近年、企業内には「閉塞感」という言葉が溢れている。これを打破するカギになるのが「やる気をもつ自律型人材」である。
では、「やる気」とは何を指すのだろうか?松井氏はこう説明する。「やる気には大きく分けると『テンション』と『モチベーション』の二つがあります。テンションは一時的な盛り上がりであり、モチベーションとは長期的に続くやる気のこと。どちらも必要ですが、閉塞感の時代に特に重要なのはモチベーションであり、中でも『カネ・ヒマ・ポスト』という外発的なものではなく、『体の奥から湧いてくる』内発的なものが大切になるのです」
そして、「自律型人材とは、『自分にとって何が大事?(価値観)』『本当はどうなればいい?(ビジョン)』という『自分軸』を持つ人材のことです。自律型人材を育成するためには、自分軸を明確にすることから始めます。『自分がどうありたいか?』『自分の会社が本当はとうなればいいか?』を考えます。そして、個人の意識が変わるからこそ、個人と会社の両方が満たされるようになるのです」と松井氏は言う。
また、自律型人材には「自分自身とのコミュニケーション」「相手・まわりとのコミュニケーション」といったコミュニケーション能力が求められており、「自分軸」は「自分自身とのコミュニケーション」の一つなのだと言う。
チームフローでは、こういった自律型人材育成のための研修やセミナーを行っており、その一例として某大手情報サービスのWebマーケティング新規事業部門における組織改革の研修事例を提示した。
チームフローの特徴は、研修の企画および講師をコーチが務めることにある。企画段階で担当者にコーチングを行い、研修終了後のありたい姿(本当はどうなればいい?)を明確することに力を入れている。また、実施段階では参加者自身が自分軸を明確にし、自ら行動するように働きかけているとのこと(松井氏)。
現在、課題を抱えている人事・研修担当者、組織長は目の前の課題に執着するのではなく、3ヵ月後、半年後、1年後にどうなっていたいのか、自分のありたい姿を考えることが大切だそうだ。