を組織文化へも浸透させることで、個々のメンバーの自律と成長を促し、メンバーの自己実現と会社目標の達成の両立を目指しています。この「DIY HR®」は、DIY Career Path®、DIY Learning®、DIY Communication®、DIY Workstyle®、DIY Well-being® の五つの柱で構成され、各柱に紐づく圧倒的な数の施策を一気呵成に実行することで、メンバーに改革への覚悟を示し、行動変容を促しました。今回、皆さまから頂いた「DIY HR®」へのご評価は一時に過ぎず、中身の挑戦はむしろこれからと考えています。今後もグループ理念である「For the customers」の体現を目指して、人と組織のさらなるステージアップを目指して参ります。