株式会社グロービス グローバル・エデュケーション ディレクター/主任研究員
池田 新氏
グローバル人材育成の二つの大テーマである「日本人駐在員育成」と「海外ローカル人材育成」。本講演では、それぞれの育成現場に精通している人材開発責任者お二人をお招きし、育成プログラムの企画・運営の難所とそのクリアの仕方について、具体的にうかがいます。また、理念浸透やインクルージョンなど、グロービスがかかわった他の事例も併せてご紹介します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
海外事業・拠点で活躍できるリーダーをどのように育成していくべきか。人材開発責任者の頭を悩ます大きな課題です。
一般的に企業がグローバル化する初期段階では、本国本社による中央集権的なマネジメントの下、海外赴任者を進出国へ派遣し拠点マネジメントを行います。第二段階になると事業の現地化が進み、意思決定も現地人材中心の地域拠点マネジメントが進みます。第三段階は、全社全機能レベルでのグローバル人材の適材適所化です。
しかし、このパターンはあくまで一例にすぎません。グローバル化への道のりは、企業が属する産業の特徴や、企業の成長ステージ、進出国の経済発展ステージなどさまざまな要素の影響を受け、個々の企業によって全く異なります。
本講演では、そのような複雑性・多様性の中で、「海外事業で活躍できる日本人をどう育成していくべきか」「海外拠点のマネジメントを担う優秀なローカル人材をどう育成・登用していくべきか」といった具体的論点に触れていきます。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
注目すべきは、実際にその研修をグロービスと作り上げたクライアントの企画責任者の方々の生の声です。
一人目は、ヤマハ株式会社音響事業本部の宮奥健吾氏。同氏と3年にわたり取り組んでいるのが、海外赴任予定のマネジャー層人材の育成です。将来駐在員として活躍を期待する人材を選抜。日本語でクリティカルシンキングを磨いた後、英語でのビジネスコミュニケーションの基礎教育から実践的なネゴシエーションスキル強化までをカバーするチャレンジングなプログラムを実施しています。同氏には、プログラムを通じた社員の成長、変化について語っていただきます。
もう一人は三菱電機株式会社人事部国際人事グループの永易大輔氏。同氏とは、海外子会社のローカル人材を対象にした、拠点長育成研修に3年間取り組んでいます。多様な事業群を抱え、かつ事業ごとにグローバル展開状況も異なる同社において、「三菱電機らしさ」という共通項を持った、各事業の拠点経営を任せられるリーダーをどのように育んでいくべきか? 海外拠点人事と本社人事部、両方の経験を踏まえつつ、その取り組みについて語っていただきます。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
今回ご登壇いただくパネリストの二人は、それぞれ海外駐在経験があり、グローバルな仕事の最前線に精通されています。一方、人事の方には駐在経験がないが故に、有効な研修が企画できていない方も多いでしょう。本講演では、そんな話題にも触れたいと思います。
人材開発は時間の掛かる仕事です。一方、デジタルトランスフォーメーションの進む世の中では、スピードが死活問題です。人材開発の現場に携わる皆さまには、そんな時間差を見越し、いかに先手を打っていくかが求められております。自社のグローバル化を人材面からスピーディに牽引(けんいん)していくためにも、本講演をご参考にしていただければ幸いです。
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