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HRカンファレンストップ > イベントレポート一覧 > 2014年-秋-  > 特別セッション[SS-3] 【パネルトーク&ディスカッション】これからの「男性の働き方」を考える
特別セッション[SS-3]

【パネルトーク&ディスカッション】
これからの「男性の働き方」を考える

田中俊之氏 photo
武蔵大学 社会学部 助教
田中俊之氏(たなか・としゆき)
プロフィール:武蔵大学社会学部助教、博士(社会学)。専門は男性学・キャリア教育論。単著に『男性学の新展開』(青弓社)、共著に『大学生と語る性』(晃洋書房)、『ソシオロジカル・スタディーズ』(世界思想社)、『揺らぐ性・変わる医療』(明石書店)などがある。

福地真美氏 photo
経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室長
福地真美氏(ふくち・まみ)
プロフィール:1997年東京大学法学部卒業、通商産業省(現経済産業省)入省。2004年米国タフツ大学フレッチャースクールにおいて国際関係論修士。経済産業省において、航空機産業の振興、エネルギー需給見通しの策定、経済協力政策や石油・天然ガス確保政策等を担当。2010年から在マレーシア日本国大使館に赴任し、経済連携協定、インフラ輸出、企業のビジネス環境整備支援等を行う。2014年7月から現職。ダイバーシティ経営企業100選や、東京証券取引所との共同事業であるなでしこ銘柄事業など、女性をはじめとした多様な人材がいきいきと活躍できるような社会の環境づくりに取り組む。

川島高之氏 photo
大手総合商社系列 社長、NPO法人コヂカラ・ニッポン 代表、
NPO法人ファザーリング・ジャパン 理事
川島高之氏(かわしま・たかゆき)
プロフィール:1987年、慶応大学を卒業し三井物産(株)に入社、現在は系列上場会社の社長。地元の小・中学校のPTA会長、少年野球のコーチなども務めてきた。また、イクメン関連のNPO法人ファザーリング・ジャパンの理事、子ども教育関連のNPO法人コヂカラ・ニッポンの代表でもある。子育てや家事の経験(ライフの視点)、商社勤務や会社社長の経験(ビジネスの視点)、PTA会長やNPO代表の経験(ソーシャルの視点)という3つを融合させた講演を、各地で展開中。また、NHK「クローズアップ現代」をはじめ多数のメディアに登場。「元祖イクボス」としても知られる。

現在は、多くの企業が「女性活躍推進」に関する施策を実行している。このような時代に、働く「男性」はどんな問題を抱えているのか。女性活躍を推進するためには、男性の意識や働き方も変えなければならないはずである。このような問題意識の下、今回のセッションでは「男性学」の旗手、「なでしこ銘柄」の担当者、「元祖イクボス」の三人をお迎えし、「男らしさ」「イクメン」「イクボス」「女性活躍推進」などをキーワードに、男性の意識・働き方の改革についてパネルトーク、そして来場者とのディスカッションを交えながら、議論と理解を深めていった。

川島高之氏によるプレゼンテーション:
ライフ、ビジネス、ソーシャルの視点から、男性の働き方を見直す

川島高之氏 Photo川島氏は、子育てや家事を経験しているライフの顔、商社勤務や会社社長の経験によるビジネスの顔、そしてPTA会長やNPO代表を務めているソーシャルの顔という三つの顔を持っている。この三つをいかに融合させていくかが、男性の働き方を変えていく際に、重要なポイントであると言う。

「最近、イクボスが注目されていますが、これは『部下の私生活とキャリアを応援している』『自分もワークライフバランスを満喫している』『業績・組織目標を達成している』上司(管理職)のことです。女性社員が上司から『え、妊娠したの? 参ったなあ』と言われたらどう思うでしょうか。結婚を報告したら『いつまで働けるの?』と言われたらどんな気持ちがするでしょうか。あるいは男性社員が上司から『育児休業を取りたい? お前、男だろ。何を考えているんだ』と言われたり、PTA会長になると報告したら『仕事と遊びのどっちが大切なんだ!』と言われたら、どうでしょう。こんな発言を、当たり前のようにする上司が少なくないのです」

多くの日本企業では、男女問わず若手社員からの共通の叫び声として「休暇制度はあるが、とても取れる雰囲気ではない」「上司よりも先に帰ると、“えっ!”と思われてしまう」「長時間働いているほうが、高く評価されている気がする」などがある。「多くの企業では、ワークライフバランス、女性の活躍、イクメンなどを推奨していても、それは世間への宣伝のため。口先では上司も推奨しているけれど、本音は『死ぬまで働け』と思っているはずです」

川島氏は、こうした問題を解決していきたいと考え、NPO法人ファザーリング・ジャパンの理事も務めている。ファザーリング・ジャパンは、「子どもが生まれ、父親になったら仕事も育児も両立しながら楽しんで生きていきたい」といった「ファザーリング(父親であることを楽しむ)」意識を持った父親を支援するNPO法人である。

田中俊之氏によるプレゼンテーション:
男性だからこそ抱える大きな問題がある。そこをまず考えることが必要

田中氏は「男性学」を専門とし、これまでの社会学者にはあまり見られないユニークな考え方を持つ学者として知られている。「男性学」とは、あまり聞きなれない言葉であるが、ウーマン・リブならぬメンズ・リブの運動を受けて発生した「男性が、男性だからこそ抱える問題」を研究するジェンダー論のことである。田中氏は、「男性の働き方」を考える上で、まず「男性が、男性だからこそ抱える問題」を考えることが大切だと言う。

田中俊之氏 Photo「企業で働く場合、女性は結婚・出産・育児をはじめ、数多くの問題に直面します。ところがこれまで男性は、そうした問題をあまり考えることなく、無縁の存在でした。しかし、男性だからこそ抱える大きな問題があります。例えば、働き過ぎは、その典型です。また、男性の自殺率が高いことも、気になります。健康問題をのぞけば、自殺の理由のほとんどは仕事とお金に関するものです。これも日本で『男性であること』と『働く』こととの結び付きがあまりに強すぎるからです」

福地真美氏によるプレゼンテーション:
女性活躍推進、ダイバーシティを進めている企業には、成長力がある

福地氏は、経済産業省で「なでしこ銘柄」「ダイバーシティ経営企業100選」などのプロジェクトを担当している。この二つは、女性も含めて多様な人材が活躍できる企業の特徴を紹介し、企業の動きを後押しするものである。

福地真美氏 Photo 「日本の女性を取り巻く状況はどうなっているのでしょうか。日本の女性の年齢別労働力率は『M字カーブ』と言われるように、結婚・出産期にあたる30歳代に低くなっていることが知られています。これは日本と韓国に特徴的な傾向で、欧米諸国ではほとんど見られません。また、女性管理職の比率で言うと、日本は約11%。他の国と比べると相当低いレベルです。役員となると1%程度で、その差はさらに広がっています。男女格差を示すジェンダーギャップ指数でも、142ヵ国中、日本は104番目です」

女性の活躍促進は、多様な視点が企業の中に取り込まれることにつながる。男性社員を中心として、皆が長時間労働を行うようなモデルは限界を迎えている。いろいろな制約を持っていたとしても一人ひとりの人材が能力を発揮できるような社会にしないと、これからの日本は立ち行かなくなる。

「女性の活躍は企業にとって、さまざまなメリットがあります。多様な市場ニーズに対応するため、商品やサービスを供給する側にも、多様な人の視点が求められます。また、企業のダイバーシティの進捗を、欧米を中心として投資家は高く評価する傾向があります。そして、いろいろな制約がある人も含めて人材確保の母集団を広げるほうが、最終的に良い人材が集まってきます。その結果、企業が成長していきます」

ディスカッション(1):男性の働き方、女性活躍推進、男性と女性

次に、「男性の働き方」に焦点を当て、関連する周辺のテーマについて3名のパネリストによるディスカッションが行われた。まず、男性の働き方、特に長時間労働や男性管理職の意識、あるいは男のつらさ、イクメンノイローゼ、さらには「男性の働き方」革命と企業のメリットなどについて、活発な意見交換がなされた。

田中: 日本は、男性社員の長時間労働が非常に目立っています。今の状態で、家事・育児に参加するのは難しいでしょう。女性の活躍推進を考えた場合、この問題をセットにして考えないと机上の空論になってしまいます。

福地: 働き方を考える際に、評価が一つのポイントになると思います。できるだけ長い時間を仕事に捧げるほうが評価される側面が強いと、長時間労働を引き起こす要因になるでしょう。しかし、それは今、成り立たなくなってきつつある状況にあると思います。

川島:現在、男性の意識は変わってきているのでしょうか。

田中: 仕事と生活の両立志向が増えていますね。仕事だけ、という人はかなり減ってきています。特に若い人たちに顕著です。しかし、仕事中心にならざるをえない現実がありますから、正直、大変苦しい状況にあると思いますよ。

福地: 若い男性の中には、育児をやりたいという人が結構いらっしゃいます。しかし、昔ながらの働き方を求められる中では、実現するのは困難です。一方、子育て中の多くの女性社員は時間制約がある状況です。その結果、長時間労働の男性社員と時間制約のある女性社員の双方が苦しい状況にあるように感じます。

川島:さらには、介護の問題。それから、仕事が終わった後の飲み会で重要な決定がなされる、といった日本企業の独自の風習もありますね。正直、働く時間に制約のある女性社員の場合、これに対応するのは難しいのではないでしょうか。

田中: 日本では、生活の全てを会社に捧げる「能力」のある人材が、上司から「使える人」と考えられます。これは仕事の効率性の話ではありません。これを是正するには、評価の仕方を変える必要があります。「長く会社にいる、生活を会社に捧げる、これが偉い」という価値観の中では、女性だけではなく、これからは男性でもやっていくのは難しいでしょう。

川島:女性が活躍できている企業には、どのような特徴がありますか。

福地: 大きなものとしては、トップが強い意志を持って、多様な人材が活躍できる状態をつくっていることが挙げられます。トップが自社の競争力を高めるために、そのような環境をつくるということを、自分の言葉で発信しています。さらに、そのトップのコミットメントが現場の管理職までしっかりと浸透した上で、女性活躍の推進が行われていることも挙げられます。

田中: 私もトップが模範を示すことは、効果的だと思います。

川島:なるほど。例えばIT企業のサイボウズでは、トップ自らが育児休業を取得していますね。その結果、出産による離職がゼロになったという話を聞いています。実は企業のトップというのは、冷徹なまでに、どちらが得かを考えて、経営判断をしています。ワークライフバランスができている企業のほうが、業績が上がる、投資家からも評価される、社員の満足度も高まる、ということが分かっているからです。

福地: 私自身も育児中であり、いかに仕事を効率的に進めるかを考える必要に迫られています。そのために、何を変える必要があるのか。それを周囲の人と話し合い、お互いにカバーする体制をつくっていく。各人がそうしたことを考える機会を持つことも必要だと思います。

特別セッションの様子 Photo川島:女性だけではなく、現在では男性でもさまざまな制約を持つ社員が増えています。それを前提に、仕事の進め方をどうすればいいのか。それを皆が考え、実行に移すことが大切ですね。ところで、男性と女性を区別して対応することは必要でしょうか。

田中: 男女の明確な違いは、出産機能があるかどうかだけです。それに対するケアは必要です。しかし、それ以外はあくまで個人差でしょう。ここを混同して、男性だから、女性だからと一方的に決め付けて、役割分担を強いることはおかしな話です。企業経営でも、適材適所の配置ができなくなってしまうと思います。

福地: 女性も含めて、誰もが働きやすい職場にするための対応がとても重要になってくると思います。

ディスカッション(2):部下と上司、人事部門と経営者

川島: 次は、「あるべき」論について、お話を伺います。「男性管理職はどうあるべきか」「女性管理職はどうあるべきか」そして「ライフも重視したい部下は、どうあるべきか」について、ご意見をお聞かせてください。

田中: 多様性については、男女や国籍、年齢の違いだけでなく、個人の人生の中にもあります。個人のライフステージの変化によって、同じ男性でも働き方が変わるからです。一定のペースで働き続けることができないことを視野に入れて、人材をマネジメントすることが大事です。そうした個人の中の多様性を捉えないと、これからの人材マネジメントは難しいと思います。

福地: 男性管理職、また女性管理職はどうあるべきと考えるのではなく、それぞれにいろいろなステージがあって、多様な人生がある。そして、多様な価値観がぶつかり合うことによって、初めてイノベーションが生まれるということだと思います。このイノベーションなくして、これから日本企業が成長することは難しいでしょう。だからこそ、多様な人が自分の能力・考えをぶつけ合えるような社会にすることが大事だと思います。ただ、この問題は複雑であり、トップのコミットメントが欠かせません。そして、トップがそれぞれの現場に目を配ること、現場の管理職にも多様な人をマネージする力が求められます。

川島:「男性正社員中心で、制約を持たない社員だけの均一的な組織」と「多様な人材がいて、それぞれが持ち味を出している組織」とでは、どちらが顧客の喜ぶ価値の高いモノ・サービスを作り出し、提供できるか。それは当然、後者ですね。このように男性の働き方が変わっていかざるを得ない中、人事部門や経営者には何が求められますか。

田中: 変化を恐れずにとにかく一歩踏み出してみることです。例えば、育児を経験した男性は、価値観が変わります。育児休業を取りにくい状態では、正直、最初は不安だったかもしれません。しかし、新しいことにチャレンジし、経験すると“深み”が増します。他の立場の人のことを考えられるようになります。とはいえ、これから起こる変化は、保守的な人たちにとっては怖いものかもしれませんが、基本的には良いことなのです。「わが社では無理」とか「これが当たり前だから」といっても何も前に進みません。とにかく実践してみる大切さを主張したいですね。

福地: 制約のある人たちが増えていて、これからも増えることが前提になると思います。しかし、制約のある人だからこそ、いろいろな経験をしていて、見えるものもあります。多様な人材の能力をいかに見極めて、適材適所で配置できるか。そして、そういう人たちが能力を発揮できる環境を整えることが、人事部門に求められる役割だと考えます。経営者もそうした前提の上で、業績を上げる仕組みを、会社全体に根付かせていくことが大事だと思います。

来場者同士のディスカッション

パネリスト3名によるディスカッション終了後、来場者同士のグループによるディスカッションが実施された。テーマは、「男性の働き方」と「男性管理職」。終了後、各グループの代表者からは以下のような意見が述べられた。

特別セッションの様子
  • 昔の世代と若い人たちの間には、かなりギャップがあります。今の若い人には、管理職になりたい人が少なく、男女の感覚が似ています。例えば「転勤を嫌がる」「男性が育児休業を取ることをいとわない」といった変化があり、「昔の世代と若い世代の考え方のギャップを埋めることが難しい」という話で盛り上がりました。
  • なぜ男性は長く働くのか。「長く働くことが評価され、それによって昇進が担保される仕組みができている」といった暗黙の了解が組織の中にあると言います。長時間労働を「是」とはしないけれど、「しないと生き残れない」という意見が出ました。また、男性管理職はそのような環境下で育っているので、部下を評価する時に効率性ではなく、働く時間の長さで見てしまう。そうした「あうんの呼吸」で部下を長く働かせているようです。上司が、長時間労働のもたらす弊害をよく分かっていないと感じます。
  • 長時間労働を改善する動きが出たのは、やはり現場から。「外国人が配属された」「外国の会社と合併して新しい文化が入ってきた」といった変化が現場で起きて、初めて変わることがあるようです。また、男性の「個人」を例にとっても、その人の年齢によって、仕事の仕方が変わっていきます。だから、個人としても「多様性」のバランスをうまく取りながらキャリアを作っていくことが大切である、という話も出ました。
  • 「男性が育児休業をうまく取るにはどうしたらいいのか」という話が出ました。それに対する答えの一つは、職場の中でお互いがうまくフォローし合える仕組みづくりです。お互いの仕事についての情報を開示する、というようなことです。一方で「これまでの日本的な働き方を変えなければならない」という意見も出ました。海外勤務の経験がある方が「仕事のやり方を変えるためには、海外のジョブベースによる仕事の仕方を取り入れていかなければならない」と指摘してくれました。「男性管理職の考え方」についての議論では、「今の男性管理職の奥さんには専業主婦世代が多く、世代間ギャップがまだ大きいのでは」という意見が出ました。「男性の働き方をいかに変えていくか」という議論では、「働き方の選択肢を増やす」「フレックスタイム制など仕事のやり方の自由度を高める」ことが必要との意見が出ました。そして意識の問題として「人生をエンジョイできるかどうか。仕事以外で自分のやりたいことを増やすことが必要なのでは」という意見も出ました。
  • 男性の育児休業については、トップや上司の動きを待つのではなく、「従業員一人ひとりが率先して取得することが大事だ」という意見が出ました。
  • 欧米では、ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)型の働き方なので、残業はほとんどありません。翻って日本を見ると、長時間働く人が評価される傾向にあります。ただ、そうした明文化されていない組織文化を変えるのは、非常に難しいことです。組織の中には、長時間働く人も必要ですが、それが全員でなくてもいい、という話になりました。ただ男性は、「非モーレツ路線」でいきたいと思っても、それを言えない現実があるようです。だから、男性にも育児休業を取得してもらうためには、会社が強制的に取得させることも必要なのでは、という話が出ました。

まとめ:男性の働き方をどのように変えていくか

最後に、3名のパネリストから以下のようなメッセージがあり、2時間に及んだ特別セッションは終了した。

川島:「会社や管理職の意識を変えるためには何が有効か」とよく聞かれます。シンプルに「時代が変わったのだから、まず自分が変わるしかない」ということだと思っています。20年前、私が30歳の時にメールが導入されました。50歳以上のシニアの方が、メールで仕事ができるか、と抵抗していましたが、とにかく変わらなくては仕事ができません。そして今、同じようなことが起きているのだと思います。現在は、24時間働く「無制約社員」が主流ではありません。制約のある働き方をする人が7割を占めているのです。好き嫌い、損得の問題ではないのです。多様な働き方を認める選択肢しかないと思います。

福地: 女性活躍推進を女性の問題とすると、そこで思考が止まってしまいます。これを、働き方を含めた男性自身の問題でもあると考えてもらうことが、大きなポイントだと思います。また、働き方を考える際には、多様な働き方を経験することも大事だと思います。仕事で成果を出すためには、フレックスタイムやテレワークなどはできないと思い込んでいる人も少なくありません。しかし、経験してみると、働き方への意識の変化が何かしら出てきます。そうしたことを多くの人が経験する機会を増やしていくことも重要であり、その際、人事部門の役割はとても大きいと思います。

田中: 男性の働き方に焦点が当たったことは、今まであまりなかったように思います。今回、皆さんと話して改めて感じたのは、これからやれること、伸びシロがたくさんあるということです。例えば、男性の育児休業の取得は、現在2%くらいです。非常に少ないからこそ、これを10%にすることは、女性の育児休業を増やすことよりも簡単なことです。そして10%になった時、「最近、男性でも育児休業を取る人が多くなってきたね」という話になります。社内での認知が高まることで加速していくように思います。長時間労働も、多くの人がしているわけです。それを減らすことは、女性の社会進出を増やすよりも、ある意味、やりやすいと思います。これまで、男性に焦点を当てることはあまりなかったかもしれませんが、実は、やれることがたくさんあるということを、皆さんにお伝えしたかったのです。

そうした中で、男性は何を考えなければならないか。一般的に、男性は生産的なこと以外は価値がないと思いがちなのですが、これを変えないといけません。山登りを例に取ると、山に登っても、その後、降りてくるわけです。生産性のことだけを考えた場合、極端な話、山に登らなくてもいいのでは、ということになります。しかし、人生というのはそういう非生産的なモノもあってこそ、価値があります。多様性があることで、豊かな人生を送ることができます。例えば、夫婦の間の雑談。そうしたモノの価値を、男性は感じない人が多いようです。すぐに、結論を急ぎます。我々が無駄と思っているモノに、実は人生の中で大きな価値があるのです。そのことに、男性はそろそろ気づいてもいいように思います。

田中俊之氏、福地真美氏、川島高之氏 Photo
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