講演者インタビュー
「世界で勝つためのグローバル人材戦略~日本企業の課題とは」
株式会社アイ・シー・シー 代表取締役社長
千田 潤一氏
国を超えた企業活動が当たり前の時代を迎え、国際競争力を高めるには世界で勝つための人材戦略づくりが急務となっています。英語力不足や企業文化の違いなどで進ちょくの遅れが指摘される日本企業もそのうねりから逃れられません。日本の産業界におけるグローバル人材育成の現状や課題、処方せんについて、今すぐ役立つヒントがつまったパネル討論を展開します。
(協賛/ GlobalEnglish 日経版)
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
千田:「グローバル人材」の育成に力を入れる企業は増加する一方ですが、多くの企業が「グローバル人材」について「英語も仕事もでき、人間性も素晴らしい完璧な人間」と定義しているようです。完璧すぎるイメージが独り歩きしているがゆえに「グローバル人材の育成は難しい」と人事担当者の悩みは深くなっています。もっと現実的な定義にしたうえで、その育成に取り組むほうが良いでしょう。
そもそも、必要とされるグローバル人材の定義は企業ごとに違うはずです。どのような人材が必要か、各企業内で地に足のついた議論を重ねる必要があります。私自身は、これから世界で活躍できる人間に必要な要件として(1)仕事力、(2)母国語でのコミュニケーション能力(人間力)、(3)英語力の三つが重要だと考えています。英語は帰国子女のように流暢である必要はありません。トラブルや難しい交渉も含め、きちんとコミュニケーションがとれれば十分です。
私が懸念しているのは「グローバル人材」が単なる「はやり言葉」で終わってしまうことです。かつて「国際人」という言葉がよく使われましたが、今ではまったく聞かない。「グローバル人材育成」のうねりを一過性にしないためにも、各企業が達成可能な目標を立て、その達成に向けて努力することが重要です。今回のパネル討論が、現実的な「グローバル人材像」を描くための一助となれば幸いです。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
千田:私は「GlobalEnglish 日経版」を扱う会社の人間ではありませんが、英語教育のスペシャリストとして、同商品の強みや特徴についてコメントしたいと思います。「GlobalEnglish 日経版」の一番の強みは、日本人のために速度を遅くしたり聞きやすくしたりせず、実際に英語圏などで話されている「本物の英語」を使っていることでしょう。これはさまざまな国の英語が出題される、TOEICなどの試験対策にも有効です。
また、仕事でよく使うメール文章のひながたを多数用意するなど、ビジネス英語に特化しているのが特徴です。新聞社が手掛ける英語教材だけあって、時事英語の問題も充実しています。時事英語はテーマ別の語いが一気に増えたり、使い方が覚えられたりするほか、話題の在庫が増え、友だちづくりにも効果的です。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
千田:会社側が社員に英語力をつけさせようとしているのに、「社員に意欲がない」という問題が深刻になっています。人事担当者の皆さんにとっては、(1)やる気アップ(学習意欲を高める)、(2)フォローアップ(学習を継続させる)、(3)パワーアップ(実践的な英語力の習得)の3点が不可欠で、これらを実現できる仕組みづくりのために今回のパネル討論を生かしていただきたいと思います。昨今、昇進の条件に英語力を掲げる企業が多く「英語がネックで昇進できない社員を助けてほしい」という依頼も増えています。「英語難民」の救済を自らのライフワークと考えている私としては、英語との楽しい付き合い方を知るきっかけにしてほしいと願っています。
- 千田潤一氏(ちだ じゅんいち)
- 株式会社アイ・シー・シー
代表取締役社長 - 1948年岩手県生まれ。タイム、AIU、TOEICを普及する国際コミュニケーションズを経て現職。著書は、50万部を超すベストセラー「英会話・ぜったい・音読」シリーズ(講談社インターナショナル)など多数。取得資格は、通訳案内業国家試験、英検1級、国連英検特A級など。テレビ、セミナーへの出演多数。
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