株式会社スキルアカデミー 代表取締役会長
佐久間 陽一郎氏
成果主義人事制度を導入はしてみたものの、結局導入コストや運用の手間ばかりがかかり、思ったような成果が出ていない企業は少なくありません。その原因は、既存の制度を一部残したままの不完全な形での成果主義となっているケースや、運用が複雑すぎて形骸化しているケースなど様々です。本講演では、必ず効果が出る成果主義の導入方法とその事例を紹介します。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
バブル経済の崩壊以降、従来型の年功序列の日本型人事ステムを改め、成果主義人事制度の導入が叫ばれて20年以上が経過しました。ある調査によると、従業員1,000人以上の企業の80%以上が、何らかの形で成果主義を導入しているというデータもあり、表面上は成果主義の導入が進んでいるように見えます。
しかし、一方で成果主義を定着させ、当初のねらい通りの効果を出している実例は、残念ながら極めて限られているのが現状です。
本講演は、成果主義を導入してみたけれどうまく運用が定着しない、思った通りの効果が出ていない、逆に社員の不満が増大してしまった、といった課題をお持ちの企業に対し、どこに制度導入の落とし穴があるのかを明確にして解決への糸口を提示します。また、これから成果主義を導入しようと考えている、成果主義を導入したいけれどその効果に疑問を抱いている企業の方には、導入の要諦をわかりやすくお伝えします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
成果主義を導入したけれども効果が上がらない原因はいくつか考えられます。まず一つは、成果主義の本質論を理解せずに、一部既存の人事制度を残したまま不完全な形で成果主義を導入しているケースです。成果主義で効果を出すためには、職務を定義し、その成果を公正に評価することに加え、各職務に求められる能力の定義とそれに対する公正な評価を実施し、それらを報酬と結び付ける仕組みが必要です。こうした仕組みができていない、または一部既存の仕組みのまま運用されている場合は絶対に効果が出ません。私が見る限り、成果主義を導入している企業の多くはこの「不完全な成果主義の導入」状態にあると考えています。もう一つは、莫大なコンサルティング費用をかけて導入をしたものの、組織変更への対応を含め運用が難しく手間がかかり、結果として社内に浸透せずに形骸化しているケースです。これは特に大企業で多く散見されます。一例として、成果主義では成果責任の定義と毎年の成果目標の設定と評価が成功の鍵となりますが、これが非常に難しいのです。きちんと運用するには研修などによる教育が必要です。また紙やエクセルによる運用の負荷もかなり大きいのが現状です。私どもは、こうした成果主義の諸問題を解決するサービスとしてAI人事4.0を開発しました。本講演では、AI人事4.0による解決策とその最新事例について紹介します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
労働人口の減少、人件費・採用コストの高騰、「働き方改革」への対応など、人事を取り巻く環境は厳しさを増す一方です。その中で、社員に仕事を通じた成長を促し成果を創出してもらうサイクルを生み出せるかどうかが、企業の死活問題になっています。こうした問題に対処していくには、これまでの日本型人事制度ではもう限界でしょう。今こそが「職務の成果」と「職務に求められる能力」を公正に評価するという意味での、本当の成果主義を導入する最後のチャンスだと思います。私どもは本気で成果主義を導入する企業を徹底的にサポートすることで、労働生産性の抜本的改善の道を拓き、日本の会社社会に真の働き方改革をもたらしたいと考えています。
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