東京都 女性の活躍推進加速化事業研修講師
熊野 英一氏
国を挙げて進める女性活躍推進も働き方改革も、目指しているのは「生産性向上」です。職場内では、対人関係改善に取り組み、心理的安全性を確保することで、生産性が向上することが科学的に証明され始めています。改革の成功の秘訣(ひけつ)は、「働く人を主役」にすること。女性活躍を本格的に推進したいと考えている企業のTOPや人事担当者に向けて、アドラー心理学の視点からポイントを解説します。
―― 今回の貴社講演はどのような課題をお持ちの方向けの内容でしょうか?
2019年6月に女性活躍推進法の改正法が公布され、これまで従業員301人以上の企業に義務付けられていた「一般事業主行動計画」の策定や届出が、従業員101人以上の中小企業にも義務付けられることが決定しました。
女性活躍推進の取り組みは、今後、大企業だけでなく中小企業も本格的に取り組まなければならない課題であり、従業員の採用・定着に大きく影響します。労働人口減少のなか、優秀な人材の確保を図るには、社員一人ひとりが働きやすく、活躍できる「企業風土作り」が大切です。しかし、改革の必要を感じながらも、何から取り組めば良いのか、社内で改革の意識が浸透しないと悩んでいるご担当者も多いのではないでしょうか。
今回、東京都の「女性の活躍推進 加速化事業」の研修講師で、アドラー心理学のプロフェッショナルである熊野講師より、「働く人の幸福追求」が女性活躍や働き方改革を加速させ、企業の生産性をあげている成功事例を交え、そのポイントを解説します。
―― 今回の講演の聞きどころ・注目すべきポイントをお聞かせください。
アドラーが100年前に唱えた、対人関係コミュニケーションの本質とは何か。
この温故知新の気づきを得られる内容が、今回の講演のポイントです。登壇する熊野講師の専門は「アドラー心理学」です。「アドラー心理学」は社会を構成する個人が、自尊感情を高く持ち、共同体感覚あふれる行動を主体的に選択することを求めます。
しかしながら、いまの日本社会はこの自尊感情が著しく低下しているといわれています。例えば、2019年に国連が発表した最新の「幸福度ランキング」では、日本は156ヵ国中58位、前年の54位より4つ順位を下げました。
また、2000年には、国民1人当たりの「GDPランキング」では世界第2位だったものの、2010年には18位、2018年は26位と、先進国で唯一、急激な下落傾向を見せています。日本の生産性が低下していることは、これらのデータから明らかですが、その背景の一つとして、日本人の「自尊感情」の低さが要因となっています。
本講演では、女性活躍推進や働き方改革でも、その成功の秘訣は「働く人を主役」にすることの重要性をお伝えします。 「働く人の幸福追求」が、働く一人ひとりを生き生きと活躍させ、職場の人間関係改善に取り組み、従業員の心的安心が生まれる企業風土を作ることが、企業の生産性アップに繋がることが科学的にも証明されはじめている点をご紹介します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
今回、アドラー心理学のプロフェッショナルである熊野講師をはじめ、東京都では専門家や社労士を講師に迎え、女性活躍を推進しようとしている企業向けに5種類の研修を実施しております。
これから女性活躍に取り組む企業向けにその必要性や重要性を解説する「スタートアップ研修」、行動計画策定の実務をサポートする「フォローアップ研修」、実行に向けた課題を解決する「スピードアップ研修」、マネジメントやコミュニケーションスキルを学ぶ「男女従業員向けのキャリア研修」などです。特に中小企業で女性の活躍を推進しようとしている経営者や人事におすすめです。ご参加お待ちしています。
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