株式会社グローネス・コンサルティング 取締役営業部長
内藤 広宣氏
本来、OJTは職場全体で行われるべきものです。しかし現実は、トレーナーに新人育成を任せっぱなしにしている、新人研修とトレーナー研修が繋がっていない、上司が育成に協力しない、などの声をお聞きします。トレーナーのみならず、職場全体への施策が必要なのです。本講演では、主にトレーニー向けの施策を取り上げながら「育成があたりまえ」という文化をどのように醸成するかを考えます。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
「OJTトレーナー研修を実施している。上司への説明会もやっている。週に一度の面談や、月に一度のレポート提出といった制度も整えた。だがそれでも、トレーナーや新人からの悩みの声が尽きない」
グローネス・コンサルティングは、20年以上にわたってOJT関連のサービスを提供してきました。制度を整え、トレーナー研修を実施しているのに、どうも現場の育成がうまく行かないようだ、という声をお聞きします。
あるいは、もっとより良いやり方はないだろうか、という意欲的な声もお聞きします。いずれにしても、現在のOJTの在り方が完璧で、もう手を加える必要はないという声はなく、どの企業も「何らかの改善、新たな施策」を求めています。
そうした声にお応えするため、本講演では現在のOJT制度を俯瞰しつつ、手を加えるべき部分として「トレーニー向けの施策」をご提案いたします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
これまで弊社は一貫して「育成文化の醸成」を目指し、OJT関連のサービスを提供していまいりました。人材育成の本質は「仕事を通じた持続的な育成(OJT)」にあり、そのためには組織ぐるみで全方位からの育成が必要と考えているからです。
そうした考えのもと、事例発表やOJT制度、トレーナー研修など、いずれも「育成する側」の施策をご紹介してきました。ですが今回は、同じOJTでも少し切り口を変え「育成される側」について考えていきたいと思います。
そもそも、企業は学校ではなく営利組織です。たとえ新人でも社会人である以上は「育ててもらう」のではなく、「自ら成長する」という姿勢が求められます。学校では、科目が決められ、教師が年間スケジュールを組んでいました。小学校のころに「勉強」という成長の仕方を教えられ、ペーパーテストという定点観測で成長度合いを測ることができました。しかし、企業では違います。学生から社会人になるということは、「成長の定義と仕方」が変わったということです。これを教えなければなりません。
多くのOJT研修は、新人育成に悩むトレーナーに向けて行われています。ですが、後輩育成とは一方向ではありません。OJTが上手くいかないのは、指導される側にも原因があります。本セッションでは「指導される側」、つまり、トレーニー向けの施策を提唱します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
2018年のHRカンファレンスでは、働き方改革の一環として、プレイヤー業務とトレーナー業務をどのように両立させるかという切り口で、トレーナー向けの施策をご紹介しました。
その際、「それではトレーニー向けには何ができるのか?」という声を複数いただいたことから、今回は「育てられる側に向けた取り組み」をご提案したいと思います。
OJTは企業内人材育成の基幹であり、それだけに常に課題が浮上するものでもあります。本セッションのメッセージは、OJTの課題解決に向けた「一つの考え方」です。自社では、どのようなOJT上の課題があるかをある程度考えておいていただけると、より内容が理解しやすくなります。
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