株式会社神鋼ヒューマン・クリエイト 研修開発センター シニアコンサルタント
冨田 徹氏
グローバル人材に求められる重要な能力の一つである「異文化適応能力」。しかしこの能力の向上は一筋縄ではいかないことはご存知のとおりです。そこで当社は、異文化感情研究の第一人者であるサンフランシスコ州立大学 D.マツモト教授が開発された人材育成メニューを導入致しました。異文化適応能力診断ツールや異文化コミュニケーション研修等、多国籍に跨る実証データに裏付けられた全く新しい教育メニューをご紹介致します。
「異文化コミュニケーション力」を向上するためのツールやプログラムをご紹介
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
冨田:私たち神戸製鋼所グループでは、グローバル人材の育成強化活動として、海外実務研修生の派遣や語学研修体制の強化などを始めています。さらに、派遣対象者に対して、財務やマネジメントなど、経営に必要な知識・スキルの付与、および「異文化コミュニケーション力向上」のための研修を実施しています。そこで今回の講演では、「異文化コミュニケーション力向上」のためのツールやプログラムをご紹介いたします。
「異文化コミュニケーション力」を育むには、お互いの「異文化」を受け入れ、信頼関係を築き、その「異文化」に「適応」することが大事です。しかし、異文化に合わせて行動は変えているがストレスがたまっている状態や、自分では満足しているが行動が変わっていない状態は、いずれも「適応状態」であるとは言えません。特に私たち日本人は、 自分が我慢して行動だけ変えること、つまり「顔で笑って心で泣いて」が得意ですね。そうではなく、行動を変えながらも、ストレスが減り、満足感も得ている状態。これこそが「適応状態」であると私たちは考えます。
当社は、異文化感情研究の第一人者であるサンフランシスコ州立大学のD.マツモト教授と長いお付き合いがあり、先生とのコラボレーションによって、「異文化」に「適応する」ことができるようになるためのツールやプログラムを開発しました。今回は、特に「感情」にフォーカスをしてご紹介いたします。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
冨田:私たちは、約30年前に神戸製鋼所の人事労政部門からスピンアウトした人材開発専門企業であり、神戸製鋼所グループおよび一般会社様の人材育成のお手伝いをさせていただいております。
研究開発、製造、技術、販売等、各組織の中に入り、それぞれの育成課題を共に解決することが仕事です。例えば神戸製鋼所の場合は、各事業部の企画・人事部門と共に、各ラインの職場・現場の人々の抱える育成テーマに焦点を合わせたコンサルティング活動を行なっています。そして、こうした活動からの経験・知見と、大学の先生方などのご指導を融合して、新たな研修開発やコンサルテーションの実施にあたっています。このような「実践知」に基づいた人材開発支援が、グループ外からのご注目をいただくことになり、多くの企業様をご支援することも増えてまいりました。 今回ご紹介する「異文化コミュニケーション」のプログラムもこうした活動から誕生してきたものです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
冨田:「異文化」は、海外は言うに及ばず、国内においてもさまざまな場所に存在します。そして私たちは誰しも、「異なる」ことを恐れたり、嫌悪したり、怒ったりする結果、思考や行動が何かにとらわれてしまい、とても不自由な状態になりがちです。
そこで我々は、皆さんが「異なる」ことを尊重しながら、真に「グローバルな適応」を実現されることをお手伝いしたいと考えております。
今回は、D.マツモト教授が開発された、いくつかの簡単な演習やテストをご用意して、楽しい時間にできればと考えております。どうぞリラックスしてお立ち寄りください。お待ちしております。
- 株式会社神鋼ヒューマン・クリエイト
研修開発センター
シニアコンサルタント - 冨田 徹氏(とみた・とおる)
- 早稲田大学大学院人間科学研究科修了。20年以上の実績を持ち、様々な業種、50社以上の顧客の人材育成にソリューションをご提供してきました。経営管理、リーダーシップ、動機づけ、対人スキルの領域に豊富な経験があります。経営行動科学学会、産業・組織心理学会、日本キャリア開発協会のメンバーでもあります。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
- 〒107-0062 東京都港区南青山2-2-3 ヒューリック青山外苑東通ビル6階
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