ラーニングプロセスでは、イノベーション創出を実現する、新しい会議手法『視覚会議R』を開発し、大企業を中心に多くの顧客に提供している。これは参加者全員のアイデアや意見をホワイトボード上に見える化し、それらを関連づけたり収束させたりしながら、全員が納得できるシナリオやプランを紡ぎ出すというもので、わずか50分程度で目的に応じた結論を出せるのが特徴だ。今回のワークショップにはおよそ40名弱が参加し、『視覚会議R』を体験した。
矢吹氏が『視覚会議R』とは何かを解説した後、さっそく二つのグループに分かれてスタート。まずはファシリテーター役を務める矢吹氏が「変化の時代にふさわしい理想の会議とは何か」というテーマを設定、参加者に対して配布済みのワークシートにそのアイデアを書き込むように指示する。「あまり難しく考えずに、思いつくままに書いてください。長々とした文章ではなく、単語やキーワードでかまいません」。また、ここで『視覚会議R』独自のツールである「アイデア発想カード」などについて説明する。「どうしてもアイデアが浮かばないときには思考を導くヒントなどが書かれているので、それを参考にするのもいいでしょう」。
全員が書き終えると、矢吹氏がそれらをホワイトボードに書き込んでいく。参加者全員が出したアイデアでホワイトボードは埋め尽くされる。「次のステップではこれら一つひとつの単語を関連付けていきます。性格が似たものや類似性のあるものをまとめたりするわけです」。そして次は選択。全員で意見を出し合い、面白いと思うものやインパクトの大きいものを抽出していく。「この段階では実現可能かどうかはあまり考えないでください。そこにこだわるとありきたりなものばかりになってしまう恐れがあるからです」。参加者の間からさまざまな意見が出され、徐々に絞られていった。
そうして次はブラッシュアップのステップに進む。全員で話し合って残ったアイデアを一つひとつ検討、実現性に欠けるものはどうしたら実現できるか、リスクが大きいと思えるものはどうしたらリスクを軽減できるかなどを具体的に煮詰めていくのだ。このころになると、当初は遠慮がちだった参加者も積極的に発言するようになり、議論は白熱。終了後、参加者からは「楽しみながら参加できた」「短い時間でこれほど深い議論ができるとは思わなかった」といった声が聞かれた。