65歳雇用義務化時代の人事戦略
~40代から始める、シニア社員のキャリア開発支援~
株式会社ライフワークス 代表取締役社長
梅本 郁子氏
役職定年後の役割変化、その後のモチベーション維持、雇用延長を希望する社員の増加など、シニア社員をめぐる問題が企業に及ぼす影響は大きくなっています。本講演では、シニア社員が主体的にキャリアを考え、いきいきと働き続けるために、40代から取り組むキャリア開発支援策をご紹介します。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
梅本:2013年4月の高年齢者雇用安定法の改正により、企業に対して希望者全員を65歳まで雇用することが義務づけられました。これにより、全社員に占めるシニア社員の割合が高まり、シニア社員の果たす役割や会社貢献が重要視されるようになりました。役職定年後から定年までのモチベーションの維持や、雇用延長を希望するシニア社員の活用、人件費の増大など、シニア社員をめぐる問題を重要な経営課題としてとらえる企業が増えています。
残念ながら多くの50代シニア社員には、このような会社の問題意識との間にギャップがあるのが現状です。会社主導のキャリア形成に身を委ねてきた50代シニア社員たちに、これからは個人が主体的にキャリアを考える“キャリア自律”へと意識を転換をしてもらう必要があります。
また、シニア社員のキャリア自律支援をお手伝いして思うのは、早い時期からキャリア自律支援に取り組むことが効果的であるということです。例えば、40代にキャリア自律支援研修を受講することによって、自己効力感が高まり、前向きにキャリア開発に取り組み、50代以降のキャリア自律の大きなエネルギーとなります。
講演では、50代シニア社員をめぐる人事上の課題とその対応策について整理したうえで、「キャリア自律支援研修」を中心に、企業の導入事例を交えながら、効果的な50代シニア社員のキャリア自律支援策についてご紹介します。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
梅本:当社は、2000年に設立し、株式会社リクルートよりライフプラン研修「ステップアップ研修」の業務移管を受け、中高年社員向けキャリアプラン・ライフプラン研修を提供する会社として設立しました。
「ステップアップ研修」から通算すると30年以上にわたって、中高年社員のキャリア開発支援を通して、企業の人材開発のお手伝いをしてまいりました。急速に変化するビジネス環境下で、キャリア開発の主体は会社主導から、個人主導へと変わりつつあります。40代、50代社員が主体的にキャリアを考え、一歩踏み出すことを促進する、キャリア自律支援サービスを提供しています。
さらに、昨今は中高年社員にとどまらず、“ダイバーシティ”に事業領域を拡大し、女性社員や仕事と生活の両立支援などの研修サービスも提供しています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
梅本:65歳雇用義務化時代を迎えて、シニア社員活用の問題は企業の喫緊の課題になりつつあります。シニア社員には、働く個人がキャリアを開発する時代に変わったことを認識してもらうことが何より大切です。そして、これはシニア社員に留まらず、すべての年代の社員に共通する“キャリア自律”の基本方針と言えます。
今回の講演は、40代、50代社員の社員比率が多い企業、シニア社員のキャリア開発を検討中の企業、シニア社員に課題感をお持ちの企業には、ぜひご参加いただきたいと思います。
- 株式会社ライフワークス 代表取締役社長
- 梅本郁子氏((うめもと・いくこ)
- 株式会社リクルート入社、人事教育事業部を経て、リクルート関連会社にてライフプラン研修の開発に携わる。2000年にリクルートの有志らと、ミドル・シニア世代のキャリア自律支援を中心に、企業の人材育成をサポートする株式会社ライフワークスを設立。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
- 〒107-0062 東京都港区南青山2-2-3 ヒューリック青山外苑東通ビル6階
- E-mail:hrc@jinjibu.jp