株式会社スキルアカデミー 代表取締役CEO
前田 正彦氏
近年、タレントマネジメントを導入する企業が増えていますが、社歴やプロジェクト経験、研修履歴などの情報をデータベース化するだけのケースも少なくありません。タレントマネジメントを有効に機能させ、組織競争力の強化や評価・採用に活用するには、従業員に求める能力の定義を明確化した上で、個々人の能力を定量的に把握することが重要です。本講演ではその要諦を実例を交えてお伝えします。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
最近では、社員の能力を把握し、それにもとづいて戦略的な人事配置や人材開発を行い、組織競争力を高めることをねらいとしたタレントマネジメント(タレマネ)の導入が進んでいます。しかし、現状では単に社員の社歴やプロジェクト経験、研修履歴などの情報をデータベース化するにとどまっているケースも散見されます。
タレマネを有効に機能させるためには、まず能力の定義を明確にし、それにもとづいた各社員の能力レベルを定量的に把握することが極めて重要です。
本講演では、能力の定量的な把握により、組織競争力を強化するための要諦を、実例も含めてわかりやすく解説します。
タレマネを導入したけれども効果が上がらない企業、タレマネの導入を検討している企業の他、能力に対する公正な人事評価や社員が自律的に学習する仕組みづくりや、求めるスペックに合った採用を実現したい企業などにもお役に立つ情報やノウハウを提供します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
タレマネにおいて、社員一人ひとりの能力レベルを定量的に把握することのメリットは計り知れません。
まず企業サイドとしては、事業戦略にもとづき、社員に対して企業が求める能力レベルを、機能別・階層別に具体的に示すことができる点が挙げられます。これにより、社員それぞれが、求められる能力達成に向けて活動することで、組織競争力を強化できます。
また、社員も自分自身の能力レベルを把握できるようになり、会社の求める能力レベルと自分のレベルのギャップが明確になります。それにより社員が自発的にギャップ解消に取り組むことができ、企業側もコーチングや教育プログラムを提供し、社員全体の能力向上を実現できるようになります。
同時に、社員にとっては、具体的にどの階層においてどんな能力がどれくらいのレベルで必要となるかが明確に示されることで、キャリアパスが設計しやすくなると共に、「このランクに上がるためにはこの能力をこのレベルまで高める必要がある」といったことが明確化され、エンゲージメントの向上にも繋がるメリットがあります。
こうした取り組みは、組織が求める人材像を定量的に明確化することを意味しており、採用活動においても有効です。
そして何よりも客観的・定量的な能力の把握は、公正な人事評価に繋がり、評価結果を報酬で報いることで真の「プロフェッショナル組織」の実現が可能となるのです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
労働人口の減少、人件費・採用コストの高騰、「働き方改革」への対応など、人事を取り巻く環境は厳しさを増す一方です。その中で、社員に仕事を通じた成長を促し成果を創出してもらうサイクルを生み出せるかどうかが、企業の死活問題になっています。
こうした問題に対処するには、とおりいっぺんの社員の情報をデータベースで一元管理するだけでは不十分です。
私どもは社員一人ひとりの能力を高め、「プロフェッショナル組織」の実現をサポートすることで、日本の組織の競争力を高めていきたいと考えています。
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