企業発展の鍵は、女性社員の能力開発・活躍支援
「次世代女性リーダー育成」とは
株式会社 話し方研究所 代表取締役
内田 賢司氏
女性の活躍推進といったときに、多くの企業が、育児休暇や時短勤務など働きやすい環境整備に注力しがちです。しかし本当の意味での女性の活躍とは、意欲の高い女性の能力開発を促し組織のリーダーとして活躍していただくことではないでしょうか。本講演では、女性が組織でリーダーとして活躍できるような能力開発はどのようにすべきか、人事部としてどう取り組むべきか、女性登用の現状をふまえてお伝えします。
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
内田:世の活発化するダイバーシティ活動にともない、女性活用、活躍支援というのが企業人事におけるキーワードになっています。確かに制度設計はしっかりできて、子育てをしながら働く環境が整い、モデルケースとして扱われる企業の事例も増えてきました。ところが、いまだに残る問題として、女性を管理職にしたいのだけど、辞退者が多いということ。働く女性を制度面ではなく能力開発面で支援するプログラムが少ないということ。この二つが当社に寄せられる相談として多いのが現実です。
弊社は、コミュニケーション領域のスキルアップを行う研修を得意としておりますが、女性活用という側面からみると、このコミュニケーションの問題がとても深刻であると言えます。男性と同等に、と言われても、男性以上に成果を出さなければ評価されない、という現実に向き合い、年上の男性部下にてこずり、時短制度などを利用すれば職場の冷たい目がいまだにある。そんなストレスが容易に予測できてしまうことが、女性の更なる活躍、管理職登用にブレーキをかけているのです。
そこで、次世代女性リーダーを育成するため、ストレスへの対処、怒りの感情を扱う方法、部下とのコミュニケーション、効果的な自己主張の仕方、ロールモデルとの人脈形成、リーダーシップなど、求められる能力開発プログラムを用意しました。研修は、企業ごとに異なる女性人材の活用状況を踏まえ設計を行うものです。今回の講演が、皆さまの課題解決の一助になれば幸いです。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
内田:コミュニケーション能力の開発を30年間行ってきた弊社は、人を理解し、人の価値観を大切にしていく、関係形成の原点を重要視してきました。そこで得る気づきは、自分を変える原動力になり、スキルのインプットだけで終わらない、心のある研修と言われています。
女性の能力開発に力を入れようと考えたのは、企業における女性人材の活用策が制度設計に注力し、能力開発に手が回っていないように思えたからです。そしてそのプログラムを設計するには、当社だけでは難しいと考え、複数のコンテンツホルダー企業(研修営業会社ではなくコンテンツ開発を行っている会社)と協力して、次世代女性リーダー養成プログラムをつくりました。さらに、他企業で活躍する女性人材との人脈作りを行う、「異業種女性人材スキルアップ交流会」も企画、開催しています。このような取り組みが、働く女性のさらなる活躍支援につながることを確信しています。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
内田:企業人事の皆様は、現在自社で取り組まれているダイバーシティ活動、特に女性の「能力開発支援」について、課題は何かを調べ、それぞれご意見を持ち寄っていただきたいと思います。今回ご紹介する「次世代女性リーダー養成プログラム」がその課題解決につながる期待が持てるのか、評価していただき、遠慮なく質問をぶつけていただきたいと思います。
企業コンサルタントではなく、能力開発を専門に行う研修会社集団が今回のプログラムを構築しています。そこに強みがあると思っていますので、ぜひご参加ください。
- 株式会社 話し方研究所 代表取締役
- 内田賢司氏(うちだ・けんじ)
- 民間企業を経験後、話し方研究所にて講師資格取得。講師歴15年。専門領域は、対人関係全般(プレゼンテーション・交渉・クレーム対応など)。 主な著書には、「好かれて尊敬されるあの人の聞き方・話し方」(明日香出版社)や「たった20秒!“あッ”という間の説得術」(アーク出版)など。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
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