強いミドル・マネジャーを育てる!「役割」・「実務」・「理論」のトリプルアプローチ
株式会社日本能率協会マネジメントセンター JMAMパートナーコンサルタント
小川 剛司氏
多くの企業が、志高く、周囲をリードして組織貢献をするミドル・マネジャーの育成に悩んでいます。短期的な業績達成だけでなく、中長期的に強い職場をつくり、メンバーを育てるミドル・マネジャーをどのように育成していくのか。本セッションでは、2,000通以上の添削指導や研修に携わる中でみえてきたミドル・マネジャーの課題や育成ポイントを持論も交えながらご紹介します。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
小川:「10年たっても後輩が配属されない」「主任と言っても後輩は二人。上とも下とも年代のギャップを感じる」といった中堅社員時代を過ごした世代が、管理職を担うようになりました。
近年のミドル・マネジャーは、下記のような悩みを抱えながら活動をしていないでしょうか。
- お客様の要望・要求は果てしない。
- 部下は言われたことには素直に取り組むが、一線を越えようとしないし、何より失敗を極端に恐れる。また、自分の関心があることには想定以上の力を発揮する。しかし、その領域は狭い。
- 上司は成功体験に基づいて相談には乗ってくれる。けれども、結局は「自分が逃げずにやり切るしかないよ」。もっともだが、相談したいのは「やり方」。
- 社内の関係部署も社外の協力会社もギリギリの状態で余裕はなく、こちらが期待するレベルの半分に満たないことが多い。
- “教わる経験”や“事業拡大に携わる”環境に恵まれることが少なかったというのが率直な実感。ただ、
“変革”や“グローバル対応”は待ったなしに求められる。正直、何から手をつけてよいかわからない。
このような中で、ミドル・マネジャー像(候補者を含む)は「今」と「以前」でどのように変化してきたのか、どのような考え方で成長を促せばよいのか。その実態に定量データやトライアル事例を踏まえて、迫りたいと思います。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
小川:「研修」「通信教育」「アセスメント」などの人材育成支援事業や「手帳事業」「出版事業」を一社で展開しています。今回のテーマは非日常の「研修」と、日常に組み込まれた「通信教育」およびそれらの定点観測としての「アセスメント」を横串にすることで得られた知見に基づいて、仮説を構築したものです。
事業単独でとらえると「できること」「できないこと」が浮かび上がりますが、通して俯瞰すると、単なる補完ではなく相乗作用が生み出せることを実感しています。私自身は現在、大学生から企業の管理職まで、多くの方と接点を持つ機会があります。めまぐるしく変わる環境下において、どうすればミドルマネジメントを効果的・効率的に機能させることができるのか。今回は、2,000通以上のレポート添削指導や研修経験をもとにみえてきた「組織開発」のポイントに、「個」への焦点も加えて、リーダーが育つ環境や仕組みについて触れたいと思います。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
小川:日頃「感じていた」ことと定量データとを突き合わせてみると、「なるほど」と納得できる点もあれば「そうなのか」といった発見や新たな疑問も生まれました。通信教育レポートの添削指導や研修講師として直接受講者と接する際に感じることと、私自身がマネジメントに携わっていた時代に考えていたこととの間に大きな違いを感じるものもあります。また、今回は一部、これまで外部には公表してこなかったデータもあります。これは仮説であり「答え」ではありません。当日はこの段階で発信することの意味にも触れたいと思います。皆さまの参考になる内容となれば幸いです。
- 株式会社日本能率協会マネジメントセンター JMAMパートナーコンサルタント
- 小川剛司氏(おがわ・ごうじ)
- 大手人材開発社で20年以上、企画営業・管理職としてとして活躍する。人材・組織開発コンサルタントとして独立し、2011年から日本能率協会マネジメントセンターのパートナーコンサルタントになる。マネジャー教育の分野で研修や通信教育の添削指導を中心に活躍中。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
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