『育成文化を創れ!』 伊藤ハムの挑戦!
責任者が熱く語る、メンター制度導入の真実
伊藤ハム株式会社 人事総務部 人材開発室 主事
位田 明子氏
伊藤ハムでは人事制度改定に伴い、今から2年前にメンター制度導入がスタートしました。この2 年間、担当責任者である位田明子氏は、制度の推進と定着に向けて走り続けてきました。しかし、創業以来80年以上行われてきた「現場任せの育成」を変えることは、並大抵のことではありません。「職場に育成の文化を根付かせる!」ともすればスローガンで終わりかねないこの大目標に、果敢に挑み続ける、熱き人事担当者の物語です。
(協賛:株式会社グローネス・コンサルティング)
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
位田:新入社員の指導担当者(OJTトレーナー/メンター)制度は、多くの企業で実施されています。しかし、指導担当者への組織的な支援体制や、毎期ごとの制度検証などは、ほとんど行われていないのが現状であり、多くの企業が「現場任せの場当たり的な育成」となっているのが現状ではないでしょうか。
数年前、伊藤ハム株式会社は人事制度改定に伴い、育成体系の見直しを実施、メンター制度をスタートさせました。各職場に配属される新入社員の育成担当者として、メンターを選出し、組織的な「メンター/メンティー育成」を行うことで、現場に「部下・後輩を当たり前に育成する文化」を植え付けることを目指しています。しかしながら、80年以上続く組織文化を変えるということは、簡単なことではありません。
私は制度主担当として、検討段階から、全国各地を飛び回り、メンター制度推進と定着に邁進をしてきました。各職場の長に制度をどのように理解してもらうか、メンターのモチベーションをどの様に維持するかなど、現在も試行錯誤を繰り返し、制度のさらなる理解浸透とバージョンアップを行っています。
本セッションでは、伊藤ハムのメンター制度について、その導入背景、制度内容、定着に向けての取り組み、担当として直面した苦悩など、人材開発担当者だからこそ語ることができる「真実」をご提供いたします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
位田:伊藤ハム株式会社は、ハム・ソーセージ業界第2位、セロハン・ウィンナー(現、ポールウィンナー)の開発や原材料の工夫により、ハム・ソーセージの大衆食化に成功するなど、創業者の伊藤傳三氏の時代から、食肉加工業において先駆的な取り組みを続けています。
- 「人物重視の採用」
- 「高い意識と熱い想い」
- 「面倒見の良い人が多い」
これは、新卒社員に聴いた、伊藤ハムグループの印象、良いところです。
弊社の最大の強みは、はやり「人」にあると考えています。弊社は、80年以上の歴史
を持つ食肉メーカーです。
セロファン・ウィンナーやプレスハムの開発など、先駆的な商品を開発してきた先人
達の、誇りと情熱を受け継ぎ、
次代に継承をしていくという気風が、伊藤ハムグループにはあります。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
位田:私ども伊藤ハムでは、2012年度よりメンター制度をスタートさせ、今年度で3期目となりました。これまで、メンターの育成、各職場への説明など、制度の理解浸透に力を入れてきましたが、まだまだ不足だと感じています。
従来の伊藤ハムでは、新卒の育成は各職場任せで、現場マネジャーによって、取り組みがバラバラな状態でした。この現状を変えるべく、メンター制度を導入したのですが、今現在も、試行錯誤を繰り返しています。
メンター制度、OJT制度は多くの企業で導入されていることと思いますが、各社それぞれに、課題をお持ちだと思います。ぜひこの機会に、情報交換をさせていただき、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。
- 伊藤ハム株式会社
人事総務部 人材開発室 主事 - 位田明子氏(いだ・あきこ)
- 人事部人事情報センターにて給与計算・労務管理担当の後に、2009年、本社人事部人材開発室に異動、グループ全社の教育研修における実効責任者となる。全社の教育研修体系の構築と運用、メンター制度整備を担当し、現在は新人・若手社員育成、メンター制度推進担当として、東奔西走をしている。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
- 〒107-0062 東京都港区南青山2-2-3 ヒューリック青山外苑東通ビル6階
- E-mail:hrc@jinjibu.jp