――　今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

いろいろな企業の人事担当や経営者の方々にお話を伺って感じるのは、「不機嫌な職場風土」の組織が多いということです。コミュニケーションが悪い、挨拶しない、自発的な行動が少ない、協力が少ない、上司が強くて萎縮している、業務多忙で元気がないといった状態です。

今回のワークショップでは「働く人がなんでも言い合い、協力する活力ある職場――『ご機嫌な職場』」づくりのために必要なステップをご紹介します。すなわち(1)安心安全な場作り、(2)お互いを知る、(3)共同作業、(4)自己探索（内省）、(5)相互率直なフィードバック、(6)共通のビジョン作りなど、組織変革、チームビルディングの基本ステップについてご説明し、実際に企業内でトレーニングを行う場合のエクササイズ（実習）を体験していただきます。

心理学的手法で自己分析、内省し、また他の参加者からは自己の特徴についてフィードバックをもらうので、チームビルディングやリーダーシップ開発にも非常に有効な内容となっています。

今年の12月から労働安全衛生法が変わり、50人以上の組織はストレスチェックを専門家から受け、メンタル疾患を事前に予防するようになります。いかに従業員のストレスを減らし、意欲が高く協働性の高い職場にするかは、組織の人事部門にとって重要課題です。このワークショップは、そのためのヒントになることでしょう。

――　貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

私はもともと、富士フイルム株式会社で組織開発やリーダーシップ強化のトレーニングを行っていました。30年以上交流分析を学び、さらに学習する組織などのチームビルディング、コーチング、ゲシュタルト療法を国内外で学び、企業研修に生かしています。企業研修の特徴は(1)安心・安全な場をつくるので参加者の自発性が誘発される、(2)交流分析の手法で自己分析を行うので自己の心理、行動の特徴が早くわかる、(3)身体、感情レベルで自己内省するので、気づきレベルの質が深くなる、(4)参加者相互の気持ちの共有がされ良いムードのチームになる、(5)交流分析の手法を使って、安全に率直に相手に感じていることをフィードバックしあうことで風通しの良い雰囲気になる、(6)目指すす旗が共有され迅速な協力関係ができる、などです。　いずれにせよ、組織の現場の声をよくお聞きし、組織の実態にあった強化プログラムを提供しています。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

本ワークショップでは、組織開発・チームビルディングとリーダーシップ開発についての理論や実例に関する講演も行いますが、中心となるのは参加者自らが参加される実習（エクササイズ）です。参加者の皆さまの気持ちがひとつになるように、自分の心境を他の参加者の方々の前でシェアしたり、自己分析を行ったり、自分のリーダーシップスタイルに関する他の方からのフィードバックを聞いたりするなど、さまざまな体験をしていただきます。人事担当者として、また職場のリーダーとして、非常に貴重な体験ができると思いますが、知識を得たいだけという方は参加を見合わせたほうがよろしいかもしれません。皆さまのご参加をお待ちしております。