カレイドソリューションズ株式会社 代表取締役開発者
高橋 興史氏
ゲーム研修への注目は高まっていながら、「ゲームなどの体験型研修は楽しいけどうまくいかない」という声もあります。「どうすればうまくいくのか?」という問いに、ゲームを通じた学びの専門家として答えてきました。研修内製化×ゲーム研修というニッチな領域で蓄積した他では聞けないノウハウの一部を、大手企業の人材開発担当者向けに噛み砕いてお話しします。(ゲーミフィケーションは扱いません。)
楽しみながら学び、活用できる“ゲームを生かした研修デザイン”とは
―― 今回の講演のポイントについて、お聞かせください。
高橋:昨今、ゲームやインプロをはじめとした「体験型」の研修が増えています。同時に、ゲームなどの体験型研修に「楽しいけれど学べないのではないか?」と不安を抱える研修担当者の声もよく伺います。
当社はゲームを中心とした研修内製化教材の開発・提供に特化した業界唯一の会社です。ゲームを中心としているため、誤解されがちなのですが、ゲームはあくまでも手段にすぎません。手段の最適化だけで研修全体をなんとかすることはできません。今回、講演名に「なんとかする」と入れたため、講師向けのテクニック論を期待される方もいるかとは思いますが、「研修のデザイン」を通じてなんとかする方法をご紹介します。
また、ゲームにはゲームとしての特徴があります。知識習得が目的のデザインでは解決が難しい問題に直面してきました。その解決には理論+αの要素が必要でした。デザインの基本は聴くことです。研修担当者様や開発に協力いただいた方々から得た「こうしたらもっと学べる」という声に耳を傾けることで解決できたことが多々あります。また、研修の捉え方次第で適切なやり方が異なることも明らかになりました。
こうして蓄積した当社の開発ノウハウが参考になるとおっしゃるお客様も増えてきて、特に体験型研修のもやもやに、苦しめられる研修担当者の一助になるのではと考えています。 ご聴講頂いた皆様が「ゲームでもしっかり学べますよ」と自信を持てる状態を目指し、がんばります。
―― 貴社の強みや特徴について、お聞かせください。
高橋:強みや良さは、見る人によって異なります。当社は「聴く」ことを開発の最重要指針としておりますので、この機会に改めて、お客様に当社の強みを伺いました。
- ビジネスゲームの種類の豊富さ
- これまでにないものを次々と作り出す力
- これまでの研修の弱点を理解していること
- ユーザー目線で開発できること
が当社の強みとのことです。
また、特長は、「内製化に特化していて講師派遣を行わない」ため、「ゲーム研修パッケージ」を開発していることです。講師の属人性に依存しないためには、誰にとっても使いやすいように工夫する必要があります。このために入念な開発テストとデバッグを行い、定性・定量面で一定品質を超えることを確認してからリリースしています。この品質を背景にした保証制度は業界でも、「他にない」そうです。また、導入企業間のつながりも重視しており、定期的に懇親会を実施しているのも「他にない」そうです。
―― 講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。
高橋:ゲームというと、ワクワクする方が多いようです。ただ、ゲームは急激な変化が起こる魔法の杖や革命的な存在ではなく、一手法にすぎません。地に足をつけて、ゲームという手法が「楽しいけれど学べない」残念な存在ではなく、学びが深くて活用できる存在になるようになんとかする方法をご紹介します。
当社は双方向での学びの場を提供しています。研修では受講者同士がつながること、知識を習得して学者になるのではなく経営者として考えることを重視しています。本講演も、極力双方向で考える場になり、聴講頂く方々が繋がれるように設計しますので、聴く姿勢でなく学び合う姿勢でご参加いただきたいと思います。
- カレイドソリューションズ株式会社
代表取締役開発者 - 高橋 興史氏(たかはし・こうじ)
- 上場企業を経た後、研修会社で研修企画や新規事業に携わる。採用ゲーム会社の役員を経て、人材育成の持続可能性を追求すべく、研修内製化専業の当社を創業。ゲーム研修を中心としたサービスは世界各国で導入され、年間1万5千人超が受講。他にない切り口や数の豊富さが評価されている。大学での講演や研究など幅広く活動。
- 日本の人事部「HRカンファレンス」事務局
- 〒107-0062 東京都港区南青山2-2-3 ヒューリック青山外苑東通ビル6階
- E-mail:hrc@jinjibu.jp