講演者インタビュー
特性検査の重要性 ~10年後20年後に我が社を背負っていく人材の発掘方法~
未来検査研究所 心理統計アドバイザリー・フェロー wealth share株式会社 代表取締役社長
鈴木 智之氏
採用検査を用いる目的は、我が社における将来の活躍可能性を見極めることです。講演の前半は様々な事例も交えながら検査に関する科学的見地からのお話を。後半は求める人材をモデリングし、個々の活躍可能性を測定・可視化することで、採用・教育・適材配置等、組織のパフォーマンス向上に成功している株式会社モリタの村西氏をゲストに、企業における特性検査の効果的な活用法についてお話します。
(協賛/未来検査研究所[株式会社レイル])
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
早期離職、滞留人材の増加、次世代幹部候補欠如の原因は、採用戦略にあるとも言えます。人が人の将来の活躍度合いを見極めることは難しいからこそ用いられているはずの採用検査なのに、「高価な占い」になっていませんか?
採用特性検査は、将来の活躍度合を完全ではないにしても、ある程度の確率で見極めることを主な目的として実施されています。「予測的妥当性」が担保されない検査結果を採用合否の参考にしている場合、多額の費用をかけて、目的と逆行する検査を実施していることになりかねません。
市販の一般的な検査は日本国内など非常に幅広い対象者のデータをもとに開発されている場合があるため、必ずしもそれらの尺度が自社に適合するとは限りません。大学卒の就職希望者が年間数十万人いる中で、自社が採用する人数がいかに小さいかということです。小さな標本が大きな標本の性質を継続して有しているとは限らず、むしろ疑問を持つべきと言えます。
したがって、本来は、他社でなく自社にとって必要な人材の特性とは何か、予測的妥当性の検証のもとに識別し、その特性を採用選考試験で検査として測定すべきなのです。しかし、予測的妥当性の検証が不十分なままに毎年度、同じ市販検査を使用している例をしばしば散見します。
予測的妥当性が担保された未来の検査とはどのようなものか、採用から人材マネジメントに成功されている導入事例と共にご紹介いたします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
レイルは、コンピュータを利用して実施するテストの開発や運営に豊富な実績を持つ、テスト専門事業者です。採用や人材活用面でのミスマッチを解消する目的で未来検査研究所を設立、各専門家と共にMARCO POLOを開発、提供しています。採用の質と効率を高めたい、人材の実態を分析したい、適正配置や抜擢の精度を高めたい、次世代幹部の候補者をリストアップしたいなど、幅広いご要望にお応えしています。
また、私は、未来検査研究所の心理統計アドバイザリー・フェローであると共に、wealth share株式会社代表取締役として、多くの企業へ心理統計学を用いたサービスを提供中です。東京工業大学にて研究を行い、博士(工学)を取得の上、現在は慶應義塾大学大学院にて助教(有期・研究奨励Ⅱ)(非常勤)を兼務しており、学術研究と企業実務の両面から採用検査の本来の用い方を解説します。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
「検査上の高スコア者が必ずしも入社後にフィットしないというジレンマ」はありませんか? 求める人材要件をモデリングできない採用検査でこのジレンマを消すことはできません。前半は、採用検査の意義と妥当性、活用方法などについて既記ポイントをお話しいたします。
後半はこのジレンマをずっと感じてきたと言われる、株式会社モリタの村西氏に、採用時に活躍人材を見極めるだけではなく、教育・適材配置の精度を高めていく上で、MARCO POLOがどのように役立っているのかをお話しいただきます。(モリタ様では、社員約700名の活躍可能性を可視化し、それらデータを蓄積・マネジメントされています)
- 鈴木 智之氏(すずき ともゆき)
- 未来検査研究所 心理統計アドバイザリー・フェロー wealth share株式会社 代表取締役社長
- 博士(工学)。慶応大学大学院助教(有期・研究奨励Ⅱ)(非常勤)兼務。慶応大学卒業、東京工業大学大学院博士課程修了。著書に「ケーススタディ:優良・成長企業の人事戦略 第5章」(税務経理協会、2015)、論文に「採用選考面接の予測的妥当性の実証分析 -国内A社を事例として」日本労務学会誌、2013等。
「日本の人事部」「HRカンファレンス」「HRアワード」は、すべて株式会社アイ・キューの登録商標です。
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