考えても答えがでにくい「体験型研修の効果測定」に、
考える補助線を引いてみよう
カレイドソリューションズ株式会社 代表取締役開発者
高橋 興史氏
体験型研修を企画・実施する際、効果測定に悩みませんか?
人材開発の方に「体験型研修の悩み」の調査を実施したところ、回答の大半に効果測定が含まれていました。企業によって「効果」の定義や学習目標の設定方法もばらつく中で効果測定を議論しても答えを出すのは容易ではありません。
本セッションでは、導入・実施を楽にするために、豊富に学習デザインやゲーム研修の実施経験から得られた学習デザインと効果測定の考え方を紹介し、それを考える上での補助線として、参加者間で議論し深め合う場を提供します。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
高橋:「アンケートを取ったら、知識の定着の測定を求められ、次は行動化、ついには売上やROI、組織への波及まで測定を求められた」「『研修の効果は行動だ!』とする一部の業者の宣伝を見て心が揺れる」。そんなことはないでしょうか。
当社は、効果測定の会社ではありません。専門的なハウツーはお話できませんが、効果が見えにくいと敬遠されがちな「体験型研修」を扱う当社が効果測定を扱うことに意味があると考えました。
研修の効果測定は「永遠の課題」と言われます。効果測定できる目標設定がなされていない、「効果」の意味がブレているなど、さまざまな原因が考えられますが、論点を整理すれば自分なりの答えを導きやすくなります。そして自分なりの考えが定まれば何かを言われてもブレることは減ります。どんな問題も、問題が明確でなければ答えはばらつきます。にもかかわらず、効果測定の議論は、問題には目をつぶり、「効果をどうやって測定するか」というハウツーの提供が主流でした。
今回は、自社なりの答えを導くために、効果測定が必要な継続的で大規模な研修を実施している企業の人材開発担当者間で意見交換して、自社の考えを俯瞰的に見ることで考えを深める場を設けます。考える素材として、体験型研修の研修デザインとその効果測定に関する当社の活動で得られた知見をご紹介します。(ゲームは扱いませんし、体験もありません。その点はご容赦ください)
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
高橋:当社は研修内製化の支援に特化し、開発が難しいといわれる「ゲーム」型の研修を提供する開発型の会社です。研修の開発は、システムの開発と似ています。綿密な設計とテストによるデバッグなどが求められ、長期間・高額の費用がかかるのはご存じの通りです。当社は「クラウド」的発想で高額な費用を当社が引き受け、ユーザーの皆様には比較的安価に高品質なパッケージサービスを導入いただけるビジネスモデルです。
少し堅いので言いかえると、例えば、外食するとお金がかかりすぎるし、自炊はめんどくさい。そういう方に「中食」型のサービスとして、内製でも外注でもない開発に経営資源を割けない方を支える中間の存在です。
豊富なテストプレイで得られた質的・量的なデータを基に、改善を繰り返して、どの企業でどの担当者が誰に実施しても一定水準以上の結果になるように作り込みを行っています。その背景にある測定もご紹介する予定です。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
高橋:当社の研修は、双方向での学びの場を提供しています。参加者がつながること、知識を習得して学者になるのではなく経営者として考えることを重視しています。
本講演も、もちろん双方向で考える場を目指します。答えの提示はなく、実務寄りです。昨年のご参加者からは「ワークを三つも実施したことに驚いた」とか「講演で知り合った方とまだ交流があります」などの嬉しい言葉をいただきましたので、その方向性を突き詰め、皆さまがつながれるように設計します。聴く姿勢でなく学び合う姿勢でご参加いただきたいと思います。そのため、名刺は多めにお持ちください。(多くの企業様とつながって欲しいので、1社からの大量参加はご遠慮ください)
- カレイドソリューションズ株式会社
代表取締役開発者 - 高橋興史氏(たかはし・こうじ)
- 上場企業や研修会社を経て、「研修内製化」「ビジネスゲーム」を特徴とするカレイドソリューションズを創業。外注と内製の中間的位置づけや、ゲームを活用するサービスのユニークさは業界やメディアでも注目されている。ゲームやケーススタディ、教材の開発実績多数。大学での講演や研究などでも精力的に活動。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
- 〒107-0062 東京都港区南青山2-2-3 ヒューリック青山外苑東通ビル6階
- E-mail:hrc@jinjibu.jp