株式会社リクルートマネジメントソリューションズ HRアセスメントソリューション統括部 主任研究員
荒金 泰史氏
メンタル不調、若手の早期離職、ハラスメント等、企業の存続を脅かしかねないトラブルの増加。メンバーマネジメントの難度は、かつてないほど高まっています。一方、正解の無いビジネス環境で勝機を見出していくのも、またヒトにしかできないこと。メンバーマネジメント・人材活用の巧拙が、企業の生き残りを左右する時代です。その矢面に立つ現場マネジャーに、人事は何ができるのかを検討します。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
昨今、企業人事とお話していると、メンタル不調、若手の早期離職、ハラスメント等のトラブルが増えているとおうかがいします。これらの根底にあるのは、マネジャーとメンバーの”すれ違い”です。「メンバーの多様化」や、タイムマネジメント等による「職場コミュニケーションの希薄化」が進んでいる中、メンバーマネジメントの難度はこの1年ほどで、飛躍的に高まっています。1on1を導入する企業が増えているのも、そういった危機感がどこかにあるからではないでしょうか。
一方で、人事に目を向けると、メンバーマネジメントの”やり方”は、現場マネジャーの自己流に任せっぱなし、あるいはコーチング研修などをやりっぱなしになっていることが多いように感じます。マネジメントの難しさが増している昨今だからこそ、人事が現場マネジャーに対して行うべき支援とはどのようなものか考えるべきではないでしょうか?
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
今回の講演の主眼は
・より効果的な現場マネジャー支援のあり方
・特にメンバーマネジメントをどうサポートするか
の2点です。
現場マネジャーに向けてメンバーマネジメントに関するインプットを行おうとすると、「ただでさえ忙しいのに、なぜそこまでやらないといけないんだ」という声が挙がってくることが常でした。しかし「支援」を行おうというのに「反発」を食らっている時点で、そのアプローチはうまくいっているとは言えないのではないでしょうか。人事が「メンバーのことを気にかけて」と言えば言うほど、現場が聞き流すようになっていくのでは、望む成果を得ることは到底難しいように感じます。
この難題に向き合うひとつのカギが「対話」です。
昨今、いわゆる”診断型組織開発”への警鐘と同時に、”対話型組織開発”への注目が集まっています。この対話型組織開発は、経営学・組織論の立場からも、イノベーション生成のポイントとして着目されているアプローチでもあります。
今回の講演では、経営学・組織論のアカデミックな理論のトレンドと、それらが現場のマネジメントシーンでどのように実現されていくことが望ましいのか/どこに課題があるのか、それらを促していくために、人事は今までと何を変えればいいのか、どこまで変えればいいのかを整理していきます。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
VUCAという言葉に象徴されるように、経営やビジネスの正解が見えづらく、昨日有効に機能していた戦略や技術・体制が、明日には全く通用しなくなってしまう危機感が企業に溢れています。経営においてこれだけ正解が持てないこの時代に、人事のあり方や、人と組織の生かし方がこれまでと一緒でいいとは考えづらく、皆さまも日々、悩まれていることと存じます。
これまでのやり方、これまでの人事のあり方を見つめ直し、時代に即した組織運営、人材活用をしていきたい。そんな志を持った皆さまと、共に考える機会にできればと考えています。
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