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講演者インタビュー

講演者インタビュー一覧

企業力を高めるシニアの活性化対策とは 70歳雇用時代に向けシニアのキャリア開発支援を考える

株式会社日本マンパワー 人材開発企画部 専門部長 マネジメントコンサルタント

秋本 暢哉氏

高年法の改正により、各社は人事・雇用制度の改訂を行っている。しかし、シニア社員を抱える現場では、「シニア社員の仕事能力と仕事意識の低下」という問題を抱えている。賃金が下がり、昔の部下が上司になり、モチベーションと能力が低下しているシニア社員をどう組織の戦力にしていくのか。シニア社員が60歳からの現場実務のプロとして会社貢献できる生涯雇用能力の形成に着目したキャリア開発支援施策を考えます。


シニア人材の“戦力化”を実現する、キャリア開発支援とは

―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

秋本:企業は改正高年齢者雇用安定法への対応として、人事・雇用制度の改定を中心に行っていますが、現場では新たな課題が出ています。「シニア社員の意識と能力の問題」です。シニア社員自身が捉えている組織貢献意識や保有能力(組織適応能力と職務専門能力)と、周囲からの評価にギャップがあるのです。シニア社員が組織に適応し能力を発揮するには、能力の陳腐化・周囲との関係性・処遇という三つの変化を乗り越え、職場に上手に適合しなければなりません。職務と保有能力のミスマッチが起こり、昔の部下が上司になり、賃金が減ることでモチベーションが著しく低下するリスクがあるからです。特に管理職は現場から離れていたため、専門能力が陳腐化し低下しています。これらの解決のためには、シニア社員が60歳からの現場実務のプロとして活躍できる、生涯雇用能力の形成が不可欠なのです。

生涯雇用能力の形成には、以下の3点を強化するキャリア開発支援が不可欠です。(1)キャリア開発を行うための制度仕組みづくり、(2)今後のキャリアを考える機会・場の提供、(3)職場適合を円滑にする環境づくり。これらの取り組みが、役職定年・60歳定年退職後に固有の職務専門能力を発揮し組織貢献する、シニア人材の“戦力化”を生み出します。シニア社員の変化は、管理者の高齢社員活用意識や次世代社員の自律意識の変化にも必ずや影響するのです。

―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

秋本:「キャリア開発のパイオニア」として『個人の自律と組織のまとまり』の必要性を広く社会に発信しており、年代別のキャリア開発研修(CDS)やキャリアカウンセリングサービスなどの総合的なサービスを提供しています。特にCDA(Career Development Adviser=キャリアカウンセラー資格)は人事教育担当者にも人気が高く、資格の合格者は1.2万人以上にのぼります。

また、日本企業の経営課題でもあるシニア社員の活性化に対しては、企業固有の様々なニーズにワンストップで対応できる専門チームを立ち上げ、一連の「シニア社員のキャリア開発支援サービス」を展開しています。

―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

秋本:70歳雇用時代に向けた社員の戦力化問題は、 シニア社員だけが対象ではありません。将来必ずシニア世代になっていく、若手社員から中堅社員、管理職に対しても、生涯にわたる生涯雇用能力(定年までそして定年後に雇用されうるプロフェッショナル能力)の確立を促進する必要があります。節目ごとにキャリアドック®(自分のキャリア上の健康状態=キャリア開発状態や陳腐化状態の点検)を実施し、新たなキャリアビジョンに向けて、自律的なキャリア開発行動を継続し自己の固有能力を強化していくことが重要です。社員の戦力化そして組織全体の活性化のためには、全年代に対する継続的なキャリア開発支援が必要であると考えています。

※キャリアドックは、株式会社日本マンパワーの登録商標です。
講演者プロフィール
株式会社日本マンパワー
人材開発企画部 専門部長
マネジメントコンサルタント
秋本 暢哉氏(あきもと・のぶや)
企業向け人事教育サービスの営業マネージャーを経て、法人向けのキャリア開発研修のプログラム開発及び講師養成の責任者を務める。現在はシニア世代のキャリア開発支援を中心に、企業のキャリア開発支援施策のコンサルティングやキャリア開発研修のファシリテーションを行なっている。

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