Human Link Asia Pte. Ltd. Managing Director
濱 健一郎氏
海外に拠点を設立して日本から駐在員を派遣し、同時に現地で社員を雇用してオペレーションを開始した企業や、海外での経営が本格化した一方で人事面の整備が追い付いていない企業は少なくありません。本講演では、現地と本社双方で直面する人事課題とその対応策について、海外に多くのグループ会社を有し、さまざまな事案に取り組んできた三菱商事の事例を基に、アジアの最新情報なども織り込みながら具体的に解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
海外への事業展開を本格化させた企業はさまざまな人事課題に直面します。
典型的な例としては、現地スタッフの採用がうまくいかない、給与や賞与制度をどのように設計すればよいかわからない、優秀人材・幹部候補がすぐに辞めてしまう、などの現地での課題です。それに加えて本社においても、現地企業を経営できる人材(駐在員)の育成、現地企業へのガバナンスとサポート、あるいは異なる国に展開している場合の拠点ごとのバランスが問題になることもあります。
解決に際しては、駐在員は人事の専門家でないことが大半で、また本社側では現地で何が起きているか、何が求められているか明確でないケースもあり、有効な対策の立案・実行に悩まれている企業も多いと思います。
今回は、そうした海外事業展開のステージにある企業の皆さんが直面されているさまざまな人事上の課題に対して、解決のヒントとなるような事例をご紹介したいと考えています。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
興味をお持ちいただけるポイントは、三菱商事グループにおける生きた事例だと考えています。
ヒューマンリンク、ヒューマンリンク・アジア(以下当社)の親会社である三菱商事は、多くのグループ会社を海外に有し、その設立・経営に日々携わる中、当社は人事面からサポートする役割を担っています。具体的には、海外事業会社の設立、現地スタッフの採用、給与・賞与制度・評価制度の設計・導入や、本社側での駐在員制度の設計や本社主導による施策の企画立案などです。
とは言っても、決して先進的な取り組みを行っている訳ではなく、日々さまざまな課題に直面し、泥臭い試行錯誤を繰り返しながら、よりよい解決策を模索している状況です。
その一方で、当社では三菱商事以外のクライアントの人事課題解決のサポートを依頼いただくケースもあります。当然ながら業種業態に応じて課題はさまざまではありますが、事業展開のステージによって一定の共通課題に各社が悩まれていることもあり、そうしたケースでは当社がこれまでに取り組んできた経験を課題解決に活かしていただける場合もあります。
こうした背景から、海外展開に伴う人事課題の解決にあたり、本社側・現地側でそれぞれ取り組むべき施策について、可能な限り実際の事例にもとづいてご紹介したいと考えておりますので、海外展開に取り組み、日々悩まれている人事部門の皆さまの課題解決の一助となれば幸いです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
当社の講演に興味をお持ちの人事部門の皆さまの多くは、自社の海外への事業展開にあたっての人事課題に日々頭を悩ませていると思います。
しかし、それと同時に海外拠点では、多くの駐在員が日本では携わる必要のなかった多様な課題に直面する必要性に迫られており、周囲からのサポートを必要としています。
海外への事業展開を成功させる一つのカギは、本社人事部門と現地駐在員が連携し各種課題解決にあたることであると当社では考えています。
今回の講演では、それぞれの立場から多角的に問題を捉え、明日からのビジネスの現場で活かせる具体的な事例をご紹介できればと考えております。
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